1772.HK ガンフォンリチウム 2019年2Q決算

中国のリチウム大手。中国では天斉リチウムと並ぶ2強。

 

中間決算は前年比で売上高+25%の増収、税前利益-54%の減益、純利益-59%の減益だった。EPSは0.23元。

2Q単体だと売上高+23%の増収、税前利益-83%の減益、純利益-90%の減益となる。リチウム価格の下落の影響を受けて大きく業績が悪化した。

地域別の売上高では海外向けが増加している。前年上半期の海外向けの比率は24%だったが今年上半期は37%まで増えている。金額ベースでは倍増となる。

株価は9.18香港ドル。実績PERだと7.8倍と低いが今期は大幅減益が見込まれるのであまり参考にならない。

 

上半期に上流リチウム資源への投資をいくつか行っている。

・マウントマリオンを運営する RIM の持ち分を50%に引き上げた。

・ピルバラミネラルズの新株を引き受けてる。持ち分8.37%の筆頭株主。

・カウチャリ・オラロスを開発中の Minera Exar の持ち分を50%に引き上げた。

・バカノラリチウムとソノラプロジェクトへの出資を発表。完了すればバカノラの持ち分は~29.99%になり、ソノラプロジェクトの持ち分は~22.5%となる。

  

バランスシートは現金同等物2,963百万RMB、短期借入金2,809百万RMB、長期借入金654百万RMB、転換社債737百万RMBとなっている。

 

リチウム価格の下落を受けて各社とも厳しい環境が続いている。ただ、アルベマール、SQM、ライベントらが依然としてそれなりの利益率を確保しているのに比べるとガンフォンの業績悪化の具合は大きい。

今後はスポジュメン精鉱の価格下落が心配になりそう。ピルバラミネラルズやアルチュラマイニングとのオフテイク契約には下限価格が付いている。アルチュラマイニングの場合は契約期間が2020年末までで下限価格は550ドル/トンとなっている。Fastmarkets によると現在の価格は585-650ドルとなっているためこれ以上下がると下限価格に達してしまう。