アメリカの4大航空会社

バフェットが積極的に買っている理由が気になったので少し調べてみました。

 

大手4社による寡占化

かつては過当競争に苦しんでいたアメリカの航空会社ですが、度重なる統廃合によって大手は4社に集約されています。これによって各社は適切な利益を出せるようになりました。

 

データはこちらの記事が詳しいです。

Investing in North American Airlines – Why did Berkshire Hathaway buy airlines anyway?

・大手4社でアメリカ国内線の旅客数・機体数の80%のシェアを持つ。

・座席利用率は大きく改善した。

・2010年以降は各社ともにマージンを確保している(ただし、この時期には原油価格の下落もあった)。

 

下のグラフは Macrotrends というサイトで取得できた大手4社の営業利益率の推移です。近年はどの会社も赤字になることはほとんどなく10%を超える営業利益率も珍しくないといった状況です。

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利回りの高いREIT 3月末

JapanREITの利回りランキング上位のうち、物件売却益と利益超過分配金を差し引いても利回り5%以上ある銘柄をピックアップしました。

下表の予想は会社発表の予想分配金を使った利回り、調整はそこから物件売却益と利益超過分配金を引いた利回りです。調整利回りの高い順に並べています。インフラファンドはREITと分けて下に並べました。

コード 投資法人 決算月 株価 時価総額 予想 調整
3492 タカラレーベン 2/8 92,900 31,993 6.8% 6.8%
2971 エスコンジャパンリート 1/7 105,800 24,103 5.9% 5.9%
3451 トーセイ・リート 4/10 118,100 33,537 6.2% 5.8%
3473 さくら総合リート 6/12 86,700 28,805 5.8% 5.8%
3476 投資法人みらい 4/10 201,600 79,675 5.7% 5.7%
3455 ヘルスケア&メディカル 1/7 112,400 35,019 6.1% 5.6%
8963 インヴィンシブル 6/12 54,700 307,143 6.0% 5.5%
3472 大江戸温泉リート 5/11 85,700 20,263 5.6% 5.5%
3488 ザイマックス・リート 2/8 120,400 27,389 5.3% 5.3%
3470 マリモ地方創生リート 6/12 111,100 14,637 6.2% 5.3%
3468 スターアジア 1/7 109,100 59,112 5.7% 5.0%
             
9281 タカラレーベン・インフラ 5/11 113,700 15,756 6.1% 5.5%
9284 カナディアン・ソーラー・インフラ 6/12 100,000 23,235 7.2% 5.3%
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各国株価のトレンドとバリュエーション 2019年3月末

3月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

・株価データはMSCIから配当込みのGROSS指数を、CAPEやPERはStarCapital、為替は日銀より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。

・円ベースの損益は、各国のMSCI指数のドルベースのリターンを日銀のドル円レート(月末値)で円換算しています。データの取得先が違うので多少の誤差が出ます。

 

先進国と新興国

第1四半期の株価は先進国が+12.6%、新興国が+10.0%と大幅高でした。

ドル円レートは終わってみれば前年末とほぼ変わらなかったため、円ベースの成績も先進国+13.0%、新興国+10.3%とほとんど変わりません。

直近1年間のリターンは先進国+4.6%に対して新興国-7.1%と先進国が優勢です。為替は円安に振れているため、円ベースでは先進国+9.1%、新興国-3.1%です。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは先進国に比べて割安です。先進国のCAPEレシオは25倍近くで割高ですが、PERで見ると17.2倍と標準的なレベルです。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 23.6 16.7 2.6% 12.3% 12.7% 3.2% 7.6%
先進国 24.9 17.2 2.5% 12.6% 13.0% 4.6% 9.1%
新興国 15.8 13.8 3.2% 10.0% 10.3% -7.1% -3.1%
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中国ネット株のチェック

テンセントの決算は出ていませんが、僕のウォッチしている中国ネット系ADRの決算が出揃ったのでチェックします。

ティッカー 会社 株価 今期PER 来期PER 増収率 増益率
BABA アリババ 180.63 33.3 26.8 41% 3%
0700.HK テンセント 361 36.5 30.9 24% 22%
BIDU バイドゥ 166.99 18.8 13.9 15% -78%
JD JD.com 28.11 51.1 29.9 22% 赤字
NTES ネットイース 245.03 33.1 26.9 36% 57%
WB ウェイボー 63.25 20.9 17.2 28% 26%
SINA シナ 58.2 16.6 13.2 14% 2%
YY YY 80.7 11.8 9.7 28% -13%
MOMO モモ 36.44 14.0 11.9 50% 11%
BZUN バオズン 35.23 23.8 15.6 41% 31%
WUBA 58.com 60.76 20.0 15.5 31% 15%

※今期と来期PERはYahooFinanceのアナリスト予想の平均EPSを使って計算。

※増収率と増益率は直近四半期の実績。増益率は営業利益。

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気になる銘柄のチェック その2

前回の続きで持ち株や気になる銘柄の決算チェックです。今回は金融・不動産を除く内需系の銘柄です。

 

1407 ウエストホールディングス

太陽光発電の工事や電力小売りなど。

1Qは売上高+97%の増収、経常利益は黒字転換です。

セグメントはすべてが好調でした。主力の再生可能エネルギー事業と電力事業の売上高は前年比2倍前後の増収率です。

予想PERは7.9倍、配当利回り3.3%と割安感があります。

電力事業は前年2Qに大きな損失を出していることもあり今期のハードルは低そうです。

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気になる銘柄のチェック

決算シーズンも終わったので持ち株や気になる銘柄の簡単な感想を書きます。今回はネット系の銘柄です。

 

2138 クルーズ

低価格ファッションEC。

3Qの取扱高は+19%と前2四半期の+30%前後から減速してしまいました。売上は3Qまで+24%の増収です。

先行投資の段階で今期の予想利益は0です。

予想PSRは0.9倍で同業と比べると低めです。

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ライベントとアルベマールの18年4Q決算

ライベントとアルベマールの決算メモです(ざっと読んだのを適当に訳してメモしただけなので、正確な情報は決算資料やカンファレンスコールを当たってください)。

 

ライベント

18年通期の業績は、売上高+27%の増収(数量+21%、価格+8%)、調整EBITDA+45%の増益でした。

4Q単体の業績は、売上高+6%の増収(数量+7%、価格±0%)、調整EBITDA+5%の増益でした。4Qの調整EBITDAマージンは38%で通年の41%より低下しています。 

 

2019年のガイダンスは、売上高495~525Mドル、調整EBITDA190~200Mドル、調整EPS92~98セントです。中間値を使うと売上高+15%の増収、調整EBITDA+7%の増益になります。ただし、1Qはカスタマーミックスの影響が大きく大幅減益を見込んでいます。

2019年の設備投資は235~265Mドルで、うち炭酸リチウムの拡張に175Mドルとのことです。

現在の株価13.72ドルで計算すると予想PERは14~15倍です。 

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リチウムイオン電池の会社

1月に出た富士経済の調査によると、リチウムイオン二次電池の市場は2022年に2017年比2.3倍まで拡大する予測です。成長を牽引するのがEV向けの電池です。

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EV向けの電池で有名どころはパナソニック、CATL、BYD、LG化学、サムスンSDIです。電子デバイス産業新聞によると2017年の年間生産能力の首位はパナソニックになっています。

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ICCTの資料には自動車メーカーとバッテリーサプライヤー別のEV生産数が掲載されていました。上記5社以外で目立つのは万向や力神といった中国メーカーです。

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ファンダメンタルモメンタム

モメンタムというと一般的に株価の勢いが強い銘柄を買うという定義ですが、ファンダメンタル(企業の業績)のモメンタムが強い銘柄を買うことで超過リターンを得られるという研究があります。

 

Earnings Acceleration and Stock Returns

収益の加速と将来の株式リターンを調べた2017年10月の研究です。2018年の NAAIM 創設者賞を獲得しています。

検証は以下の条件です。

・収益の加速は前年比の1四半期前との比較。例えば前年比で1Qが+10%、2Qが+15%の場合はモメンタムが+5%のプラス。

・収益に使っている指標は株価調整EPS、EPS、売上、ROAの4つ。メインは株価調整EPS。

・対象期間は1972年~2015年。対象となった会社は8,824社。

・トレード戦略はトップとボトム10分の1のロングショート。決算発表の2日後に買い、1か月の場合は30日保有、四半期の場合は次の四半期決算+1日保有。

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スーパーストック発掘法

ファンダメンタルとテクニカルを使って比較的短期間で大幅に値上がりする「スーパーストック」を見つける投資法を解説しています。

スーパーストック発掘法──3万時間のトレード術を3時間で知る (ウィザードブックシリーズVol.222)

スーパーストック発掘法──3万時間のトレード術を3時間で知る (ウィザードブックシリーズVol.222)

 

著者は1997年に投資を始めて以降、けた外れのリターンとドローダウンを繰り返してきたそうです。

2003年から2006年までの2年余りで4万5000ドルを684万5000ドルへと増やしたり、80万ドルの口座を1日で15万ドルにしたり、2008年にはコールオプションによってわずか数日で700万ドル(資産の75%)を飛ばしています。

リターンの数字は印象的ですが、取っているリスクもすごそうなので実力はちょっと分かりにくいと感じました。

 

本書のメインとなるスーパーストックについてはテクニカル8個とファンダメンタル24個の条件が書かれています。

このうち重要度が高そうな「必須の5条件」(主にテクニカル)と「12の基本的なスーパー法則」(主にファンダメンタル)は下のとおりです。

「必須の5条件」

① 強力なベース(狭い値幅で長期にわたって横ばいが続く)をブレイクアウトする

② 30週移動平均線を上方にブレイクアウト

③ 出来高の増加

④ 大きな迎え角

⑤ 株価は15ドル以下

「12の基本的なスーパー法則」 必須ではないが満たすのが多いほど良い

① 利益が上昇傾向にある

② 利益は持続可能か 

③ 年間PERが10以下

④ 継続的な成長

⑤ 1株利益の前年比がプラス

⑥ 高い営業レバレッジと売上総利益の向上

⑦ 受注残の上昇

⑧ 公開市場でのインサイダーによる買い

⑨ 少ない浮動株と低い時価総額

⑩ ITファクター(ユニークな話題、スーパーテーマ)

⑪ 保守的な経営

⑫ シンプルで好印象な決算発表

これらの条件は基本的にはオニールやミネルヴィニのものとよく似ています。

ただ、テクニカルはチャートを羅列したオニールの本よりもシンプルでわかりやすく感じましたし、ベースをより重要視しています。退屈で出来高の薄い状態が長期間続くことで短期筋が振り落とされるとともに支持線ができ、リスク・リワードが有利な状態になるそうです。

ファンダメンタルでは成長率に絶対的な数字を挙げていない(銘柄によって異なる)のと、低PERを条件に含めているのが特徴かなと思います。

 

仕掛けの条件はいくつか挙げていますが、基本的にはブレイクアウトで買うのではなく株価が落ち着くまで待つのを勧めています。

ベースから上放れた後に株価が落ち着き薄商いで値幅が狭くなったとき、特にマジックライン(ほとんどが10週移動平均線)まで戻したときがローリスクの仕掛けポイントとのことです。

 

売りに関してはその重要性を強調しているものの、天井を当てるのは難しく、信頼のおけるテクニカルの売りインデケーターはないそうです。著者が最良の売りどきとしているのはセンチメントが極端な状態になったときです。

具体的な条件としては、株価の大きな上方乖離、ギャップを開けて高値を更新、9~15か月上昇したあと、下のチャネルを下回ったとき、前の四半期を下回る決算、などなどテクニカルとファンダメンタルを合わせて30個くらい挙げています。

 

本書は成長株投資の本ですが、ブレイクアウトではなく少し落ち着いてから買う、株価の上昇で売る、増し玉するなといった王道とは少し違った話が書かれています。他の裁量の本と同様にどれくらいの優位性があるのかはわかりませんが面白かったです。

個人的にはベースの重視やローリスクな仕掛けポイントといった話は良さそうに思えました。