リチウムイオン電池の会社

1月に出た富士経済の調査によると、リチウムイオン二次電池の市場は2022年に2017年比2.3倍まで拡大する予測です。成長を牽引するのがEV向けの電池です。

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EV向けの電池で有名どころはパナソニック、CATL、BYD、LG化学、サムスンSDIです。電子デバイス産業新聞によると2017年の年間生産能力の首位はパナソニックになっています。

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ICCTの資料には自動車メーカーとバッテリーサプライヤー別のEV生産数が掲載されていました。上記5社以外で目立つのは万向や力神といった中国メーカーです。

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ファンダメンタルモメンタム

モメンタムというと一般的に株価の勢いが強い銘柄を買うという定義ですが、ファンダメンタル(企業の業績)のモメンタムが強い銘柄を買うことで超過リターンを得られるという研究があります。

 

Earnings Acceleration and Stock Returns

収益の加速と将来の株式リターンを調べた2017年10月の研究です。2018年の NAAIM 創設者賞を獲得しています。

検証は以下の条件です。

・収益の加速は前年比の1四半期前との比較。例えば前年比で1Qが+10%、2Qが+15%の場合はモメンタムが+5%のプラス。

・収益には株価調整EPS、EPS、売上、ROAの4つを使っており、定義は以下のとおり。メインで使っているのは株価調整EPS。

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・対象期間は1972年~2015年。対象となった会社は8,824社。

・トレード戦略はトップとボトム10分の1のロングショート。決算発表の2日後に買い、1か月の場合は30日保有、四半期の場合は次の四半期決算+1日保有。

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スーパーストック発掘法

ファンダメンタルとテクニカルを使って比較的短期間で大幅に値上がりする「スーパーストック」を見つける投資法を解説しています。

スーパーストック発掘法──3万時間のトレード術を3時間で知る (ウィザードブックシリーズVol.222)

スーパーストック発掘法──3万時間のトレード術を3時間で知る (ウィザードブックシリーズVol.222)

 

著者は1997年に投資を始めて以降、けた外れのリターンとドローダウンを繰り返してきたそうです。

2003年から2006年までの2年余りで4万5000ドルを684万5000ドルへと増やしたり、80万ドルの口座を1日で15万ドルにしたり、2008年にはコールオプションによってわずか数日で700万ドル(資産の75%)を飛ばしています。

リターンの数字は印象的ですが、取っているリスクもすごそうなので実力はちょっと分かりにくいと感じました。

 

本書のメインとなるスーパーストックについてはテクニカル8個とファンダメンタル24個の条件が書かれています。

このうち重要度が高そうな「必須の5条件」(主にテクニカル)と「12の基本的なスーパー法則」(主にファンダメンタル)は下のとおりです。

「必須の5条件」

① 強力なベース(狭い値幅で長期にわたって横ばいが続く)をブレイクアウトする

② 30週移動平均線を上方にブレイクアウト

③ 出来高の増加

④ 大きな迎え角

⑤ 株価は15ドル以下

「12の基本的なスーパー法則」 必須ではないが満たすのが多いほど良い

① 利益が上昇傾向にある

② 利益は持続可能か 

③ 年間PERが10以下

④ 継続的な成長

⑤ 1株利益の前年比がプラス

⑥ 高い営業レバレッジと売上総利益の向上

⑦ 受注残の上昇

⑧ 公開市場でのインサイダーによる買い

⑨ 少ない浮動株と低い時価総額

⑩ ITファクター(ユニークな話題、スーパーテーマ)

⑪ 保守的な経営

⑫ シンプルで好印象な決算発表

これらの条件は基本的にはオニールやミネルヴィニのものとよく似ています。

ただ、テクニカルはチャートを羅列したオニールの本よりもシンプルでわかりやすく感じましたし、ベースをより重要視しています。退屈で出来高の薄い状態が長期間続くことで短期筋が振り落とされるとともに支持線ができ、リスク・リワードが有利な状態になるそうです。

ファンダメンタルでは成長率に絶対的な数字を挙げていない(銘柄によって異なる)のと、低PERを条件に含めているのが特徴かなと思います。

 

仕掛けの条件はいくつか挙げていますが、基本的にはブレイクアウトで買うのではなく株価が落ち着くまで待つのを勧めています。

ベースから上放れた後に株価が落ち着き薄商いで値幅が狭くなったとき、特にマジックライン(ほとんどが10週移動平均線)まで戻したときがローリスクの仕掛けポイントとのことです。

 

売りに関してはその重要性を強調しているものの、天井を当てるのは難しく、信頼のおけるテクニカルの売りインデケーターはないそうです。著者が最良の売りどきとしているのはセンチメントが極端な状態になったときです。

具体的な条件としては、株価の大きな上方乖離、ギャップを開けて高値を更新、9~15か月上昇したあと、下のチャネルを下回ったとき、前の四半期を下回る決算、などなどテクニカルとファンダメンタルを合わせて30個くらい挙げています。

 

本書は成長株投資の本ですが、ブレイクアウトではなく少し落ち着いてから買う、株価の上昇で売る、増し玉するなといった王道とは少し違った話が書かれています。他の裁量の本と同様にどれくらいの優位性があるのかはわかりませんが面白かったです。

個人的にはベースの重視やローリスクな仕掛けポイントといった話は良さそうに思えました。

 

6175 ネットマーケティング

マッチングアプリの Omiai に先行投資している会社です。

今期は減益の予想ですが、中期経営計画では再来期に営業利益3~4倍を目標にしており実現すればかなり割安になります。

 

会社概要

ネット広告代理店とマッチングサービスの会社です。

フィスコのレポートによるとネット広告はアフィリエイト代理店業界で2位とのことです。アフィリエイトの市場規模は2017年が前年比+13.5%で、2021年まで+15%程度で安定的に成長するとの見込みです(矢野経済研究所)。

マッチングサービスは婚活アプリの「Omiai」に加えて、デーティングアプリの「QooN」をリリースしています。

Omiai はペアーズなどと並びマッチングアプリでは最大手の一つで、累計会員数378万人(18年12月)、有料会員数64,502人(18年9月)です。

マッチングアプリの差別化はなかなか難しそうですが、Omiai はやや真剣な人用という位置づけのようです。QooN はよりカジュアル寄りです。

下のグラフは18年1Qの決算説明資料に掲載されていた Omiai の有料会員数の推移です。1Qは過去最高の伸びでした。

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テスラ4Q決算

4Qの売上高は7,225Mドルでした。3Q比で+6%の増収です。

営業利益は413Mドルで、3Q比で-1%の減益です。営業利益は前四半期の水準をほぼキープしています。

Automotive 部門の粗利益率はやや低下して24.3%ですが依然として高水準を維持しています。なお、4QのZEVクレジットは無視できるレベルです。

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2018年の通期では売上高+83%の増収でした。営業利益は388Mドルの赤字です。

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江西ガン鋒リ業(ガンフォンリチウム)

上海A株(2460)と香港H株(1772)に重複上場している中国のリチウム大手です。上流のリチウム抽出から下流のバッテリー生産やリサイクルまでを手掛けています。

 

事業

川上から川下までの垂直統合の会社ですが、売上の比率を見るとリチウム化合物・金属がほとんどでバッテリーやリサイクルはわずかです。

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リチウム化合物・金属の生産ですが、原材料は自社権益とサードパーティーから購入しています。少額出資のピルバラミネラルズや出資のないアルチュラマイニングともオフテイク契約を結んでいることから、必ずしも自社権益からの調達にこだわっていないようです。川上の権益にも投資するリチウム化合物の生産会社という感じです。

2017年はマウントマリオンが稼働したことで自社権益からの購入が35.3kt LCEに急増しています。サードパーティーからの購入は13.4kt LCEです。

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ダウ30銘柄のPERとCAPEレシオ

アメリカ株のCAPEレシオの高さが長らく指摘されています。

最近の急落でやや下がっていますが、現在のS&P500のCAPEレシオ29倍という数字はITバブルや大恐慌前に次ぐ高さです。

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Shiller PE Ratio

しかしながら、個別株を見ていると一部のIT系を除いてそこまでの割高感を感じません。

そこで今回はダウ30銘柄のPERとCAPEレシオを比べることで両者にどれくらい乖離があるのかを見てみます。

なお、業績データはモーニングスターから取得しました。

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オロコブレ(ORE:ASX)

アルゼンチンでリチウムやホウ素を生産している会社です。オーストラリア上場です。

 

リチウム事業

アルゼンチンのオラロス湖からリチウムを生産しています。パートナーは豊田通商でオロコブレのプロジェクト持ち分は66.5%です。豊田通商はオロコブレに15%の直接出資も行っています。

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6425 ユニバーサルエンターテインメント

2年以上前に記事を書いてから、ウィンリゾーツとの和解やオカダマニラのオープンなど大きく進展しました。

 

業績

2014年3月期~2017年3月期にかけて経常利益200~300億円で推移していましたが、2017年12月期(9か月決算)は赤字に転落しました。今期も3Qまで営業利益は赤字です(ウィン社との和解があったため経常利益や純利益は黒字)。

業績の悪化は、カジノ事業の立ち上げ費用もありますが、何より主力のパチンコ・パチスロ事業が不調です。今期の下方修正のコメントでは「新規制のもとでの機械適合が遅れたことにより、国内のパチンコ・パチスロ事業の販売が来期にずれ込んだ」とのことです。

  売上高 経常利益 純利益
2011年3月 45,019 6,643 4,468
2012年3月 74,858 33,368 31,380
2013年3月 99,182 44,873 27,449
2014年3月 86,760 23,626 9,409
2015年3月 88,085 22,055 10,173
2016年3月 91,709 22,343 15,661
2017年3月 111,187 27,036 18,629
2017年12月 68,546 -12,829 -13,426
2018年12月(予) 92,700 85,100 176,700
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ライベント(LTHM)

元FMCのリチウム部門です。2018年10月にスピンオフで上場しました。

リチウム化合物の生産はリチウム・コーポレーション・オブ・アメリカ時代から60年以上も、オンブレ・ムエルト湖からのリチウム生産はFMC時代から20年以上も続けているという老舗です。

現在の生産量はSQMやアルベマールに遅れを取っていますが、かつては2社と並ぶビッグ3の一角とされていました。

なお、SQMやアルベマールはリチウム以外のセグメントが半分前後を占めるため、アメリカ上場で実績のある(すでに生産している)純粋リチウム会社はライベントだけです。

 

業績

FMC時代のリチウムセグメントの業績は下のとおりです。リチウム価格が大きく上昇したこともあり、大幅な増収と利益率の向上を見せています。f:id:sapa21:20190104125826p:plain

ライベントの18年3Q決算(9か月累計)は売上高+38%の増収・純利益+89%の増益でした。営業利益率は前年同期の30%から36%にまで上がっています。

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2018年の調整EPSのガイダンスは0.89~0.91ドルです。現在の株価は14ドルなので今期PERは16倍前後になります。

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