各国株価のトレンドとバリュエーション 2017年9月末

9月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

 

・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFみずほ銀行より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成。月足・配当抜き・現地通貨ベースです。

・取得したCAPE・PER・配当利回りは6月末の数字なので、MSCIの6-9月の騰落率で調整しています。

 

先進国と新興国

第三四半期も引き続き株価は堅調でした。先進国と新興国を比べると、引き続き新興国の優位が続いています。

直近1年間の利益は先進国+16%、新興国+20%と大幅なプラスリターンです。円安もあり、円ベースの新興国のリターンは+30%を超えています。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは16倍前後で先進国に比べて低い数値です。

 

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 23.3 20.7 2.4% 4.7% 4.5% 16.4% 27.5%
先進国 24.4 21.9 2.3% 4.4% 4.2% 15.9% 27.0%
新興国 16.7 15.5 2.8% 7.0% 6.9% 19.7% 31.2%

 

米・日・欧

直近3か月間のリターンは日米欧ともに+3%台ですが、ユーロ高のため円ベースのヨーロッパは+9%と高いリターンです。

1年間の値上がりは日本の+25%が最も高く、続いてアメリカの+16%、ヨーロッパの14.5%となっています。円ベースだと欧州→アメリカ→日本の順です。

バリュエーションを見ると、CAPEレシオはヨーロッパの18.3倍が、PERは日本の17.7倍が最も低いです。

 

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
アメリカ 29.1 23.3 1.8% 3.9% 3.8% 16.1% 27.2%
日本 27.1 17.7 1.9% 3.4% 3.4% 24.6% 24.6%
ヨーロッパ 18.3 23.6 3.0% 3.0% 9.1% 14.5% 34.4%

 

BRICs

BRICsの中では中国とブラジルが強いです。

中国の1年リターンは+30%を超えており、円ベースでは+46%にも達しています。ブラジルも円ベースの一年リターンは+39%という高い数字です。

一方でいまひとつなのはロシアで一年リターンは+6%に留まります。ただ、円ベースでは+27.5%もありますし、直近の3か月リターンも+12%と盛り返しています。

バリュエーションはロシアの割安さが際立っています。CAPEレシオ5.5倍、PERの8倍、配当利回り4.5%と申し分ない数字です。中国のPERも8.4倍と低いです。

一方で大きく株価が上がったブラジルのCAPEは12.2倍、PERは18.1倍と極端な割安感はなくなりました。

 

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
中国 17.5 8.4 3.5% 13.6% 17.4% 31.2% 45.9%
インド 21.3 23.6 1.4% 3.6% 3.6% 10.4% 25.3%
ブラジル 12.2 18.1 2.7% 16.8% 23.4% 22.4% 38.6%
ロシア 5.5 8.0 4.5% 12.2% 12.2% 6.3% 27.5%

 

今年の損益

各国指数の前年末比の損益です。

世界的な株高が続いており、現地通貨ベースでも円ベースでも損失になっているのはロシアだけという状況です。

 

現地通貨ベースで値上がりの上位を見ると、中国、トルコ、韓国、ブラジルとバリュエーションが割安だった国々が多いです。

日本は+8.5%で下位ではありますが、ズバ抜けて悪いというほどでもないです。ヨーロッパ+9%、アメリカ+13%、先進国+14%、新興国+25%です。

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円ベースではメキシコやユーロ圏の国が強くなります。

日本もやや順位を上げて先進国や全世界と同程度のリターンです。一方でアメリカは+7%と大きく順位を下げます。

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