Russell/Nomura 日本株インデックスのデータがダウンロードできたので規模効果と割安株効果を見てみる。
1980年~2017年
サイズ別に見ると大型株よりも中・小型株の方がリターンが良い。
ただし、2000年ごろまではむしろ大型株の方がリターンが良く、一貫した傾向とは言えない。
Russell/Nomuraのマイクロキャップは99年12月からのデータしかないので、データの揃っている日興スタイルインデックスのサイズ別リターンを見てみる。
こちらは大型・中型・小型株に比べてマイクロキャップのリターンが際立っている。
続いて割安株効果。
バリューとグロースのリターンを比べるとバリュー株の圧勝となっている。日本株は割安株効果が強いという評判通りだ。
最後に大型バリュー株、大型グロース株、小型バリュー株、小型グロース株の4指数をグラフにしてみる。
こちらはバリュー株効果が強く出ており、小型株効果はそれほど強くない。バリューインデックス2つとグロースインデックス2つがきれいに分かれている。
リターンが一番良いのは小型バリュー株だが、2011年頃までは大型バリューと小型バリューにほとんど差がない。
2009年以降
2009年以降のサイズとバリュー効果を見てみる。
サイズ別のリターンはマイクロキャップと小型株が強い。リターンの順番も小型>中型>大型となっており、この時期はサイズファクターがしっかり機能していると言えそう。
一方でバリュー効果は完全に消えており、バリューもグロースもリターンはほぼ同じとなっている。
3サイズ(ラージ、スモールコア、マイクロ)×2バリュー(バリュー、グロース)のグラフ。
リターンの良い順に、スモールコアグロース > マイクロバリュー > スモールコアバリュー > マイクログロース > トップグロース > トップバリューとなっている。
バリューとグロースの間に明確な差はない一方で、大型株よりも小型と超小型が強いという結果となった。
感想
日本株はバリュー効果が強いというのが定説だが、リーマンショック以降はバリュー効果はほぼなくなっており、代わりにサイズ効果が強く出ている。
ファクターは強くなったり弱くなったりするものだが、過去に非常に良く機能していた日本株のバリュー効果でさえ10年近くも低迷してしまうというのは厳しい現実だと思った。