ALB アルベマール 2020年3Q決算

リチウム、臭素、触媒などを生産する化学メーカー。

リチウムでは最大手の一角でチリのアタカマ湖とオーストラリアのグリーンブッシュ鉱山(持分49%)からリチウム化合物を生産している。アタカマ湖とグリーンブッシュ鉱山はかん水と鉱石でベストの資産。

 

3Qは前年比で売上高-15%、営業利益-22%、調整EBITDA-15%の減収減益だった。

依然として前年比で減収減益だがコスト削減効果もあり2Qからは改善している。調整EBITDAもガイダンスの上限を上回った。

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セグメント別の売上高は、前年比でリチウムが-20%(数量-3%、価格-17%)、臭素が-7%、触媒が-24%の減収となっている。

リチウムは価格下落の影響が大きい。アルベマールは長期契約主体だが、市場価格の大幅下落を受けて一年限りの価格譲歩に合意している。

触媒の減収は新型コロナウィルスの影響で輸送燃料消費が落ち込んでいるため。アルベマールの販売する触媒は石油クラッキング(ガソリンなどの化合物を精製するのに使用する)やディーゼルや石油原料の汚染物質を取り除くのに使われるそうだ。

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セグメント別の調整EBITDA。

前年比でリチウム-23%、臭素-11%、触媒-43%の減益。触媒の落ち込みが大きい。

臭素はリチウムや触媒に比べると落ち込みが軽い。臭素の用途は難燃剤がおよそ5割で、エレクトロニクス、自動車、建設、アプライアンスなど幅広い産業に使用するGDP比例のビジネスとのこと。

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4Qのガイダンスは売上高830-880百万ドル、調整EBITDA185-215百万ドル。

セグメント別の調整EBITDAはリチウムが1~2割の増加、臭素が横ばい、触媒が2~3割の減益を見込む。リチウムは顧客が今年の数量契約を果たすために販売量が増加するとの話。

2020年の調整希薄化EPSは3.8-4.15ドルとなる(前年5.48ドル)。

 

2021年の調整EBITDAは、リチウムがややダウンするも臭素と触媒が改善するという。

リチウムは数量が横ばい、価格がやや下落するとの見込み。

数量に関しては2021年に新たなキャパシティの追加はないが、2022年に La Negra Ⅲ&Ⅳ と Kemerton が売上を計上する。ネームプレートキャパシティは La Negra Ⅲ&Ⅳ が年間40Kt、Kemerton が年間50Kt。両者が稼働することで現在のキャパシティが倍増する。

価格に関しては長期契約のバッテリーグレードを交渉中とのこと。今年の価格譲歩は1度限りという話だったが、販売戦略の見直しにより譲歩が続く可能性も示唆している。

経営陣はこれまでの長期・固定価格契約を今後はほぼ固定、下限付き多少変動あり、変動ありの3種類に変化させるそうだ。ただし、今年の契約交渉でも前2つが8割を占めるとのこと。

 

決算を受けて株価は2日連続で大幅高となった。

PERは今期予想が27~30倍、前期実績が20倍となる。割安感は薄れて妥当な数字になった。

リチウム銘柄の株価はいずれも底からかなり上昇している。今回もアルベマールからアナウンスがあったが、リチウム価格の底打ちがかなりはっきりしてきたからだろう。

アルベマールは最も手堅いリチウム銘柄だと思う。

長期契約での販売が基本なので業績の短期的なブレが小さいうえ、臭素と触媒が堅実に利益を生むので赤字になる心配がほとんどない。また、高品質のかん水系と鉱石系の双方の資産を保有しており、大規模な拡張計画も進行している。

ただし、業績の落ち込みが小さいだけに市況が回復したときの上げ幅も小さくなりそうではある。