WB ウェイボー 2019年1Q決算

WeChat と並ぶ中国のSNS大手。WeChatがクローズドなSNSなのに対して、ウェイボーはオープンなSNS。中国版ツイッターと呼ばれている。ただ、実際はもう少し範囲が広いそうだ。

1Qの時点のユーザー数はMAU4.6億人、DAU2億人。SNSのアクティブユーザー数のグローバルランキングで10位に入る規模。ユーザー数は前年比で2桁の増加率をキープしている。

 

業績は昨年後半から成長率が急降下している。四半期売上高の前年比は68%→44%→28%→14%、2Qのガイダンスは7~10%。ただし、数字はドル建てで為替レート調整前だと1Qは20%の伸びだった。

セグメント別売上高を見ると、広告部門では Key Account が前年比31%伸びている一方でSME(small&medium sized enterprises)が5%の伸びで足を引っ張っている。Alibaba(アリババはウェイボーの30%を持つ)は前年比-37%の減少と最も悪いが全体に占める割合は5%に下がっている。

VASは全体の15%ほどを占める。前年比24%の増収。この部門は、ゲーム関連サービス、VIPメンバーシップ、データライセンスなど。前年4QにはライブストリーミングサービスのYizhiboを買収した。Yizhiboは他のライブストリーミングアプリと違って若者・女性・1、2級都市のユーザーが多くウェイボーとの統合効果が大きいとのこと。

 

売上高の急減速の原因としては広告市場の減速と広告スペースの供給過剰を挙げている。

テンセントの広告部門やバイドゥ本体の成長率も大幅に落ちているのでマクロ経済減速の影響はありそう。テンセントの広告売上は18年1Qまで5割前後の成長率だったが直近は25%にまで下げている。ただ、ウェイボーは7~8割の成長率だったので為替調整後とはいえ1Q14%、2Qガイダンス7~10%は衝撃が大きい。 

広告スペースの供給過剰は、ショートビデオアプリ、動画プラットフォーム、イーコマースなどの参入による。

 

今期予想PERは15倍。株価はピークの130ドルから44ドルに暴落しており回復も鈍い。

中国経済の回復に伴って成長軌道に戻るという楽観的なシナリオであればかなり割安に見える。

一方でショートビデオアプリなどの新興企業によってウェイボーの競争力が失われたというシナリオであれば割安と言えないかもしれない。

いまのところはユーザー数も増えているので競争力が失われたと考えるのは早いかなと思う。

ウェイボーはインフルエンサーマーケティングと相性が良いし、アリババとの協力関係もある(アリババ関連の売上高が減っているが)。ライブストリーミングプラットフォームの統合効果も期待できる。