ライベントとアルベマールの18年4Q決算

ライベントとアルベマールの決算メモです(ざっと読んだのを適当に訳してメモしただけなので、正確な情報は決算資料やカンファレンスコールを当たってください)。

 

ライベント

18年通期の業績は、売上高+27%の増収(数量+21%、価格+8%)、調整EBITDA+45%の増益でした。

4Q単体の業績は、売上高+6%の増収(数量+7%、価格±0%)、調整EBITDA+5%の増益でした。4Qの調整EBITDAマージンは38%で通年の41%より低下しています。 

 

2019年のガイダンスは、売上高495~525Mドル、調整EBITDA190~200Mドル、調整EPS92~98セントです。中間値を使うと売上高+15%の増収、調整EBITDA+7%の増益になります。ただし、1Qはカスタマーミックスの影響が大きく大幅減益を見込んでいます。

2019年の設備投資は235~265Mドルで、うち炭酸リチウムの拡張に175Mドルとのことです。

現在の株価13.72ドルで計算すると予想PERは14~15倍です。 

 

水酸化リチウムと炭酸リチウムの生産・販売計画はこちらです。

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・2019年の水酸化リチウムの販売量は6,000トンの増加。

・水酸化リチウムの販売価格はほとんどの顧客に対して2018年と同じかやや高くなるが、カスタマーミックス(少数の顧客に多く販売されるとのこと)により0.5ドル/キロの低下となる。

・中国の顧客が契約を渋るため日本や韓国の顧客への販売を増やす。

・中国の顧客が決断を先延ばししている理由には、政府のEV政策が不透明でどの正極材が必要になるかはっきりしないこと、2018年末からのスポジュメン精鉱の価格下落がリチウム化合物の価格に波及するのではないかと考えていることの2つを挙げている。

・2019年の炭酸リチウムの販売量は前年と変わらずかややダウン。(水酸化リチウムの材料として使うため)アルゼンチンの増産が実現するまで顧客への供給を一時的にストップする計画だったが、顧客の要望により供給を続ける。顧客は新しい供給先を使いたがらない。ライベントはプレミアム価格で炭酸リチウムを販売できる。

・炭酸リチウムの不足分はサードパーティーから購入する。

 

アルベマール

2018年の通期は、売上高+10%の増収、営業利益+55%の増益、調整EBITDA+14%の増益でした。営業利益にはビジネス売却益が含まれています。

リチウムセグメントは、売上高+21%の増益(数量+10%、価格+9%)、調整EBITDA+19%の増益でした。リチウムセグメントは全体の売上高の36%と調整EBITDAの53%を占めます。

 

2018年4Q単体は、売上高+7%の増収、営業利益+6%の増益、調整EBITDA+8%の増益でした。

リチウムセグメントは売上高+18%の増収(数量+14%、価格+4%)、調整EBITDA+22%の増益でした。リチウムセグメントは全体の売上高の37%と調整EBITDAの55%を占めます。

 

2019年のガイダンスは、売上高3.65~3.85Bドル(+9~15%)、調整EBITDA1,070~1,140Mドル(+7~14%)、調整EPS6.1~6.5ドルです。設備投資は800~900Mドルで、そのうち75%以上がリチウムの成長に使われるとのことです。

現在の株価89.18ドルで計算すると予想PERは13.7~14.6倍になります。

 

キャパシティの拡張計画は下のグラフのとおりです。 

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・2018年の販売量は75~80kt。2019年は20ktの増加を計画。

・2019年はチリの La Negra で40ktの炭酸リチウムを生産する。2020年に40ktが追加されてキャパシティは85ktに拡大する。

・中国の Xinyu は2019年に20ktの水酸化リチウムの拡張が完了し35ktのキャパシティになる。

・オーストラリアの Kemerton ではタリソンリチウム(グリーンブッシュ鉱山)からのスポジュメン精鉱を使って水酸化リチウムを生産する計画。2021年下半期から2022年にかけて合計60~75ktのキャパシティ。

・タリソンリチウムの拡張は2019年2Qから始まる。スポジュメン精鉱の生産能力は160kt(炭酸リチウム換算量)に拡大する。うちアルベマールの持ち分は80kt。

・昨年12月にミネラルリソーシズから Wodgina の50%を1.15Bドルで買収することを発表。Wodgina の資源量は259.2Mt@1.17%、建設中のスポジュメン精鉱の生産能力は750kt。

 

会社のリチウム需要の見通しは下のグラフのとおりです。

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・2018年の270ktから2025年まで年率21%の成長率。2021年に475kt、2025年に1,000ktの予想。

・需要予想はコンスタントに上方修正。

・今年の需要増加分は主要な会社からの新規供給で満たせるだろう。

・ただ、これに加えて中国からの余剰が出るかもしれない。これらの生産の多くは炭酸リチウムで、生産拡大に時間がかかり、たぶんバッテリーグレードには達しないと思われる。しかし短期的には供給過剰が発生するかもしれない。

・アルベマールの契約の多くは最低価格付きの長期契約であり、ビジネスの多くは中国以外。販売数量や価格は影響を受けない。2019年の価格は横ばいか上昇トレンドを想定。