5541 大平洋金属

主にステンレス鋼の原料に使われるフェロニッケルを製錬している会社。

ニッケル事業が業績のほとんどすべてを占める。

 

過去の売上高を見ると変動はかなり大きい。

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経常利益もブレが大きい。ピークは560億円。近年は業績が悪く2014年~2018年まで5年連続赤字が続いていた。

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製品販売量は3万トン弱で比較的安定している。

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円建てのニッケル価格(決算説明書のニッケル価格×為替レート)と経常利益率はおおむね連動していそう。

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ニッケル価格は2016年初めを底に切り上がっている。今年は50%も上昇している。

5 Year Nickel Prices - Nickel Price Chart

InvestmentMine

 

ニッケル価格が上昇しているのは、在庫が右下がりに減っていることやインドネシアがニッケル鉱の輸出を禁止したことが原因と思われる。インドネシアは世界最大のニッケル鉱生産国。

なお、大平洋金属は鉱石をフィリピンやニューカレドニアから調達している。

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ニッケルはリチウムイオン電池の正極材にも使われており今後の需要が大きく増えることが見込まれている。ただし、電池向けのニッケル需要は割合としては低く、必要とされるのも高品質のクラス1ニッケルとなる。

 

2020年1Q決算は6.4億円の赤字だった。通期は27億円の黒字の予想。予想PERは19倍になる。

会社の期首の想定はニッケル価格6.21ドル、1ドル109.72円だったが、現在のニッケル価格は7.57ドル、1ドル108.85円と上振れている。トン当たりの円建て価格は181万円となる。

ニッケル価格と経常利益の散布図にして近似曲線を引くと、現状のニッケル価格で経常利益150~200億円近くになる。時価総額521億円なのでこのままニッケル価格の上昇が続けば割安になるのではないかと思う。

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