バイドゥ(BIDU)決算

中国の検索最大手のバイドゥが3Q決算を発表しました。

前年比で売上高は+27%の増収、営業利益は-6%の減益です。

過去4四半期のEPS(特別利益があるのでNon-GAAP)で計算した実績PERは19.5倍になります。YahooFinanceのアナリスト予想を使った今期PERは20.3倍、来期PERは17.6倍です。

 

バイドゥの四半期業績をグラフにすると下のようになります。売上は大きく伸びていますが、利益の伸びはいまいちです。

2016年後半から2017年初めにかけて業績が低迷しているのは不正医療広告の問題の影響で、今四半期に減益なのは動画サイトを運営する子会社のiQIYIの損失が大きくなっているためです。

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コアビジネスとiQIYIの四半期の営業利益は下のグラフのとおりです。

全体の利益を押し下げているのはiQiYiの赤字です。今四半期も売上は+40%伸びましたが、営業赤字は拡大しました。

なお、中国の動画配信サービスの首位はテンセントでバイドゥのiQIYIとアリババのYoukuはそれに次ぐ存在のようです。上位3社は僅差とのことです。

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コアビジネスは堅調で3Qは売上高+25%の増収、営業利益+26%の増益でした。営業利益率は32%です。

提供しているサービスは、検索・地図・携帯文字入力・ニュースフィード・AIサービスなどです。AIサービスは、音声アシスタントのDuerOSや自動運転のApolloに注力しています。ニュースフィードとAIは売上の20%超とのことです。

 

バランスシートを見るとキャッシュ・短期投資が1,045億RMB、有利子負債が82億RMBあります。iQIYIを除いたキャッシュ・短期投資は948億RMBとのことです。

 

現在のバイドゥの時価総額は702億ドルですが、バイドゥの持つiQIYIの時価総額とネットキャッシュを引くと500億ドルを切るくらいになりそうです。これは過去4四半期のiQIYIの赤字を除くNon-GAAP純利益の11~12倍くらいなので割安感があると思います。現実には今後もiQIYIの赤字が続くと思うのであくまでも計算上ですが。