9435 光通信

インターネット回線、宅配水、電力などのビジネスを法人や個人相手に行っている会社。

かつては携帯電話ショップ、医療保険、OA機器の比率も高かったが、時代に合わせて主力製品が入れ替わっている。

営業力に強みがあり、中小企業・小規模事業者向けに圧倒的な販売網を持つとのこと。

販売代理店モデルから自社商材中心の高ストック型に転換してきた。

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過去の業績の推移は下のグラフのとおり。

2010年~2011年の減益は法人向け事業の業績が落ちたことが原因。高ストック型への転換という説明だった。

2016年に売上高が落ちているのはIFRSへの移行のため。利益は2010年を底にして右肩上がりに増えている。

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セグメント別の売上高の推移。セグメントの変更があったので2018年からの数字になっている。

自社商材を増やす方針をとっているため取次販売が減っている。

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セグメント利益の推移。

個人サービスの割合が増加している。この会社は内訳を開示していないのでどの事業が伸びているのは不明。プレミアムウォーターの貢献かと思ったが、2021年の個人サービスの営業利益245億円に対して、プレミアムウォーターの営業利益は29億円にすぎない。

2021年に法人サービスが減っているのは電力価格の高騰の影響。

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今期の中間決算は前年比で売上高+3%、営業利益+3%、税前利益+21%の増益だった。

リスクヘッジのために電力事業で相対取引を増やしたことがマイナス要因になっているが、電力事業を除くとストック利益、営業利益ともに前年比+10%増加したとのこと。

今期予想PERは13.3倍。成長率と比べると妥当な数字に見える。

 

本業も伸びていて良いのだが、この会社の魅力は保有する有価証券にもある。

下のグラフのように2Q末で純現金資産は3,740億円もある。

現金+売上債権+その他の金融資産-総負債で計算しても2,000億円程度になる。

時価総額が約8,000億円なので、純現金資産を考慮するとPERは7倍、総負債で計算しても10倍くらいなりそう。

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会社は純現金収支とは別に持分営業利益という金額も発表している。子会社に入らない投資先の持分に応じた営業利益。

持分法適用会社を除いた持分営業利益から税金30%を引くと327億円。今期予想の純利益585億円に足すと912億円でPERは8.7倍になる。

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投資先の価値をどちらで考えても表面上のPERよりも割安になるのは間違いない。

本業の利益も前年比+10%で成長しているので大型株では割安な銘柄だと思う。