3895 ハビックス 2020年3月期3Q決算

紙や不織布という中間素材を作っている会社。紙おむつ、クッキングペーパー、おしぼり、テーブルナプキンなどに使われる。

 

3Q累計では売上高が前年比で減収だったが、経常利益は前年比+33%と大幅な増益になった。経常利益の進捗率は99%で今期業績の上振れが期待できそう。

売上高 98億円(前年比-1%)

経常利益 8.6億円(前年比+33%)

純利益 5.9億円(前年比+33%)

 

3Q単体で見ても2Qに続いて大幅増益だった。

売上高 32億円(前年比-5%)

経常利益 3.4億円(前年比+58%)

純利益 2.3億円(前年比+53%)

 

四半期ごとの経常利益と経常利益率の推移をグラフにした。

経常利益は2019年4Qを底に3四半期連続で回復している。3Qの経常利益率は11%まで改善した。今期の予想経常利益率は6.6%。

ちなみに年度ベースで過去10年の経常利益率の平均は7.5%、最高は2010年3月期の14.5%となっている。

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利益率が改善しているのはパルプや原油の価格が下がっているからだと思われる。

ハビックスが作っているのは、パルプ不織布、化合繊不織布、衛生用紙。HPによるとパルプ不織布と衛生用紙の原料はフレッシュパルプ(化学繊維を混ぜた機能性製品の生産も可能とのこと)、化合繊不織布の原料はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の化学繊維となっている。

パルプは原材料なので当然影響があるだろうし、原油に関してはポリエチレンなどが石油化学製品であること、パルプの製造過程で重油が多量に使われるため影響があると思う(最近はそうでないという記事もあった。記者の目◇王子製紙、原油高騰は怖くない)。

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FREDで見つけた木材パルプの価格。2017年~2018年にかけて高騰したが、2019年に入って大きく値下がりしている。

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原油価格は2018年に急落した後は50~60ドルで推移している。

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現在の株価は799円。予想PERは10.2倍だが、業績が上振れしそうなのでPERの数字もこれより下がりそう。