アルゼンチンのオンブレ・ムエルト湖からリチウム化合物を生産している会社。
会社によると炭酸リチウムの生産コストは下位1/4、水酸化リチウムの生産コストは下位1/2に入るそうだ。戦略的に水酸化リチウムに注力している。
1Qは前年比で売上高+34%増収、営業利益5.7Mドル→1.7Mドル、調整EBITDA16Mドル→11.1Mドルだった。
前年比では減収減益だが四半期で見ると業績は改善しており、売上高は3四半期連続の増収、営業利益は黒字転換した。
売上高が増えたのは販売数量の増加が原因。
一方で価格はわずかに低下した。スポット市場ではリチウム価格が急騰しているが、ライベントは主に年間ベースの契約のため影響は限定的となる。
なお、月次、四半期ごとに価格調整される数量も多少あり、その影響は2Q以降に出てくるそうだ(価格調整の影響は市場価格に遅れる)。
通期のガイダンスは売上高335~365Mドル、調整EBITDA40~60Mドルで変更なし。ただしレンジの上方で着地することが見込まれるとのこと。
2021年のCAPEXは125Mドル。2022年の資本支出はさらに高くなるそうだ。
2021年の調整後の営業キャッシュフローは45~60Mを見込んでいる。キャッシュ21.5Mドルに対して有利子負債は300Mドル程度。
ライベントの財務には余力がないため資金調達が必要になりそう。経営陣はさまざまなオプションがあると言っている。
今回の決算で良かったのは拡張計画の再開がアナウンスされたとこだろう。
2023年1Qに10Kt、2023年4Qに10Ktの炭酸リチウムのキャパシティがアルゼンチンに追加される。さらに長期的には60Ktまで拡張する計画。現在の20Ktに比べて3倍の規模となる。
ベッセマー・シティ(アメリカ・ノースカロライナ)の水酸化リチウムは2022年3Qに5Ktがプラスされる。
2023年にはフェーズ1の10Ktとベッセマー・シティの大部分が反映されるとのこと。
決算は微妙な数字が続くが、今後の見通しは明るくなりそうと感じた。
2Q以降は量は多くないが市場価格に連動する数量の影響が出てくるようだし、2022年は多くの数量の価格が改定される。計画通りに進めば2023年と2024年は数量増加が期待できる。
ただし、増資の可能性は高いし、2018年の好調時のEPS0.99ドルで見てもPERが割安なわけではない。