MOMO 陌陌 2020年2Q決算

中国のライブストリーミング大手。マッチングアプリとして紹介されていることも多い。

2018年に同じくマッチングアプリ最大手のひとつタンタンを買収した。

 

2Qは前年比で売上高-7%、営業利益-12%、営業利益率+21%だった。

1割前後の減収減益だが、前年にモモ・タンタンアプリが規制を受けたことを考えると数字は悪い。1Qからの回復も鈍い。

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売上高の内訳。

モモは1Q比では増収になったものの前年比では-14%の減収だった。

ライブ動画配信は上位消費者への依存度が高く、彼らの多くは自分のビジネスを持っている。そのビジネスが景気の影響をうけているという話があった。

ライブ動画配信が苦戦する一方でVASは堅調に伸びている。タンタンを除くVASの売上高は前年比+32%増加して8.8億RMBに達したそうだ。モモコアのライブ動画配信の売上高が24億RMBなのでVASはかなり大きな割合を占めるようになっている。

タンタンは前年比で+82%の大幅増収となった。ライブ動画配信を始めたことが原因。ライブ動画配信はいまのところテストモードでユーザー体験の向上が優先事項とのこと。

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営業利益の内訳。

モモは前年比で-30%の減益だった。タンタンは赤字幅が縮小している。来年はタンタンが黒字化する年になるのではないかとの話があった。

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MAUは1Qから回復したもののピークには達していない。

モモ・タンタンアプリの規制があったことも影響しているが、ここ1年以上に渡って低迷している。

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トータルの有料ユーザー数は横ばい。

モモの有料ユーザー数は30万人増加して920万人となったが、タンタンの有料ユーザー数が30万人減少して390万人になった。タンタンの有料ユーザー数は8月には410万人まで戻しているとのこと。

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3Qのガイダンスは売上高37~38億RMB。2Q比で微減となる。

決算と同時に3億ドルの自社株買いを発表した。

 

軟調な決算と3Qの見通しを受けて株価は暴落した。

YahooFinanceの数字を使うと今期PERは7.3倍、来期PERは5.6倍となる。

 

2Qは厳しい決算だった。

業績の回復が鈍いうえ3Qのガイダンスも悪い。成長事業になると思われていたタンタンの有料ユーザー数が2四半期連続で減っているのもつらい。

ただ、新型コロナウイルスがマッチングアプリに悪影響を与えているのは考慮する必要があるのかなとも思う。とりわけタンタンはオンラインマッチング→オフラインデートのピュアプレイヤーなので新型コロナウイルスの影響が大きいとの話もあった。

タンタンは依然として中国トップのマッチングアプリで、こちらのサイトによると世界のデーティングアプリ部門で6位の売上高となっている。有料ユーザー数は3Qに成長軌道に戻っているようだし、ライブ動画配信もスタートして売上高も伸びているし、近い将来の黒字化も視野に入れている。良い話も多い。

仮にタンタンのユーザー数が成長軌道に戻り、モモコアのVASの好調とライブ動画配信の底打ちが重なれば業績は大きく回復する。バリュエーションが非常に低いのでうまくいけば大きな利益を狙えると思う。もちろんこのままじり貧という可能性もあるが。