2593 伊藤園 2020年4月期1Q決算

緑茶最大手。子会社にタリーズコーヒーを持つ。

 

1Qは前年比で売上高-7%の減収、営業利益+2%の増収、経常利益-8%の減益だった。営業利益と経常利益の差は為替差損が大きい。

中間予想は売上高横、営業利益+1%の増益、経常利益+1%増益。

今期予想EPSは114.21円。株価5,010円で予想PERは48倍になる。

 

伊藤園の長期の売上高と経常利益を見てみる。

売上高は右肩上がりに伸びているが、成長率が10%を超えることはまれでここ3年は2%→4%→2%と微増にとどまっている。

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経常利益は売上高と違って凸凹がある。また、ここ10年以上は横ばいが続いている。2019年にようやく最高益を更新したが、それまでは2007年の利益を超えることができずにいた。

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経常利益か成長していないにもかかわらず2013年以降の株価は右肩上がりに上げ続けいてる。結果としてPER50倍近くの割高株となった。

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なお、伊藤園は優先株を発行しているがこちらは2,284円と普通株の半額以下となっている。

優先株の方が配当が高いのでお買い得に思えるが、過去5年の株価の推移を見ると普通株の上昇に大きく見劣りする。

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会社は年に1~2%ではあるが2017年と2018年に優先株の自社株買いをしている。

しかし2019年の6月に行った自社株買いは普通株が対象だった。同じ金額であれば割安な優先株を買った方が株式数は減らせるしスプレッドも縮まると思うのだが、会社は優先株の株価にはほとんど関心がなさそう。

日付 種類 発表株式数 上限金額 発行済株式数
に対する割合
取得株式数
2017年1月26日 優先株 350,000 7億円 1.03% 341,500
2018年1月26日 優先株 450,000 10億円 1.33% 369,600
2018年6月1日 普通株 220,000 10億円 0.25% 196,800
2018年6月1日 優先株 215,000 5億円 0.64% 144,400
2018年12月3日 優先株 400,000 10億円 1.20% 203,600
2019年6月3日 普通株 380,000 20億円 0.43% 380,000

 

割高な普通株と割安な優先株を見るとペアトレードが有効なのではと思ってしまう。しかしスプレッドは開き続けており、会社も本格的な対策をしないので差が縮まる気配がない。

下げ相場になったら割高な普通株が下がることによってスプレッドが縮小するのではと思っていたのだが、株価が軟調なここ1~2年で見ても普通株の優位が続いている。

普通株はPER50倍近い割高株なのだが非常に底堅く押し目があってもすぐ戻してきた。ここ数か月は久しぶりにやや大きく下げたのだが今回の決算で大きく反発している。この割高株を誰が買っているのだろうと不思議になる。

僕は以前は普通株売り-優先株買いのロングショートを組んでいたのだがどうにもスプレッドが縮まらないのであきらめてしまった。