中国ネット系ADR銘柄のチェック 2019年3Q

ウォッチしている中国ネット系ADR銘柄(テンセントのみ香港上場)の3Qの決算が出そろったのでバリュエーションと成長率をチェックする。 

今年に入ってある程度株価が戻している銘柄が多いが、依然として米国企業に比べるとバリュエーションはかなり低い。

ティッカー 会社 株価 今期PER 来期PER 増収率 増益率
0700.HK テンセント 331.8 34.0 30.3 21% -7%
BABA アリババ 200.0 27.9 22.4 40% 51%
BIDU バイドゥ 118.5 21.6 16.4 0% -47%
JD JD.com 32.7 32.3 23.5 29% 黒転
NTES ネットイース 315.3 20.0 18.8 -13% 58%
WB ウェイボー 42.8 15.7 14.9 2% 7%
SINA シナ 34.9 12.6 13.0 1% 9%
YY ワイワイ 63.8 16.6 12.7 68% -74%
HUYA フヤ 21.1 46.9 26.7 78% 黒転
MOMO モモ 37.4 13.5 11.2 22% 54%
BZUN バオズン 38.0 40.0 25.7 35% 43%
WUBA 58.com 61.5 15.9 17.5 17% 29%
TME テンセントミュージック 12.4 31.9 25.9 31% 12%

※今期と来期PERはYahooFinanceのアナリスト予想の平均EPSを使って計算。

※増収率と増益率は直近四半期の実績。増益率は営業利益。

 

・アリババ

ライバルのテンセントの業績が低迷しているのに比べると高い成長率を維持している。

予想PERも20倍台と控えめ。クラウドやエンターテインメントやイノベーションといった事業の赤字を考えれば割安感はあると思う。 直近四半期ではコアコマースの営業利益320億RMBに対して3事業の赤字は83億RMB。

 

・ウェイボー

売上高の成長率が前年比0%まで急降下してしまった。景気減速が原因であればいいが、ショートムービーとの競争激化が不安視されている。

会社は中国版インスタといわれる緑洲(Oasis)をテストしている。もしヒットすれば大きなプラスアルファになりそう。

予想PERは15倍と割高感はないが、成長率がゼロに留まるのであれば割安感もなくなる。

 

・モモ

業績は堅調。モモアプリやタンタンが規制を受けたにもかかわらず軽微なダメージで切り抜けた。

マッチングアプリは規制されやすいのではという不安はあるが、今期PER13.5倍、来期PER11.2倍と割安感が強い。

 

・バオズン

決算後に株価が暴落している。

取扱高(GMV)が前年比+43%増えた一方で売上高が+35%しか伸びなかったこや、4Qのガイダンスが売上高+23~25%と低かったことが嫌気されている。

中国大手の電化製品の会社(ファーウェイとされる)が契約を終了したこともマイナス。国際ブランドまで追随するようであれば影響が深刻になりそう。

この会社の問題は実際のところどれくらい競争力があるのか分かりにくいところかと思う。

バリュエーションは来期PER25倍と妥当な水準になってきた。