大きな割安感はないのですが、EV関連で業績も良いので見てみました。
会社概要
フィルム塗工乾燥機などを作っている機械メーカーです。
テクノスマートが作っている塗工機械ですが、材料に薬品や塗料などを均一に塗布するための装置とのことです。スマホやタブレットのほかリチウムイオン電池の製造にも使われています。
リチウムイオン電池の製造工程における役割は、日本政策投資銀行の資料の図がわかりやすかったです。
業績
機械という業種のためか業績のバラツキが大きいです。
ここ10年ほどの最高は2007年の売上20,693百万円・経常利益3,169百万円で、最低が2016年の売上8,807百万円・経常利益343百万円です。
今期は大幅な増収増益の予想です。
売上高 | 前年比 | 経常利益 | 前年比 | 純利益 | 経常利益率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
12年3月 | 15,356 | 68% | 1,327 | 182% | 707 | 8.6% |
13年3月 | 9,500 | -38% | 502 | -62% | 288 | 5.3% |
14年3月 | 9,994 | 5% | 1,259 | 151% | 719 | 12.6% |
15年3月 | 10,211 | 2% | 516 | -59% | 303 | 5.1% |
16年3月 | 8,807 | -14% | 343 | -34% | 209 | 3.9% |
17年3月(予) | 11,000 | 25% | 620 | 81% | 400 | 5.6% |
2Qの業績は、売上+15%の増益、経常利益304百万円(前年は0)の黒字でした。経常利益は期首予想から4倍ほど上振れしましたが、期末予想は修正していません。
受注高は前年比で+92%、受注残高は前年比で+63%と大きく増えています。
最終製品別の売上高を見ると、前期は薄型表示部品関連機器が33%とトップでしたが、今期2Qはエネルギー関連機器が全体の半分ほどを占めており、この製品の前年比は6.3倍と大幅に増えています。
また、輸出の割合が海外向けエネルギー関連機器の増加により67.5%(前年同期は42.8%)に増加しています。受注や受注残高に占める輸出の割合も非常に高くなっています。
海外売上高は中国の割合が倍増しており全体の4分の1を占めています。
中国売上の増加、輸出の増加、エネルギー関連機器の好調ということから、中国EV市場の急拡大の恩恵を受けているのかなと思いました。
バランスシート
財務健全でキャッシュが豊富な会社です。
現預金 6,553百万円
短期借入金 758百万円
長期借入金 587百万円
バリュエーション
・株価634円、時価総額6,717百万円(自己株式除く)。
・今期予想PER16.8倍。経常利益ベース(税率35%で計算)の予想PER16.6倍。
・今期予想EV/EBIT2.5倍。
・配当12円予想。利回り1.9%。
その他
・筆頭株主は取引先持株会(13.9%)です。上位10位に個人は入っていません。
・東証2部銘柄ですが、1部昇格には株主数が928名と少なすぎます。
感想
PERは最近の株価上昇のため割安感のない数字です。
ただ、今期の業績は好調で上振れが見込めそうです。業績のブレがある会社なので、好調な業績が来期も続くかはわかりません。
個人的に期待しているEV関連銘柄ですが、設備投資機器ということもありどれくらい恩恵があるのかは不明です。
なお、同業にヒラノテクシードがありこちらも業績好調です。すでに通期も上方修正していますが、修正後のPERは11~12倍と数字的にはテクノスマートより割安です。