旅行で家を空けていたため遅くなりましたが、6月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。
・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFとみずほ銀行より取得しています。
・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。
先進国と新興国
第2四半期の株価は先進国が小幅高、新興国が大幅安でした。円安が進んだため円ベースでは先進国が+5.7%と大きなリターンとなっています。新興国は-4.4%です。
直近1年間のリターンは先進国+11.7%に対して、新興国+8.6%と新興国の優位が崩れました。円ベースだと先進国+10.8%、新興国+7.7%です。
バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは先進国に比べて割安です。ただ、先進国もPERは18.2倍と20倍以下の水準です。
CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
全世界 | 23.9 | 17.5 | 2.5% | 0.7% | 4.5% | 11.3% | 10.4% |
先進国 | 25.3 | 18.2 | 2.4% | 1.9% | 5.7% | 11.7% | 10.8% |
新興国 | 16.2 | 14.0 | 3.2% | -7.9% | -4.4% | 8.6% | 7.7% |
米・日・欧
第2四半期のリターンはアメリカが+3.5%、日本が+1.2、ヨーロッパが+4.5%でした。円ベースではアメリカ+7.4%、日本+1.2%、ヨーロッパ+2.5%です。日本が最も悪くなっています。
直近1年間のリターンはアメリカが最も高く+14.5%です。円ベースでも+13.6%あります。日本は+9.3%とまあまあのリターン。ヨーロッパは+5.0%とやや見劣りしますが、円ベースだと+8.3%あります。
バリュエーションは、CAPEレシオと配当利回りから見るとヨーロッパが最も割安で、PERだと日本の14.4倍が低いです。
CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
アメリカ | 30.3 | 21.8 | 1.8% | 3.5% | 7.4% | 14.5% | 13.6% |
日本 | 27.0 | 14.4 | 2.1% | 1.2% | 1.2% | 9.3% | 9.3% |
ヨーロッパ | 18.8 | 17.2 | 3.3% | 4.5% | 2.5% |
5.0% |
8.3% |
BRICs
第2四半期はブラジルのリターンが圧倒的に悪く、現地ベースで-14.8%、円ベースで-24.3%の下落でした。
中国はこの指数(CHINA)だと小幅安にとどまっていますが、A株(CHINA A ONSHORE)は-12.4%と大幅安です。全株(ALL SHARE)だと-6.2%です。
ロシアは小幅高ですが円ベースでは-4.5%とマイナスになります。インドは+4.4%と堅調です。
直近1年のリターンは4か国ともに2桁以上のプラスリターンですが、円ベースではブラジルが-1.2%とマイナスに落ち込んでいます。
バリュエーションはロシアの割安さが際立っています。CAPEもPERも低く、配当利回りも申し分ない数字です。中国のPERも7.4倍と低いです。ブラジルはCAPEレシオが12.3倍と低めです。
CAPE | PER | 配当 | 3か月損益 | 円ベース | 1年損益 | 円ベース | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
中国 | 17.5 | 7.4 | 4.3% | -3.4% | -2.1% | 21.9% | 27.3% |
インド | 22.3 | 24.9 | 1.4% | 4.4% | 4.4% | 12.9% | 7.0% |
ブラジル | 12.3 | 16.9 | 3.1% | -14.8% | -24.3% | 16.1% | -1.1% |
ロシア | 6.3 | 7.6 | 5.3% | 1.5% | -4.5% | 33.6% | 21.8% |
今年の損益
各国指数の前年末比の損益です。
現地通貨ベースではロシアのみが2桁リターンになっています。そのほかのプラスリターンの国は、アメリカ、オーストラリア、フランス、カナダなど先進国ばかりです。リターンの下位は新興国が並んでおり、中国A株の-16.9%が最下位です。
主要な地域のリターンは、アメリカ+2.9%、先進国指数+0.8%、ヨーロッパ+0.1%、全世界-0.1%、日本-3.5%、新興国-6.5%となっています。
円ベースになるとプラスリターンは激減してしまいます。ロシアの+0.6%、アメリカの+0.2%が残るだけで、ほとんどの国がマイナスリターンになってしまいます。
主要地域のリターンは、先進国-1.9%、全世界-2.8%、日本-3.5%、ヨーロッパ-3.9%、新興国-9.0%です。
リターン最下位はトルコの-30.9%で暴落と言っていいレベルになっています。現地通貨ベースでは-14.5%なので通貨安も大きな原因です。トルコはCAPEレシオ9.4倍、PER7.9倍、配当利回り4.0%なのでバリュエーション的には割安感が出ています。