9月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。
・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替は日銀より取得しています。
・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。
・円ベースの損益は、各国のMSCI指数のドルベースのリターンを日銀のドル円レート（月末値）で円換算しています。
先進国と新興国
第3四半期の株価は先進国が+5.1％の大幅高、新興国が-0.9％の小幅安でした。円安に振れたため、円ベースでは先進国＋8.0％、新興国は+1.8％のリターンです。
直近１年間のリターンは先進国+11.8％に対して、新興国-0.4％と大きな差がついています。円ベースでは先進国＋13.1％、新興国+0.6％です。
バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは先進国に比べて割安です。ただし、先進国もPERは18.3倍と20倍以下の水準です。
| CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全世界 | 24.0 | 17.6 | 2.5% | 4.4% | 7.3% | 10.3% | 11.6% |
| 先進国 | 25.5 | 18.3 | 2.4% | 5.1% | 8.0% | 11.8% | 13.1% |
| 新興国 | 16.1 | 13.9 | 3.2% | -0.9% | 1.8% | -0.4% | 0.6% |
米・日・欧
第3四半期のリターンはアメリカが+7.5％、日本が+6.5、ヨーロッパが+1.2％でした。円ベースではアメリカ+10.5％、日本+6.7％、ヨーロッパ+3.6％です。アメリカの優位が続いていますが、ここ3か月は日本も高リターンです。特に9月の日本のリターンは+5.7％と先進国では際立っています。
直近１年間のリターンはアメリカが最も高く+17.9％です。円ベースでは+19.2％にもなります。日本は+11.6％とまあまあのリターン。ヨーロッパは+2.7％とやや見劣りします。
CAPEレシオはアメリカが32.2倍、日本が28.3倍と高いです。ただ、企業業績が好調なためPERで見るとアメリカ21.6倍、日本14.7倍と割高感が和らぎます。ヨーロッパのCAPEレシオや配当利回りはアメリカ・日本に比べて割安感があります。
| CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アメリカ | 32.2 | 21.6 | 1.8% | 7.5% | 10.5% | 17.9% | 19.2% |
| 日本 | 28.3 | 14.7 | 2.0% | 6.5% | 6.7% | 11.6% | 11.8% |
| ヨーロッパ | 18.9 | 17.2 | 3.3% | 1.2% | 3.6% |
2.7% |
1.4% |
BRICs
第3四半期は中国のリターンが圧倒的に悪く、現地ベースで-7.6％、円ベースで-4.9％の下落でした。中国は年間ベースでもマイナスリターンになっています。
好調なのはブラジルとロシアでどちらも+10％を超えるリターンでした。
インドは+3.4％と悪くありませんが、通貨安のため円ベースでは+0.4％に下がります。
バリュエーションはロシアの割安さが際立っています。CAPEレシオもPERも低く、配当利回りも申し分ない数字です。中国のPERも7.0倍と低いです。インドはCAPEレシオもPERも20倍以上で配当利回りも1.4％と低いです。
| CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中国 | 15.8 | 7.0 | 4.4% | -7.6% | -4.9% | -1.8% | -1.0% |
| インド | 22.0 | 25.5 | 1.4% | 3.4% | 0.4% | 12.2% | 2.2% |
| ブラジル | 13.3 | 17.7 | 3.2% | 10.2% | 9.1% | 8.9% | -12.8% |
| ロシア | 6.9 | 7.2 | 5.3% | 10.7% | 9.5% | 28.3% | 16.0% |
今年の損益
各国指数の前年末比の損益です。
現地通貨ベースではロシアが圧倒的に強く+22.8％のリターンです。他にはアメリカの+10.6％、台湾の+9.2％、フランスの+7.1％あたりが目を引きます。リターンの下位は中国、フィリピン、トルコ、南アフリカといった国々です。特に中国A株（CHINA A Onshore）は-20％に迫る下落率です。
主要な地域のリターンは、アメリカ+10.6％、先進国指数+5.9％、全世界+4.3％、日本+2.7％、ヨーロッパ+1.3％、新興国-7.4％、中国全株（CHINA ALL SHARES）-12.0％という感じです。
円ベースではマイナスリターンの国がやや増えます。ブラジルやインドもプラスからマイナスリターンになっています。
リターンの下位は、トルコ-43.2％、中国A株-23.3％、南アフリカ-20.7％です。
主要な地域のリターンは、アメリカ+11.6％、先進国+6.9％、全世界+5.2％、日本+2.8％、ヨーロッパ-1.0％、新興国-6.5％、中国全株-12.9％です。
