中国の老舗ライブストリーミングプラットフォーム。
ゲームストリーミングのHUYAを子会社に持つほか、今年の3月に中国外でライブストリーミングやショートビデオを運営するBIGOを完全子会社化した。
3Qは大幅増収も大幅減益。BIGOの子会社化が影響している。
売上高 68億RMB(前年比+68%)
営業利益 1.6億RMB(前年比-74%)
Non-GAAP営業利益 6.1億RMB(前年比-21%)
純利益 0.9億RMB(前年比-86%)
希薄化EPS 1.11RMB
Non-GAAP希薄化EPS 6.42RMB
四半期の売上高の推移。右肩上がりに増えている。19年2Qに大きく伸びているのはBIGOを子会社化した影響。
営業利益は凸凹がある。最近の急減はBIGOへの投資が原因。
セグメント売上高。
YYの成長は鈍っている。3Qの前年比は+9%の増収。
HUYAは右肩上がりに伸びており、3Qの前年比は+78%の増収となった。
BIGOは2Q比で+25%の増収と成長率は非常に高い。大部分の売上高はBIGO Liveからで、IMOとLikeeの比率はまだ小さいとのこと。BIGO Liveの先進国からの売上高の比率は26%で2Qの21%から増加した。
セグメントの営業利益。
YYの成長はストップしている。前年比でプラスになったりマイナスになったりという状況。大きく落ちていないのは救いだが。
HUYAは4四半期連続で黒字を計上した。HUYAの成長は心強いのだが、この会社に関してはテンセントが議決権ベースで50.1%まで株式を買い増す権利(2020年3月8日~2021年3月8日の期間)を持つため、これが行使されると子会社から外れてしまう。
BIGOは先行投資で赤字が大きい。この会社がどれくらい利益を生むことができるのかがYYの将来にとって最も重要になりそう。
各サービスのモバイルMAUと前年比。
YY 39.9百万人 前年比+3%
Huya 63.8百万人 前年比+29.1%
BIGO Live(中国外でのライブストリーミング) 21.9百万人 前年比+9.7%
HAGO(カジュアルゲームプラットフォーム) 32.3百万人 前年比+92.4%
Likee(中国外でのショートビデオ) 100.2百万人 前年比+413.4%
IMO(ビデオベースのインスタント・メッセンジャー) 212百万人
明らかにLikeeの伸びが強く、会社もこのサービスに最も力を注いでいくとの話。(経営陣によると)Likeeは中国外で2番目に大きいショートビデオプラットフォームとのこと。中国外でのショートビデオの普及率は低くポテンシャルは高い。ただ、tik tokなどの競合も強く先行きがどうなるかは不透明だと思う。
YYの現在の株価は62.83ドル、時価総額は50億ドル。
YahooFinanceのアナリストの今期売上予想が35億ドルなのでPSRは1.4倍とネット企業にしては低い。ただ、赤字のBIGOを買収したことでバリュエーションが分かりにくくなっている。
YY本体の営業利益は過去4四半期で3.7億ドルあるため少なくとも割高な会社ではないと思う。あとは海外事業をどう評価するかによりそう。