東風汽車の実績PERが2.85倍と異常に安かったので中国の自動車株を調べてみた。
まずは中国の自動車市場について。
下のグラフは中国の自動車販売台数の推移(数字はOICA)。
販売台数は2017年まで右肩上がりに伸びた後に2年連続で減少している。2019年は前年比-8%の減少に終わった。
中国、アメリカ、EU28か国、日本、インドを比べたのが下のグラフ。
すでに中国が圧倒的な世界一の自動車販市場になっているのが分かる。中国の2,576万台に対して、EU28か国1,831万台、アメリカ1,748万台、日本519万台、インド381万台。
中国は販売台数では世界一だが人口あたりで見るとまだ低い。人口1,000人あたりの自動車販売台数はアメリカ57台、ドイツ46台、日本42台、中国21台と先進国の半分以下にとどまっている。所得を考えるとかなり大きいともいえそうだが。
もうひとつ、中国は自動車の保有率も低いそうだ。三井住友銀行の資料によると中国の自動車保有率は2割弱で、アメリカの8割や日本の6割と比べてかなり低い。
これら人口比や普及率から見ると中国の自動車販売台数はもう少し伸びる余地があるように思える。ちなみに2017年の自動車中期発展計画によると、販売台数の目標は2020年に3,000万台、2025年に3,500万台の計画とのことだ。
次に月次の自動車販売台数。
景気減速の影響で前年比マイナスが続いていたが昨年末には前年比プラスまで戻していた。しかし、新型コロナウイルスの影響で2月は前年比-88%というひどい数字となった。
今後は新型コロナウイルスの影響がどれだけ早く収まるか、再流行が起きないか、政府の補助政策といった要因に左右されそう。一番怖いのが再流行だが、いまのところは状況を注視していくしかないと思う。
なお、中国は2018年に新エネルギー車、2020年に商用車、2022年に乗用車の外資出資比率制限がなくなるとのこと。