マッチングアプリの Omiai に先行投資している会社です。
今期は減益の予想ですが、中期経営計画では再来期に営業利益3~4倍を目標にしており実現すればかなり割安になります。
会社概要
ネット広告代理店とマッチングサービスの会社です。
フィスコのレポートによるとネット広告はアフィリエイト代理店業界で2位とのことです。アフィリエイトの市場規模は2017年が前年比+13.5%で、2021年まで+15%程度で安定的に成長するとの見込みです(矢野経済研究所)。
マッチングサービスは婚活アプリの「Omiai」に加えて、デーティングアプリの「QooN」をリリースしています。
Omiai はペアーズなどと並びマッチングアプリでは最大手の一つで、累計会員数378万人(18年12月)、有料会員数64,502人(18年9月)です。
マッチングアプリの差別化はなかなか難しそうですが、Omiai はやや真剣な人用という位置づけのようです。QooN はよりカジュアル寄りです。
下のグラフは18年1Qの決算説明資料に掲載されていた Omiai の有料会員数の推移です。1Qは過去最高の伸びでした。
最新の月次IRから累計会員数などの数字はこちらです。直近で新規会員数の伸びがやや落ちているのが気になります。
決算説明資料によると、マッチングサービスの市場規模は2018年に374億円で、2021年に693億円まで拡大するとの予想です。ネットマーケティングのメディア事業の売上高は2018年に31億円だったので、大手の位置を確保できれば成長余地は十分ありそうです。
業績
2017年と2018年の売上成長率は10%台前半でした。ただ、メディア事業は+65%、+30%と大幅な増収です。
今期の予想は売上高+29%の増収、経常利益-34%の減益です。マッチングアプリへの積極投資が減益の理由です。
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
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売上高 | 4,699 | 6,618 | 8,524 | 8,823 | 9,868 | 11,209 | 14,465 |
経常利益 | 44 | 268 | 419 | 274 | 423 | 566 | 372 |
純利益 | 49 | 158 | 270 | 176 | 296 | 403 | 258 |
広告事業 | 7,356 | 7,457 | 8,074 | ||||
利益 | 438 | 522 | 620 | ||||
メディア事業 | 1,466 | 2,413 | 3,135 | ||||
利益 | 160 | 305 | 447 |
今期は減益ですが、会社の中期経営計画によると来期の営業利益は8億円、再来期は12億円(新規事業への投資5億円を含む)という目標です。
四半期決算
1Qは売上高+28%の増収、経常利益-87%の減益でした。中間予想は売上高+32%の増収、経常利益1.7億円の赤字です。
セグメント別に見ると、広告事業が+24%増収+12%増益と堅調で、メディア事業が+36%増収1,000万円の赤字でした。
積極的な投資により Omiai の有料会員は前年比で+46%、前四半期比で+20%も伸びています。
バランスシート
現預金が大きくキャッシュリッチな会社です。
現預金 2,667百万円
短期有利子負債 79百万円
長期有利子負債 140百万円
バリュエーション
・株価505円、自己株式を除く時価総額7,357百万円。
・予想PER28.5倍。
・予想PSR0.5倍
・配当5円の予想。利回り1%。
その他
・株主優待なし。
・筆頭株主は社長で23.1%。2位も取締役で14.8%。上位10株主に取締役が3人入っています。
・18年5月に東証2部に移りました。株主数は5,000人を超えており問題ありません。総資産や経常利益も条件をギリギリ満たしています。
感想
現在の予想PERは28.5倍ですが、中期計画通の目標が達成できれば2021年のPERは8倍前後になります。
四半期決算はいまのところ問題ありません。成長中のメディア事業だけでなく、広告事業も安定的に伸びているのは安心感があります。
月次で新規会員数の伸びが鈍っているのは不安点だと思いました。