YY JOYY 2020年2Q決算

中国のライブストリーミングサービスの老舗。買収したBIGOの運営するBIGO Live(ライブストリーミング)とLikee(ショートムービー)が中国外で急成長している。

ゲームストリーミングのフヤも子会社に持っていたが、2Qに株式の一部をテンセントに売却したことで連結から外れている。依然としてフヤの株式の16%程度を持つが、これも時期を見て売却するとのこと。

 

2Qの業績は、YY本体が前年比で売上高-9%の減収、営業利益-31%の減益、 BIGOが売上高+149%の増収、営業利益3.8億RMBの赤字(前年6.8億RMBの赤字)だった。

 

下のグラフはYYとBIGOの売上高の推移。

YYの売上高は緩やかに伸びていたが、直近2四半期は前年比で減収となった。BIGOは急成長しており2Qの売上高はYYを上回った。経営陣によるとBIGO LiveはYY Liveの4倍の売上高を出せる可能性があるとのこと。

なお、LikeeはMAU1憶5千万人とBIGO Liveを大きく上回るが、投資フェーズのため売上高はBIGOの1割以下にとどまるそうだ。

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続いて営業利益の推移。

YYは長らく横ばいを保っていたがここ2四半期は落ち込んでいる。

BIGOはLikeeへの投資が重く赤字が継続しているものの年度末までに月ベースで黒字化するとのこと。

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現在のYYの時価総額は66億ドル。

バランスシートにはキャッシュ+短長投資が42.5億ドル、有利子負債が9億ドル、総負債が16億ドルある。

過去4四半期のYYのセグメント利益は3.3億ドルなのでネットキャッシュとYY単体の業績だけで考えても割高感はない。

これにプラスされるBIGOだが、こちらのサイトによるとBIGO Liveは全世界のアプリ売上高ランキング(7月)で7位、Likeeは全世界のアプリダウンロードランキング(7月)で9位に入っている(ただしライバルのTikTokが1位)。普通に考えればこれほどのアプリを抱えているのであればもっと高く評価されても良いと思う。

ただ、足元ではインドが中国製アプリを禁止したり、アメリカがTikTokの規制を発表したりと逆風が吹いている。YYにとっては中国から世界に軸足を移してようやく芽が出てきたタイミングなだけに厳しいところだと思う。