7816 スノーピーク

新潟県発祥のアウトドアブランド。テント・タープを主力としたオートキャンプ用品を製造・販売している。高品質、ロングライフ、永久保証制度のハイエンド商品。

新規事業ではアパレルが順調に育っており2019年の売上高の12%を占める。海外比率は15%程度。アメリカ、韓国、台湾などに展開している。

 

売上高は14年連続増収とのこと。

営業利益は2017年に落ち込んだが2018年には復活した。

近年はエントリー製品の販売が好調で、売上高は4.8億円→10.9億円→12.8億円と大きく伸びている。2019年には全体の9%程度を占める。決算説明会資料によるとエントリー製品の粗利益は高いそうだ。

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2017年12月期の決算で中期経営計画を出しており、2018年12月期は大幅に上振れて上方修正したが、2019年12月期の営業利益はやや下振れて着地した。

問題は2020年12月期の営業利益で、当初18億円の計画だったものが10億円に下方修正され利益達成が一期後ろ倒しとなった。会社によると投資フェーズという位置づけだが、決算を見ていると2017年の実績や2019年の予想でも投資フェーズが使われており本当に実現するのか不安を感じる。

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投資の内容は明記されていないが、海外展開や新規事業の売上比率を増やすという説明はある。ただ、これまでの実績を見ると新規のアパレル事業を除いて結果はあまり芳しくない。

海外事業は一進一退。2020年はアメリカの売上高を7.3億円から12.5億円に増加させる計画を出している。

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新規事業ではアパレルの売上高が順調に増えている。他は売上高がかなり少ない。ビジネスソリューションズは今期から登場した。

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矢野研究所のレポートによると、2018年の国内アウトドア市場は前年比+7.5%で右上がりに伸びている。

やや古いが2015年12月期の決算説明資料によるとスノーピークのキャンプ用品の市場シェアは15.8%だったそうだ。

会社の国内売上高は2015年から2倍近くになっているので、国内市場が伸びていてもシェアはかなり大きくなっていそう。今後は国内売上高のみの高成長は期待しにくいかもしれない。

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バランスシートは健全。キャッシュリッチとは言えないが有利子負債は現金の範囲内にある。

 

株価636円で今期PERは16倍となる。

今後は利益率の改善が鍵になりそう。中期計画のように来期の営業利益が+80%増加すればPERは9倍と安くなる。

実現するかは分からないが、扱っている商品からすると現在の経常利益率6.1%は改善可能なように思える。