各国株価のトレンドとバリュエーション 2019年3月末

3月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

・株価データはMSCIから配当込みのGROSS指数を、CAPEやPERはStarCapital、為替は日銀より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。

・円ベースの損益は、各国のMSCI指数のドルベースのリターンを日銀のドル円レート(月末値)で円換算しています。データの取得先が違うので多少の誤差が出ます。

 

先進国と新興国

第1四半期の株価は先進国が+12.6%、新興国が+10.0%と大幅高でした。

ドル円レートは終わってみれば前年末とほぼ変わらなかったため、円ベースの成績も先進国+13.0%、新興国+10.3%とほとんど変わりません。

直近1年間のリターンは先進国+4.6%に対して新興国-7.1%と先進国が優勢です。為替は円安に振れているため、円ベースでは先進国+9.1%、新興国-3.1%です。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは先進国に比べて割安です。先進国のCAPEレシオは25倍近くで割高ですが、PERで見ると17.2倍と標準的なレベルです。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 23.6 16.7 2.6% 12.3% 12.7% 3.2% 7.6%
先進国 24.9 17.2 2.5% 12.6% 13.0% 4.6% 9.1%
新興国 15.8 13.8 3.2% 10.0% 10.3% -7.1% -3.1%

 

米・日・欧

第1四半期のリターンはアメリカが13.9%、日本が7.8%、ヨーロッパが11.7%でした。円ベースではアメリカ14.3%、ヨーロッパ11.3%です。アメリカが強い一方で、前年の第4半期に最も落ち込んだ日本の反発が弱いです。

直近1年間のリターンはアメリカ9.5%、日本-3.7%、ヨーロッパ5.0%となっています。円ベースだとアメリカ14.2%、ヨーロッパ1.1%です。

CAPEレシオはアメリカが30.4倍と割高感があります。ただ、PERで見ると19.8倍と20倍を割っています。日本のCAPEレシオは23.9倍ですが、PERは13.8倍と低い数値です。ヨーロッパのCAPEレシオ18.7倍と配当利回り3.4%はアメリカ・日本に比べて割安感があります。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
アメリカ 30.4 19.8 1.9% 13.9% 14.3% 9.5% 14.2%
日本 23.9 13.8 2.3% 7.8% 7.2% -3.7% -3.5%
ヨーロッパ 18.7 16.6 3.4% 11.7% 11.3% 5.0% 1.1%

 

BRICs 

第1四半期は中国が17.9%と大幅に反発しました。インド、ブラジル、ロシアは6~9%と一桁のリターンにとどまっています。円ベースでは中国とロシアのリターンが2桁になりました。

1年リターンは中国が-6.0%とマイナスです。他の3か国はインド13.4%、ブラジル12.5%、ロシア15.8%と揃って2桁の高リターンですが、円ベースではインド11.3%、ブラジル0.2%、ロシア7.6%と成績が落ちます。

バリュエーションはロシアの割安さが際立っています。CAPEレシオもPERも低く、配当利回りも申し分ない数字です。中国のPERも8.9倍と低いです。ブラジルの割安感は薄れており、インドはどの数字でも見てもやや割高感があります。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
中国 16.3 8.9 3.4% 17.9% 18.1% -6.0% -2.1%
インド 22.6 27.4 1.3% 6.3% 7.5% 13.4% 11.3%
ブラジル 16.0 17.6 3.1% 8.7% 8.6% 12.5% 0.2%
ロシア 6.8 5.9 6.2% 7.5% 12.9% 15.8% 7.6%

 

今年の損益

各国指数の前年末比の損益です。

まずは中国の反発が際立っています。A株は30%もの大幅高です。

中国を除くとリターン上位にはアメリカ、イタリア、フランス、カナダ、オーストラリアといった先進国が多いです。

リターン下位はマレーシア、トルコ、インドネシア、メキシコ、タイと新興国が占めています。

主要な地域のリターンは、中国全株21.5%、アメリカ13.9%、先進国12.6%、全世界12.3%、ヨーロッパ11.7%、新興国10.0%、日本7.8%です。日本はやや遅れを取っています。

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為替が大きく動いた国が少なかったため、円ベースで見てもランキングはあまり変わりません。

その中でやや大きく動いたのはロシアとトルコです。ロシアは為替高からランキング上位に来た一方で、トルコは為替安からリターンマイナスの最下位に落ちてしまいます。

円ベースの主要な地域のリターンは、中国全株22.7%、アメリカ14.3%、先進国13.0%、全世界12.7%、ヨーロッパ11.3%、新興国10.3%です。

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