YY 歓聚時代 2019年2Q決算

中国の老舗ライブストリーミングサービス。

ゲームストリーミングのHUYAを子会社に持つほか、今年の3月に中国外でライブストリーミングやショートビデオを運営するBIGOを完全子会社化した。

 

3Qの売上高は前年比+67%の増収、営業利益は-90%の減益だった。non-GAAPの営業利益は-44%の減益。

会社別に見るとYYは売上高30億RMBで+12%の増収、営業利益6.8億RMBで-6%の減益だった。売上はまだ伸びているものの利益はここ2~3年横ばいとなっている。この事業がいつ稼げなくなるかが大きな不安要素としてある。

HUYAは売上高20億RMBで+94%の増収、営業利益は1.2億RMBの黒字転換だった。HUYAは絶好調を維持しており連結上でも重要性が高まっている。ただし、HUYAに関してはテンセントが議決権ベースで50.1%まで株式を買い増す権利(2020年3月8日~2021年3月8日の期間)を持つため、これが行使されると子会社から外れてしまう。

BIGOは今四半期からフル寄与となる。売上高12億RMB、営業利益-6.8億RMBの赤字。

 

YYの提供する主なサービスは、ライブストリーミングのYY Live、中国外のライブストリーミングのBIGO Live、ショートフォームビデオのLikee、インスタントメッセージのIMO、カジュアルゲームプラットフォームのHAGO。

グローバルモバイルMAUは433.5百万人。

ショートフォームビデオのモバイルMAUは前年比431%増加して90.3百万人。Likeeのキーマーケットはインド、インドネシア、ロシア、US、南アメリカのいくつかの国とのこと。

ライブストリーミングのモバイルMAUは39%増加して140.9百万人。BIGO Liveのコアマーケットは東南アジア(約40%)、中東(約30%)、先進国(20%)とのこと。

インスタントメッセージングのIMOのMAUは212百万人。メインユーザーはインドなどの南アジアや中東諸国。IMOには2Qからショートビデオを徐々に導入した。ほかにもグループチャット、ミニゲーム、ライブストリーミングなどのコンテンツを追加していく計画。

HAGOの売上は急速に伸びておりYYの売上増加のメインドライバーの一つになっているそうだ。ただしYYの売上に占める比率は10%以下と低い。

 

YYの時価総額は42億ドル。今四半期の売上高を4倍するとPSRは1.3倍程度となる。

また、YahooFinanceのアナリストの予想利益を使うと今期PERは11倍、来期PERは8.6倍となる。

バランスシート上のネットキャッシュは28億ドル(200億RMB)ある。また、YYが約半分を保有するHUYAの時価総額は46億ドルとなっている。

以上のように基本的にどの指標から見ても割安感はある。ただ、BIGOへの先行投資によって収益面で見た割安感は薄れてしまっている。中国のネット企業は先行投資が多いが、アメリカの会社と違って赤字が評価されないのがきつい。