今回は、虎牙(HUYA)、闘魚(DouYu)、ビリビリ(BiliBili)の決算をチェックする。
・虎牙と闘魚
ゲーム動画の実況配信サイトの2強。
闘魚の筆頭株主はテンセント、虎牙はJOYYだがテンセントが議決権の過半数まで買い増す権利を持つためこちらもテンセント系となる。
規模も良く似ている。売上高は虎牙の方がやや大きい。4Qの前年比成長率は虎牙が+64%、闘魚が+78%と非常に高い。
営業利益の黒字化は虎牙が先行していたが、直近の4Qでは闘魚が上回っている。
月間アクティブユーザー数は闘魚が大きいものの虎牙も追い上げている。ただ、両社ともに成長率は鈍っている。
有料ユーザー数ではここ1年虎牙が苦戦している。
時価総額は虎牙32億ドル、闘魚21億ドルとなっている。
現金や有価証券は虎牙が約15億ドル、闘魚が約12億ドル保有している。両社とも有利子負債はない。
虎牙の実績PERは50倍を超えているが営業利益率が3%と低い。営業利益率が10%であればPER36倍、20%であれば18倍程度になる(YYやMOMOの営業利益率は20~30%出ていた)。売上高の成長が続き利益率が上がれば割安感が出ると思う。
ただ、両社ともMAUがそれほど伸びていないのはやや不安を感じる。また、ショートムービーの快手やビリビリが競争相手として浮上していることも心配な点となる。
・ビリビリ
中国のニコニコ動画。
ゲームやアニメ関連のリーディングカンパニーだが、ライフスタイルやエンターテインメントなどにも展開している。
4Qは売上高+74%、営業損失3.8億元の損失だった。
売上高の内訳を見るとモバイルゲームの比率が徐々に下がっている。モバイルゲームの4Qは前年比+22%の伸び率だった。
モバイルゲームに次ぐセグメントに育っているのがライブブロードキャスティング&バリュー・アド・サービスで前年比+183%という高い成長率だった。VASはプレミアム会員料、猫耳FM、コミックなど。ビリビリはeスポーツコンテンツにも注力しており、リーグ・オブ・レジェンド世界大会の3年間の独占放送権を獲得している。
広告はマクロ経済の逆風にもかかわらず前年比+81%増加した。Eコマースも前年比+244%という高い成長率となっている。
月間アクティブユーザーは前年比+40%伸びて1.3億人、有料ユーザーは前年比2倍の880万人と順調に成長している。MAUのターゲットは2021年に2.2億人とのこと。
ビリビリの強みは高いユーザーロイヤリティで12か月のリテンションレートは80%を超えているそうだ。
バランスシートには現金と投資有価証券(短期・長期)が93億元あるのに対して、長期有利子負債は34億元となっている。
1Qのガイダンスは売上高が前年比で+56~60%とのこと。
現在の時価総額は75億ドルとなっている。
2019年の売上高が67億元(9.5億ドル)なので実績PSRは7.8倍。仮に2020年に売上高が+50%伸びればPSRは5.3倍になる。営業利益率が10%ならPER70倍、20%ならPER35倍というレベル。