ギャラクシーリソーシズ3Q

アクティビティレポートとカンファレンスコールが出ています。

ギャラクシーはオーストラリアのマウントキャトリンでリチウム鉱石を生産中の会社です。マウントキャトリンの他にもアルゼンチンのサルデビダとカナダのジェイムスベイを開発しています。

3Qのマウントキャトリンの生産量・販売量・キャッシュマージンは減少しました。採掘予定地の許可が遅れたため、低品質の鉱石の生産が主になったためです。許可は10月1週に下りたそうです。

サルデビダは現在戦略パートナーを探している段階で2018年末までの発表が目標とのことです。

なお、サルデビダは北部分を280百万ドルでポスコに売却することが決定しています(残った部分でも十分な資源量があります)。これにより会社のバランスシートはキャッシュ450百万AUドル・有利子負債ゼロになるそうです。現在の時価総額953百万AUドルの半分近いキャッシュです。

 

カンファレンスコールでは中国のスポット価格についての話がありました。中国のスポット価格は海外事情よりも国内事業に左右されているのではないかという内容です。

・6月に中国の補助金政策が長距離車に有利に変更されたことで低品質の素材の在庫削減が進んだ。この在庫削減は多かれ少なかれ終わったと見る。

・中国青海省の塩湖からのリチウム生産量が増えた。これらは低品質でバッテリー用途の基準に達しない。

・青海省の生産増加や中国の経済環境もあって財務の弱い会社がキャッシュを得るために通常よりも低価格で製品を売った。

・中国の炭酸リチウム価格が80,000CNYまで下がったにもかかわらず水酸化リチウムの価格は150,000~120,000CNYを維持している。

・中国からの水酸化リチウムの輸出価格は底堅く16,000~22,000ドル程度。

・中国へ持ち込まれる新たなスポジュメン鉱石を観測しているがわずかな量しか増えていない。

 

リチウムアメリカズのプレゼンテーション資料には中国のスポット価格とSQMやオロコブレの販売価格が掲載されており、ギャラクシーの言うとおり国際価格が安定していることや中国のスポット価格で炭酸リチウムの下げが水酸化リチウムより大きいのが確認できます(水酸化リチウムのスポット価格もけっこう下げていますが)。

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