各国株価のトレンドとバリュエーション 2018年6月末

旅行で家を空けていたため遅くなりましたが、6月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

 

・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFみずほ銀行より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。

 

先進国と新興国

第2四半期の株価は先進国が小幅高、新興国が大幅安でした。円安が進んだため円ベースでは先進国が+5.7%と大きなリターンとなっています。新興国は-4.4%です。

直近1年間のリターンは先進国+11.7%に対して、新興国+8.6%と新興国の優位が崩れました。円ベースだと先進国+10.8%、新興国+7.7%です。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは先進国に比べて割安です。ただ、先進国もPERは18.2倍と20倍以下の水準です。

f:id:sapa21:20180706132314p:plain

  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 23.9 17.5 2.5% 0.7% 4.5% 11.3% 10.4%
先進国 25.3 18.2 2.4% 1.9% 5.7% 11.7% 10.8%
新興国 16.2 14.0 3.2% -7.9% -4.4% 8.6% 7.7%

 

米・日・欧

第2四半期のリターンはアメリカが+3.5%、日本が+1.2、ヨーロッパが+4.5%でした。円ベースではアメリカ+7.4%、日本+1.2%、ヨーロッパ+2.5%です。日本が最も悪くなっています。

直近1年間のリターンはアメリカが最も高く+14.5%です。円ベースでも+13.6%あります。日本は+9.3%とまあまあのリターン。ヨーロッパは+5.0%とやや見劣りしますが、円ベースだと+8.3%あります。

バリュエーションは、CAPEレシオと配当利回りから見るとヨーロッパが最も割安で、PERだと日本の14.4倍が低いです。

f:id:sapa21:20180706132829p:plain

 

  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
アメリカ 30.3 21.8 1.8% 3.5% 7.4% 14.5% 13.6%
日本 27.0 14.4 2.1% 1.2% 1.2% 9.3% 9.3%
ヨーロッパ 18.8 17.2 3.3% 4.5% 2.5%

5.0%

8.3%

 

BRICs

第2四半期はブラジルのリターンが圧倒的に悪く、現地ベースで-14.8%、円ベースで-24.3%の下落でした。

中国はこの指数(CHINA)だと小幅安にとどまっていますが、A株(CHINA A ONSHORE)は-12.4%と大幅安です。全株(ALL SHARE)だと-6.2%です。

ロシアは小幅高ですが円ベースでは-4.5%とマイナスになります。インドは+4.4%と堅調です。

直近1年のリターンは4か国ともに2桁以上のプラスリターンですが、円ベースではブラジルが-1.2%とマイナスに落ち込んでいます。

バリュエーションはロシアの割安さが際立っています。CAPEもPERも低く、配当利回りも申し分ない数字です。中国のPERも7.4倍と低いです。ブラジルはCAPEレシオが12.3倍と低めです。

f:id:sapa21:20180706133525p:plain

  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
中国 17.5 7.4 4.3% -3.4% -2.1% 21.9% 27.3%
インド 22.3 24.9 1.4% 4.4% 4.4% 12.9% 7.0%
ブラジル 12.3 16.9 3.1% -14.8% -24.3% 16.1% -1.1%
ロシア 6.3 7.6 5.3% 1.5% -4.5% 33.6% 21.8%

 

今年の損益

各国指数の前年末比の損益です。

現地通貨ベースではロシアのみが2桁リターンになっています。そのほかのプラスリターンの国は、アメリカ、オーストラリア、フランス、カナダなど先進国ばかりです。リターンの下位は新興国が並んでおり、中国A株の-16.9%が最下位です。

主要な地域のリターンは、アメリカ+2.9%、先進国指数+0.8%、ヨーロッパ+0.1%、全世界-0.1%、日本-3.5%、新興国-6.5%となっています。

f:id:sapa21:20180706134621p:plain

 

円ベースになるとプラスリターンは激減してしまいます。ロシアの+0.6%、アメリカの+0.2%が残るだけで、ほとんどの国がマイナスリターンになってしまいます。

主要地域のリターンは、先進国-1.9%、全世界-2.8%、日本-3.5%、ヨーロッパ-3.9%、新興国-9.0%です。

リターン最下位はトルコの-30.9%で暴落と言っていいレベルになっています。現地通貨ベースでは-14.5%なので通貨安も大きな原因です。トルコはCAPEレシオ9.4倍、PER7.9倍、配当利回り4.0%なのでバリュエーション的には割安感が出ています。

f:id:sapa21:20180706135117p:plain