各国株価のトレンドとバリュエーション 2017年12月末

12月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

 

・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFみずほ銀行より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。

・取得したCAPE・PER・配当利回りは9月末の数字なので、MSCIの9-12月の騰落率で調整しています。

 

先進国と新興国

第4四半期も株価は堅調でした。先進国と新興国を比べると、引き続き新興国の優位が続いています。

直近1年間の利益は先進国+23%、新興国+38%と大幅なプラスリターンです。円ベースでも先進国+19%、新興国+33%です。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは17倍前後で先進国に比べて低い数値です。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 24.6 20.5 2.3% 5.8% 8.0% 24.6% 20.6%
先進国 25.7 21.3 2.3% 5.6% 7.8% 23.1% 19.1%
新興国 17.7 16.6 2.7% 7.5% 9.7% 37.8% 33.3%

 

米・日・欧

直近1年間のリターンはアメリカと日本が同じくらいで、それぞれ+21.9%と+20.1%でした。ヨーロッパはやや落ちて+13.7%です。

円ベースではヨーロッパ+23.5% → 日本+20.1% → アメリカ+18.0%の順となります。

バリュエーションを見ると、CAPEレシオはヨーロッパの18.8倍が、PERは日本の17.8倍が最も低いです。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
アメリカ 30.9 23.9 1.8% 6.5% 8.7% 21.9% 18.0%
日本 29.3 17.8 1.8% 8.6% 8.6% 20.1% 20.1%
ヨーロッパ 18.8 21.4 3.0% 1.3% 2.8% 13.7% 23.5%

 

BRICs

過去1年は中国が強く+55.3%のリターンでした。これまで数年低迷していましたが、今年は久々に良い成績です。

続いてインドの+30.5%が続きます。インドはおおむね安定して強い印象があります。ただし、バリュエーションは他の3国よりも高く、CAPEは22.8倍、PERは25.6倍あります。

ブラジルは去年からの反発が続いています。ただ、リターンは+26.9%で、新興国の中で特別良いわけではないです。

ロシアは冴えず、一年リターンは+1.2%に留まります。円ベースでも+1.4%です。

バリュエーションはロシアの割安さが際立っており、CAPEレシオ5.9倍、PERの8.4倍、配当利回り4.6%と申し分ない数字です。中国のPERも8.4倍と低いです。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
中国 18.6 8.4 3.6% 7.7% 9.5% 55.3% 58.4%
インド 22.8 25.6 1.4% 9.3% 11.8% 30.5% 33.6%
ブラジル 12.8 21.7 2.7% 2.9% -0.9% 26.9% 20.4%
ロシア 5.9 8.4 4.6% 4.5% 5.0% 1.2% 1.4%

 

今年の損益

各国指数の前年末比の損益です。

世界的な株高が続いており、ほとんどの国が大幅高で終わりました。

 

現地通貨ベースで値上がりの上位を見ると、中国、トルコ、韓国、ブラジルとバリュエーションが割安だった国々が多いです。

日本は+20.1%でまあまあの成績です。主要国は、アメリカ+21.9%、ヨーロッパ+13.7%、先進国+23.1%、新興国+37.8%でした。

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円ベースでは韓国やユーロ圏の国が強くなります。

やや円高ドル安に振れたため、日本はアメリカや先進国より上になります。全体的に見ると多くの国が+20%前後のリターンでした。

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※ベトナム、パキスタン、バングラディシュは為替データがないため円ベースのリターンはありません。