2018年1月から今年7月までの世界のEV販売台数をグラフにしてみた。データはEV salesの数字を使わせてもらった。
販売台数は2018年12月(前年比で見ると2019年6月)にピークをつけ低迷が続いていたが、7月は前年比+67%と久々に大幅プラスになった。
好調をけん引するのがヨーロッパで7月は前年比+217%というすごい数字が出てきた。ヨーロッパは昨年末から急激に伸びており、今年の1月、2月、6月も前年比2倍前後の大幅増加となっている。もう一つの巨大市場である中国が低迷しているため、販売台数は中国を超え、全体に占めるシェアも46%に達している。
ヨーロッパが伸びているのは排ガス規制の期限が迫っているためだろう。ヨーロッパの規制は数値目標や罰則が厳しいため自動車メーカーは本腰を入れてEV開発に取り組んでいる。
EV、欧州で新段階に 規制まで2年 基幹技術の外販や量販型登場
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これに加えて新型コロナウイルスで落ち込んだ自動車産業の支援策として各国から大型の補助金政策が発表されている。今後もしばらくヨーロッパの高成長は続きそうだ。
ヨーロッパが好調な一方で中国は低迷が続いている。
低迷のきっかけは2019年7月の補助金引き下げだが、そこから1年たっても以前の高成長には戻れていないのが問題だと思う。
中国政府は今年予定されていた補助金の全廃を見送ったり、2025年のEV販売目標を20%から25%に引き上げたりとEVの普及を諦めていないように見える。ただ、残念ながら十分な効果が出ていない。
中国の低迷の原因はよく分からない。補助金頼みで品質の向上が伴っていなかったというのが分かりやすい説明だが、実際のところどうなのかという解説記事は見当たらなかった。
今後のEVの販売台数だが、短期的にはヨーロッパ、中国、(世界の販売台数の約2割を占める)テスラの販売台数に左右されると思う。
このうちヨーロッパは補助金効果から伸びるのは間違いなさそう。
テスラもこれまでの実績を見ると問題なさそうに思える。今年発売したモデルYは人気の高いSUVでモデル3よりも売れることが期待されている。
中国に関してはよく分からない。中国が復活するようであればEVの販売台数もすごい伸びが期待できるのだが。
中長期的には一般の人々にEVが普及するかが問題になると思う。これを実現するにはEVがガソリン車に対して価格競争力を持つ必要があると思う。
ヨーロッパでは補助金込みではあるが同レベルのガソリン車よりも車両価格の安いEVが出てきた。今後のヨーロッパでの新型EVの売れ行きに注目だと思う。