9月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。
・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFとみずほ銀行より取得しています。
・株価チャートは2007年末を100として作成。月足・配当抜き・現地通貨ベースです。
・取得したCAPE・PER・配当利回りは6月末の数字なので、MSCIの6-9月の騰落率で調整しています。
先進国と新興国
第三四半期も引き続き株価は堅調でした。先進国と新興国を比べると、引き続き新興国の優位が続いています。
直近1年間の利益は先進国+16%、新興国+20%と大幅なプラスリターンです。円安もあり、円ベースの新興国のリターンは+30%を超えています。
バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは16倍前後で先進国に比べて低い数値です。
CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
全世界 | 23.3 | 20.7 | 2.4% | 4.7% | 4.5% | 16.4% | 27.5% |
先進国 | 24.4 | 21.9 | 2.3% | 4.4% | 4.2% | 15.9% | 27.0% |
新興国 | 16.7 | 15.5 | 2.8% | 7.0% | 6.9% | 19.7% | 31.2% |
米・日・欧
直近3か月間のリターンは日米欧ともに+3%台ですが、ユーロ高のため円ベースのヨーロッパは+9%と高いリターンです。
1年間の値上がりは日本の+25%が最も高く、続いてアメリカの+16%、ヨーロッパの14.5%となっています。円ベースだと欧州→アメリカ→日本の順です。
バリュエーションを見ると、CAPEレシオはヨーロッパの18.3倍が、PERは日本の17.7倍が最も低いです。
CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
アメリカ | 29.1 | 23.3 | 1.8% | 3.9% | 3.8% | 16.1% | 27.2% |
日本 | 27.1 | 17.7 | 1.9% | 3.4% | 3.4% | 24.6% | 24.6% |
ヨーロッパ | 18.3 | 23.6 | 3.0% | 3.0% | 9.1% | 14.5% | 34.4% |
BRICs
BRICsの中では中国とブラジルが強いです。
中国の1年リターンは+30%を超えており、円ベースでは+46%にも達しています。ブラジルも円ベースの一年リターンは+39%という高い数字です。
一方でいまひとつなのはロシアで一年リターンは+6%に留まります。ただ、円ベースでは+27.5%もありますし、直近の3か月リターンも+12%と盛り返しています。
バリュエーションはロシアの割安さが際立っています。CAPEレシオ5.5倍、PERの8倍、配当利回り4.5%と申し分ない数字です。中国のPERも8.4倍と低いです。
一方で大きく株価が上がったブラジルのCAPEは12.2倍、PERは18.1倍と極端な割安感はなくなりました。
CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
中国 | 17.5 | 8.4 | 3.5% | 13.6% | 17.4% | 31.2% | 45.9% |
インド | 21.3 | 23.6 | 1.4% | 3.6% | 3.6% | 10.4% | 25.3% |
ブラジル | 12.2 | 18.1 | 2.7% | 16.8% | 23.4% | 22.4% | 38.6% |
ロシア | 5.5 | 8.0 | 4.5% | 12.2% | 12.2% | 6.3% | 27.5% |
今年の損益
各国指数の前年末比の損益です。
世界的な株高が続いており、現地通貨ベースでも円ベースでも損失になっているのはロシアだけという状況です。
現地通貨ベースで値上がりの上位を見ると、中国、トルコ、韓国、ブラジルとバリュエーションが割安だった国々が多いです。
日本は+8.5%で下位ではありますが、ズバ抜けて悪いというほどでもないです。ヨーロッパ+9%、アメリカ+13%、先進国+14%、新興国+25%です。
円ベースではメキシコやユーロ圏の国が強くなります。
日本もやや順位を上げて先進国や全世界と同程度のリターンです。一方でアメリカは+7%と大きく順位を下げます。