JD 京東商城 2019年3Q決算

中国を代表するEコマースの大手。直販&マーケットプレイスというアマゾンスタイルの販売方式。

市場シェアはアリババに次いで2位だったが、ソーシャルECの拼多多が逆転したとの報道もある。

 

3Q決算は好調だった。売上高は1年ぶりに+30%近くの成長率となり、営業利益も3四半期連続で黒字となった。

売上高 1,348億RMB(前年比+29%)

営業利益 50億RMB(前年-6.5億RMB)

純利益 6.1億RMB(前年30億RMB)

EPS 0.41RMB

 

四半期ごとの売上高の推移。

3Qの前年比成長率は+29%と再加速している。地方市場での売上が好調で、新規顧客の70%以上をそれらの地域から獲得したとのこと。

売上高の内訳は商品が+27%、サービスが+47%の伸び率。サービスの売上高は全体の12%を占める。3PLと広告が牽引したそうだ。JDロジスティクスの外部顧客の売上高は全体の40%で2年前の20%以下から大きく伸びた。

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営業利益の推移。2019年は3四半期連続で黒字を計上している。

Non-GAAP営業利益率は2.2%で、JDリテイルは3.3%とのこと。JDリテイルの純利益率の目標は1ケタ台の後半。

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アクティブアカウントは3.34億人。2018年~2019年にかけて低迷していた時期もあったが、3Qは前年比+10%という高い伸び率となった。

モバイルMAUの前年比は+36%、モバイルDAUは+35%とここ5年で最高とのこと。

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4Qのガイダンスは売上高の前年比が+21~25%。

通期のnon-GAAP純利益は前回の80~96億RMBから98億RMB~105億RMBに引き上げられた。ただ、3Qまでに既に99億RMB稼いでいる。 

 

現在の時価総額は488億ドル。

過去4四半期の売上高は757億ドルなのでPSRは0.65倍となる。

売上高が20%以上も伸びていること、JDリテイルの目標利益率が1桁台後半ということ、JDロジスティクスの価値といったことを考えると少なくとも割高ではないと思う。

ただ、アリババや拼多多と競争しながらも成長を続けていけるのかはよく分からない。

 

WB ウェイボー 2019年3Q決算

ウィーチャットと並ぶ中国のSNS大手。ウィーチャットがクローズドなSNSなのに対してウェイボーはオープンなSNS。中国版ツイッターと呼ばれている。ただ、実際はもう少し範囲が広いそうだ。

3Qの時点のユーザー数はMAU4.97億人、DAU2.16億人。SNSのアクティブユーザー数で10位に入る規模。増加率は前年比2桁をキープしている。時系列でみると増加率は下がってはいるが規模を考えれば十分に伸びている。

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3Qの売上高は前年比+2%(為替調整後+6%)まで減速してしまった。

売上高 467.8Mドル(前年比+2%)

営業利益 172.5Mドル(前年比+7%)

純利益 146.1億RMB(前年比-12%)

希薄化EPS 0.64ドル(前年0.73ドル)

 

四半期の売上高と営業利益の推移。

売上高は2018年2Qまで前年比+70%前後という非常に高い成長率だったが、ここ1年で急降下している。

営業利益は2015年頃に黒字が常態化して、それ以後は急速に利益率を改善させてきた。3Qの営業利益率は37%とピーク付近を維持している。

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ウェイボー、テンセント(広告)、バイドゥ(バイドゥコア)の売上高。中国経済の減速やショートビデオの台頭を受けて各社とも成長率が鈍化している。ただ、ウェイボーはもともとの成長率が高かったため下落が目立つ。

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4Qのガイダンスは売上高が前年比0~3%になるとのこと。

3QのEPSはコンセンサスを上回ったものの、成長鈍化を嫌気してか株価は暴落している。

過去4四半期のEPSを使うとPERは17.4倍。YahooFinanceのアナリスト予想を使うと今期PERは16倍、来期PERは14倍となる。

1年前は高成長割安株で魅力的に見えたが、成長率が0%まで低下した現在では割安とは言えなくなってしまった。

今後はウェイボーの競争力を維持できるか、広告市場がいつ回復するかというところが問題になりそう。

 

YY 2019年3Q決算

中国の老舗ライブストリーミングプラットフォーム。

ゲームストリーミングのHUYAを子会社に持つほか、今年の3月に中国外でライブストリーミングやショートビデオを運営するBIGOを完全子会社化した。

 

3Qは大幅増収も大幅減益。BIGOの子会社化が影響している。

売上高 68億RMB(前年比+68%)

営業利益 1.6億RMB(前年比-74%)

Non-GAAP営業利益 6.1億RMB(前年比-21%)

純利益 0.9億RMB(前年比-86%)

希薄化EPS 1.11RMB

Non-GAAP希薄化EPS 6.42RMB

 

四半期の売上高の推移。右肩上がりに増えている。19年2Qに大きく伸びているのはBIGOを子会社化した影響。

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営業利益は凸凹がある。最近の急減はBIGOへの投資が原因。

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セグメント売上高。

YYの成長は鈍っている。3Qの前年比は+9%の増収。

HUYAは右肩上がりに伸びており、3Qの前年比は+78%の増収となった。

BIGOは2Q比で+25%の増収と成長率は非常に高い。大部分の売上高はBIGO Liveからで、IMOとLikeeの比率はまだ小さいとのこと。BIGO Liveの先進国からの売上高の比率は26%で2Qの21%から増加した。

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セグメントの営業利益。

YYの成長はストップしている。前年比でプラスになったりマイナスになったりという状況。大きく落ちていないのは救いだが。

HUYAは4四半期連続で黒字を計上した。HUYAの成長は心強いのだが、この会社に関してはテンセントが議決権ベースで50.1%まで株式を買い増す権利(2020年3月8日~2021年3月8日の期間)を持つため、これが行使されると子会社から外れてしまう。

BIGOは先行投資で赤字が大きい。この会社がどれくらい利益を生むことができるのかがYYの将来にとって最も重要になりそう。

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各サービスのモバイルMAUと前年比。

YY 39.9百万人 前年比+3%

Huya 63.8百万人 前年比+29.1%

BIGO Live(中国外でのライブストリーミング) 21.9百万人 前年比+9.7%

HAGO(カジュアルゲームプラットフォーム) 32.3百万人 前年比+92.4%

Likee(中国外でのショートビデオ) 100.2百万人 前年比+413.4%

IMO(ビデオベースのインスタント・メッセンジャー) 212百万人

明らかにLikeeの伸びが強く、会社もこのサービスに最も力を注いでいくとの話。(経営陣によると)Likeeは中国外で2番目に大きいショートビデオプラットフォームとのこと。中国外でのショートビデオの普及率は低くポテンシャルは高い。ただ、tik tokなどの競合も強く先行きがどうなるかは不透明だと思う。

 

YYの現在の株価は62.83ドル、時価総額は50億ドル。

YahooFinanceのアナリストの今期売上予想が35億ドルなのでPSRは1.4倍とネット企業にしては低い。ただ、赤字のBIGOを買収したことでバリュエーションが分かりにくくなっている。

YY本体の営業利益は過去4四半期で3.7億ドルあるため少なくとも割高な会社ではないと思う。あとは海外事業をどう評価するかによりそう。

 

6175 ネットマーケティング 2020年6月期1Q決算

マッチングアプリのOmiaiとアフィリエイトに特化したネット広告代理店の会社。

 

1Q決算は好調だった。経常利益は4.1億円で中間予想の4億円を上回っている。売上高の前年比+23%も中間予想の+15%を上振れている。

売上高 42.5億円(前年比+23%)

経常利益 4.1億円(前年0.25億円)

純利益 2.8億円(前年0.16億円)

 

Omiaiのメディア事業は+23%増収の大幅黒字転換となった。 黒字化は計画通りではあるが利益の大きさはインパクトがある。

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ただ、成長にはやや減速感もある気がする。

有料会員数は前年比+25%と前期の+40%以上から鈍っている。前年1Qが良すぎたのかもしれないが。

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月次の新規会員数は直近で前年比+9%。無料会員も含まれるのでこれだけで判断できないが抜群の伸びではない。

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iOSの月次売上予想を見ても頭打ち感が出ている。

同HPのセールスランキングでマッチングアプリを見ると、OmiaiはPairs、タップル、Tinderよりも下なので競争力に不安も感じる。

 

広告事業は前年比で+23%増収+113%増益という好調な業績。売上高の伸び率はメディア事業と変わらないレベル。

この事業については詳しい説明がないのでなぜこれほど強いのかよく分からない。

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広告事業とメディア事業の四半期の売上高を比べてみる。

広告事業は季節性がある一方でメディア事業は安定して伸びている。売上高の規模は広告事業の方がかなり大きい。

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セグメント利益。こちらも広告事業の方が大きいが、かつては広告事業とメディア事業が半々くらいだった。今後のメディア事業の伸びに期待したいところ。ただ、決算説明資料によると「恋活・婚活市場の需要期に向け、 戦略的な投資を見込む」「2Q、3Qに大きなコストを見込んでいるため、業績予想に変更はありません」とあるので今期はそこまで期待できないかもしれない。

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株価は本日ストップ高となっている。今期PERは29倍。中期経営計画の来期営業利益12億を使うと来期PERは20倍くらいになると思う。

 

9517 イーレックス 2020年3月期2Q決算

新電力の老舗。電力小売りとバイオマス発電を行っている。

中間決算は好調で大幅な増収増益となった。経常利益の進捗率は75%と高い(前年35%、前前年51%)。

売上高 415億円(前年比+35%)

経常利益 54億円(前年比+225%)

純利益 31億円(前年比+234%)

 

2Q単体でも大幅な増収増益。前年2QがJEPX価格の高騰で落ち込んだという要因もあるが、前前年の経常利益12億円と比べても大きく伸びている。

売上高 255億円(前年比+39%)

経常利益 35億円(前年比+569%)

純利益 18億円(前年比+793%)

 

四半期ごとの経常利益の推移を見ると2Qの利益が異常に大きくなっている。

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JEPXのシステムプライス(Day Ahead 24 hours)の月平均値の推移。

イーレックスによると4~9月の平均は8.4円(kWh)で前年の10.1円から大きく低下している。ちなみに前前年を計算すると8.8円となる。

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高圧事業の売上高は+1.2%の増加、販売電力量は+6.6%の増加。1Qの+14.4%、+22.5%から大きく減速している。

低圧事業の売上高は+22%の増加、販売電力量は+19.6%の増加。需要家件数は14万件。需要家件数、販売電力量ともに計画を下回っている。低圧事業の需要家件数は2018年の中頃まで四半期ごとに1万件増えていたが、直近では3四半期連続で4千件の増加に留まっている。

高圧事業も低圧事業も競争激化で厳しいなかで全体の売上高が35%も伸びているのは卸売が大きいのだと思われる。2Qの好業績も電力小売以外の貢献が大きいのではないかと思う。

ただ、この会社は高圧、低圧、卸売、発電それぞれの売上高と利益を開示していないので正確なところは分からない。

 

新規発電所は豊前と大船渡発電所が来年1月より本格運転開始。両施設の発電出力は7.5万kWと大きい(既存の土佐は2万kW、佐伯は5万kW)。豊前は出資比率65%で全量外部へ販売、大船渡は出資比率35%で全量erexへ販売する。

沖縄は21年7月に運転開始という計画。発電出力4.9万kW。出資比率45%で全量erexへ販売。

過去の資料では発電部門のみで21年3月期に年間30億円以上、26年3月期に50~70億円の純利益への寄与と書かれていた。

 

今期EPSは76.34円の予想でPERは20倍となる。

進捗が良いことや新規発電所2か所が運転開始するのはプラス材料だが、電力小売の伸びがかなり減速していることは気になる。また、20年4月には一般家庭向け規制料金が撤廃されるというマイナス材料もある。

 

ALB アルベマール 2019年3Q決算

特殊化学品メーカー。リチウム、臭素、触媒などを作っている。

リチウムでは最大手の一角。チリのアタカマ湖とオーストラリアのグリーンブッシュ鉱山(持分49%)からリチウム化合物を生産している。アタカマ湖とグリーンブッシュ鉱山はかん水系と鉱石系でベストの資産。

 

3Qは売上高+13%の増収、純利益+20%の増益、調整EBITDA+8%の増益。希薄化EPS1.46ドル。

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セグメント別の前年比は、リチウムが売上高+22%・利益+13%、臭素が売上高+10%・利益+11%、触媒が売上高+4%・利益+8%となっている。

年ベースの3セグメントの売上高の推移(2019年は3Qまでの数字)が下グラフ。

リチウムがセグメントに出たのが2015年でそれ以降に大きく伸びていることがわかる。臭素と触媒は横ばい。強いて言えば臭素がやや伸びている一方で触媒はやや弱い感じ。

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セグメントEBITDA。この会社はセグメントの組み換えが多いため継続的な数字が分かるEBITDAを見る。

なお、リチウムと触媒のセグメント利益はEBITDAの80%程度、臭素は85%程度となっている。

こちらも売上高と同じくリチウムが大きく伸びている。2018年は全体の53%を占める。

臭素はやや右肩上がり、触媒はやや右肩下がりとなっている。

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 EBITDA利益率。

リチウムは40%を超えている(3Q単体は39%)。臭素や触媒も25~35%という高収益。

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2006年から2018年の年ベースの売上高と営業利益の推移。

2014年頃までは横ばいで思ったほど伸びていないかなという感じだが、リチウムが加わって以降は成長率が高くなっている。

なお2015年は Chemetall Surface Treatment が入っているため売上高が大きいが、この事業は翌年に売却している。

リーマンショックの2008年や2009年も業績は落ちているものの赤字にはなっておらず、景気が悪くてもそれなりに利益を出せるようだ。

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2019年のガイダンスは調整EBITDAが1.02~1.06Bドル、EPSが6.00~6.25ドル。それぞれ1.07~1.14Bドル、6.25~6.65ドルから下方修正された。

現在の株価は67.98ドルなので今期PERは10.9~11.3倍となる。 

2020年のガイダンスはリチウムがマイナス、触媒と臭素はフラット。EBITDAは10%程度の減少になるとのこと。

 

リチウム事業について。

・3Qの売上高は+22%。数量+22%、価格+1%の貢献。

・国際価格は前年比で30%の下落。アルベマールは長期契約を主としているためいまのところ影響を受けていないが、今後は影響が出てきそう。

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・中国の炭酸リチウム価格は7ドル/トン。キャッシュコストまで落ちているためこれ以上下がることはないと見ている。しかし、この中国の価格が国際価格に下落圧力を与えている。

・新たな供給は需要増加に追い付かないと見ているが過剰在庫がある。最低でも6か月分で2~3倍のレベル。これが2020年も価格に影響を与える。

・2020年の数量は5~7.5Ktの増加を見ている。キャパシティの拡大はないが XinyuⅡが通期でフル稼働する。

・125Ktのキャパシティ拡張を延期したことで1.5Bドルが必要なくなる。2021年にはフリーキャッシュフローがプラスになる。

・Wodginaの見直し。出資比率を50%から60%に高める一方で、Kemertonの水酸化リチウムプラントの40%をミネラルリソーシズに譲渡。

・スポジュメン鉱石の供給過剰からWodginaは生産停止。2021年に完成するKemertonの水酸化リチウムプラントに供給する。

 

3496 アズーム 2020年9月期決算

駐車場サブリースと月極駐車場のポータルサイト。サブリースの売上高が9割近くを占める。

サブリースは駐車場の空き区画をオーナーから借り上げ、自社のポータルサイトなどを通じて獲得したユーザーに貸し出すという事業。シェアードリサーチのレポートによると、顧客はオフィスビルとマンションがそれぞれ40%程度でマンション向けの比率が高いのが特徴とのこと。

対象となる附置義務駐車施設の台数は多く拡大余地は大きそうに思える。

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決算は売上高が大きく増えたものの大幅減益に終わった。期首予想と比べると売上高は-5%、経常利益は-64%下振れている。人件費等の関連コスト増が原因とのこと。

月極駐車場受託台数も9,615台で目標の11,000台を大きく下回った。

売上高 27.2億円(前年比+48%)

経常利益 9.4億円(前年比-37%)

純利益 5.6億円(前年比-49%)

 

今期は売上高+40%、経常利益+117%の予想。経常利益率は実績の3.4%から5.3%に改善する見込み。

中期目標は強気だが、前回の目標からは大きく下方修正している。

2020年9月期 売上高44億円・営業利益2.6億円→売上高38億円・営業利益2億円

2021年9月期 売上高65億円・営業利益11億円→売上高63億円・営業利益9億円

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決算後に株価は一時+20%近く上げたが終値は+5.7%で引けている。

今期予想はPER27倍、予想はPSR0.97倍と成長株にしてはバリュエーションが低い。

直観的に良さそうなビジネスモデル、ストック型の収益、高い売上成長率、利益率の改善余地の大きさ、37億円という時価総額など大化けしそうな要素は多い。一方で上場初年に大幅下方修正するなど信頼性に疑問も感じる。ハイリスクハイリターンの銘柄だと思う。

 

9628 燦ホールディングス 2020年3月期2Q決算

葬儀会社。

中間決算は増収増益。経常利益は期首予想を+32%上振れて着地した。

売上高 104億円(前年比+4%)

経常利益 15億円(前年比+2%)

純利益 10億円(前年比-6%)

 

2Q単体の経常利益は前年比+20%と好調。1Qの経常利益は-17%の減益だった。

売上高 54億円(前年比+6%)

経常利益 9億円(前年比+20%)

純利益 6億円(前年比+3%)

 

過去5年ほどの四半期の経常利益の推移。

ところどころ落ち込む四半期があり、今年の1Qも悪かったが2Qに回復した。直近の経常利益率は17%になっている。過去10年の年度ベースの平均は10%。

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過去の売上高を見ると微妙に成長しているが伸び率は低い。減収の年もある。

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経常利益は凸凹があるものの2017年まではゆるやな伸び率。

2018年と2019年に大きく伸びているが、2018年に売上高が+7%と比較的高い成長率だったこと、粗利益率が2%ほど改善したこと、販管費の半分ほど占めている人件費が横ばいなこと、のれん償却費がなくなったことなどが原因のよう。

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期首予想の経常利益と実績の経常利益を比較すると、基本的に業績予想を控えめに出して上方修正する傾向があることがわかる。2011年からこのパターンが続いている。

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上方修正の発表では株価がほとんど上がらなかったが、決算と自社株買いの発表で株価は+10%上がった。

今期予想PERは8倍とそこそこ低い。ただ、成長率の低い会社なので大きな株価上昇はあまり期待できないのかなという気はする。

 

LTHM ライベント 2019年3Q決算

FMCのリチウム部門がスピンオフされて誕生した会社。

かつてのビッグ3の一角だが、現在はSQM、アルベマール、ティエンチ、ガンフォンの4社と比べると規模が小さい。

アルゼンチンのオンブレ・ムエルト湖からリチウム化合物を生産しており、炭酸リチウムの生産コストは世界最低クラス。戦略的に水酸化リチウムに注力している。

 

3Qの売上高はガイダンス105~115Mドルのところを97.7Mドルと大きく下振れた。

売上高への寄与は数量-4%、価格-8%、FX-1%。

3Qのリチウム価格に改善の兆しはなく4Qも同じ状態が続くとのこと。

 

売上高 97.7Mドル(前年比-13%)

営業利益 13.8Mドル(前年比-61%)

純利益 28Mドル(前年比-40%)

EPS 0.12ドル(前年0.24ドル)

調整EBITDA 28.2Mドル(前年比-33%)

 

売上高と営業利益の推移。上場後は業績が悪化しており株価も暴落している。

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決算と同時に通期のガイダンスも大きく下方修正した。

4Qの売上高は90~100Mドル、調整EBITDA21~26Mドル、希薄化EPS0.08~0.11ドル。

2019年通期では売上高400~410Mドル(前回ガイダンス435~475Mドル)、調整EBITDA105~110Mドル(190~200Mドル)、希薄化EPS0.44~0.47ドル(0.56~0.66ドル)。

 

下方修正の理由は2020年に向けて水酸化リチウムの在庫を4Kt積み増すため。2020年の顧客の需要は生産量のピークを上回るそうだ。

販売量の計画は25~26Kt。キャパシティの拡張はないが2019年の17Ktより大幅に増加する。

なお、アルゼンチンで生産される炭酸リチウムはすべてが水酸化リチウムの生産に使われる。さらに不足する炭酸リチウムはサードパーティーから購入するとのこと。

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その他のメモ

・中国での炭酸リチウム価格の下落は、オーストラリアのスポジュメン鉱石の供給過剰、中国でのかん水からの生産、中国での短期的な需要減少といった原因。

・水酸化リチウム価格も下落しているが炭酸リチウムよりも下落幅は小さい。需要は強く前年比50%の増加で100Ktとなる見込み。水酸化リチウムの買い手は日韓欧などに分散していて、より厳しい品質が求められる。

・ライベントは中国では水酸化リチウムをほとんど販売していない。可能なかぎり中国で短期的なスポット価格では販売しない方針。

・中国でのNMC811の売上高は1Qから3Qの間に2倍に増えている。

・2020年からLG化学に水酸化リチウムを供給する。契約は複数年。

・アルゼンチンの炭酸リチウム9.5Ktとアメリカ・ノースカロライナの水酸化リチウム5Ktの拡張は2020年末までに完了する。アメリカの水酸化リチウムのキャパシティは14Ktとなり中国と同じ規模となる。

・2021年の販売量は2020年と変わらない見込み。需要が大きければ中国での4本目のラインを考える。これには6~12か月が必要となる。

 

3895 ハビックス 2020年3月期2Q決算

紙と不繊布製品の会社。紙おむつ、クッキングペーパー、おしぼり、テーブルナプキンといった製品を作っている。

 

中間決算は増収増益で、経常利益は期首予想を+22%上振れて着地した。

売上高 66億円(前年比+1%)

営業利益 47億円(前年比+12%)

経常利益 52億円(前年比+21%)

純利益 36億円(前年比+22%)

 

2Q単体の業績は1Qに比べて大きく改善している。1Qは減収減益だった。

売上高 34億円(前年比+3%)

営業利益 26億円(前年比+48%)

経常利益 30億円(前年比+67%)

純利益 20億円(前年比+74%)

 

四半期ごとの経常利益と経常利益率の推移はこちら。

売上高の伸びが緩やかなので経常利益の金額は経常利益率とほぼ連動している。利益率はばらつきが大きい。1Qは6.7%、2Qは8.8%だった。年度ベースで過去10年の平均は7.5%。

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木材パルプ価格と原油価格(FREDより取得した数値を円換算)、ハビックスの経常利益率の推移。

2019年に入って木材パルプの価格低下が著しい。原油価格も弱含んでおりコスト面での改善が期待が持てそう。

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現在の株価は721円で予想PERは9.2倍。業績上振れを期待するなら割高感はないと思う。

なお、ハビックスは現在30億円をかけて海津工場を増設しており12月に稼働の計画となっている。これにより海津工場の衛生用紙の生産能力は約2倍となるそうだ。