購買力平価と為替レートは長期的には一致すると言われていますが、短中期的には大きな乖離ができることがあります。
この乖離がどれくらいなのか各国のデータを使ってみてみます。
なお、データは購買力平価がOECD、為替レートがIMFの年足です。2016年の為替レートのみ月足の最終データを使いました。
グラフの見方ですが、ドル円に限って上方向が円安・下方向が円高となり、それ以外の通貨は上方向が通貨高(ドル安)・下方向が通貨安(ドル高)です。
・ドル/円
・ユーロ/ドル
・英ポンド/ドル
・オーストラリアドル/米ドル
・ニュージーランドドル/米ドル
・カナダドル/米ドル
・スイスフラン/ドル
・スウェーデンクローネ/ドル
・南アフリカランド/ドル
こうして並べてみると購買力平価は長期的にはなかなかうまく機能しているように見えます。
南アフリカのように購買力平価が右下がりの国の通貨は右下がりですし、スイスフランのように購買力平価が右上がりであれば通貨も右上がりになっています。
ただし、短期的にみると両者のかい離はかなり大きく、例えば、オーストラリアドル/米ドルの最大乖離率は下方向が-31%(2001年)・上方向が+60%(2012年)もあります。
全体を見てざっくり言うと±20~30%の乖離は普通に起きているし、±50~60%も開くこともまれではないといった感じです。
また、乖離が10年に渡って続くことも多いので、購買力平価を短期的な為替予想に使うのはなかなか難しいと感じました。