リチウムイオン電池関連株の電池比率

リチウムイオン電池の関連銘柄として名前が挙がっている会社の電池セグメントの比率を調べてみました。※市場シェアなどの情報はこちらを参照にさせてもらいました。

 

電池材料を含むセグメントの全体への比率は下表のようになります(数字は直近の通期決算)。電池材料単体のセグメントと思われる場合はセグメント名の前に〇をつけています。

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電池本体

パナソニックもGSユアサもリチウムイオン電池の比率は低いです。

ただ、パナソニックはオートモーティブ&インダストリアルズが全体の3割ほどを占めていますし、太陽光発電・住宅・家庭用蓄電池も作っているため、テスラが主導しているエネルギー革命に乗れそうな会社です。

 

セパレータ

旭化成、東レがシェア1位と2位とのことですが全体への比率は低いです。電池材料単体のセグメントではないですし、電池材料が入っているセグメントも全体の1割以下です。

これだけ比率が低いと今後に生産量が増えてもインパクトが弱すぎる気がします。住友化学も同じです。

 

ダブルスコープはセパレータ専業の会社です。

 

ニッポン高度紙工業はコンデンサ用セパレータがメインですが、電池用セパレータの比率も1割弱あります。ただし、この部門もリチウムイオン電池のほかに電気二重層キャパシタ用、ニッケルやアルカリ電池用が含まれています。

 

正極材

住友金属鉱山はパナソニックに正極材を提供していますが、材料部門の売上はそれほど大きくないです(持分法投資損益が大きいので数字以上にインパクトは低くなるはずです)。

ただし、この会社は正極材の原料となるニッケルやコバルトを採掘・精錬しているためリチウムイオン電池関連の鉱業会社としても評価できます。全体へのインパクトは銅が最も大きいのですが。

 

戸田工業の電子素材部門はフェライト材料と電池材料となっています。電池材料の比率がどれくらいあるのかはよくわかりませんでした。

 

田中化学研究所はダブルスコープと並んで数少ない電池材料専業の会社です。

 

負極材

日立化成は負極材首位とのことですが、全体への比率は数パーセントと低いです。

負極材以外に自動車部品と蓄電デバイス部門もあります(売上2,400億円ほどで全体の4割少々)。

 

昭和電工の電池材料は2017年にその他からエレクトロニクス部門に移管されています。差額から計算すると半期で売上60億・利益7億といったところで、全体への割合は数%以下ではないかと思います。

 

電解液

三菱ケミカルと宇部興産が強いようですが、三菱ケミカルは他の総合化学と同じく電池材料の比率はかなり低いです。

 

宇部興産の化学セグメントは食品包装フィルム、アンモニア製品、電池材料などです。

16年5月の中期経営計画書にセパレータと電解液の売上グラフが掲載されており両者とも約100億くらいです。

2018年に電池材料を300億規模にするとの話ですが、これが実現しても全体売上の5%ほどです。

 

ステラケミファは電解液と添加剤を作っています。

高純度薬品部門の内訳として電池部門の数字があり、全体に対する売上の比率も16%と比較的高いです。成長率も高く16年は70%伸びています。

 

関東電化工業は精密化学品部門の中に電解液があります。会社説明会資料のグラフによると電解液の生産は2,000トンで2年後に5,000トンまで高める計画のようです。売上がどれくらいかはわかりませんでした。

参考までにステラケミファの電池関連の販売量は1,041トン(説明会資料)で売上50億程度、シェアトップクラスの宇部興産の電解液の売上100億程度です。ここから考えると、関東電化工業の売上460億円に占める比率は数%~20%くらいではないかなと思います。

 

バインダー(接着材)

クレハが高シェアとのことです。ただ、電池材料は機能樹脂セグメントの一部で、機能樹脂セグメントの比率も全体の13%ほどと低めです。

 

関連機械

ヒラノテクシード、テクノスマートといった銘柄がリチウムイオン電池製造に関連する機械を作っています。商社の西華産業もフィルム製造装置を扱っているとのことです。

ヒラノテクシード、テクノスマートは業績好調。西華産業も産業機械セグメントは3~4割伸びていました。