中国ADR(BILI、HUYA、BZUN、DAO) 2020年3Q決算

ビリビリ、虎牙、バオズン、有道の決算。

記事中のPER、PSRはすべてYahooFinanceのアナリスト予想の数字をもとに計算している。

 

・BILI ビリビリ

3Qの売上高は前年比+73%と高成長が続く。一方で営業赤字は1,083M人民元に拡大した。

セグメント別の売上高の前年比は、モバイルゲーム+37%、バリューアドサービス+116%、広告+126%、Eコマースその他+83%。全体に占めるモバイルゲームの比率は40%まで低下した。

MAUは1.97億人で前年比+54%、前四半期比でも+15%。有料ユーザー数は1,500万人で前年比+90%。

文句なしの好決算で株価も大きく上げている。

今期のPSRは12.4倍、来期は8.5倍。高成長が続くという前提で考えれば割高とまでは言えなさそう。

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・HUYA 虎牙

ライバルの闘魚との合併が発表された。存続会社は虎牙で合併後はテンセントの子会社となる。テンセント傘下のeスポーツプラットフォームも譲渡により統合されるとのこと。

両社の売上高と営業利益を単純に合算したのが下のグラフ。3Qの売上高は前年比+30%、営業利益は黒字転換だが2Qからは4割減益となった。

今期PERは虎牙21.4倍、闘魚31.8倍となる。

統合比率は闘魚1株につきフヤ0.73株が割り当てられる。来年の上半期に統合が完了する予定。現時点では配当を考慮しても闘魚が割安になっている。

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 ・BZUN バオズン

3Qは前年比でGMV+19%、売上高+22%、営業利益+50%だった。営業利益率は5%。営業利益はブレが大きい。

2018年と2019年はGMVが5割前後の伸び率で推移していたが、今年に入って成長率が急減している。昨年ファーウェイがバオズンとの取引を打ち切ったのが影響しているようだ。

PERは今期29倍、来期22.5倍。ファーウェイの影響が消えて成長率が再加速するのであれば適度な数字だと思う。

 

・DAO 有道

ネットイース傘下のオンライン教育の会社。

3Qは前年比で売上高+160%だった。新型コロナウイルス特需の反動があるのではと心配したが2Qも3Qも高成長を維持している。

一方で大規模なマーケティング・ブランディング費用により営業赤字は8.94M人民元に急拡大した。

有道はもともと社会人の有料会員が多かったが、ここにきてK-12(幼稚園から高校卒業まで)の会員数が急拡大している。2019年1Qの有料会員数3.3万人が2020年3Qには499万人となった。

決算は受けて株価は大幅高となったが、PSRは今期7.6倍、来期4.1倍とそれほど高くない。

オンライン教育の分野は競争が激しいため有道が生き残れるかよく分からない。ただ、競争の厳しい中国のインターネット業界において堅実に業績を伸ばしてきたネットイースが親会社なのは期待できそうな点だと思う。