ORE.ASX オロコブレ

アルゼンチンのオラロス湖から炭酸リチウムを生産している会社。オーストラリア上場。

 

オラロス湖の開発は2008年に始まった。2012年に豊田通商とのジョイントベンチャーを締結し、2015年に初の売上を計上している。

オロコブレのプロジェクトの持ち分は66.5%。豊田通商はプロジェクトの25%を持つほかオロコブレに15%の直接出資も行っている。

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2016年2Q(4-6月)から2020年3Q(6-9月)の炭酸リチウムの生産量と平均販売価格の推移。

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オロコブレのネームプレートキャパシティは年間17.5ktだが、稼働から数年たっても10~13kt程度の生産量に留まる。

平均販売価格は2018年3Qをピークに大幅に急落している。直近では3,102ドル/トンとキャッシュコストの3,974ドルさえ下回る。オロコブレの平均販売価格はSQMに比べても大幅に低い。全体の2~3割しかバッテリーグレードの炭酸リチウムを生産できていないのが原因と思われる。

 

現在、会社はステージ2の拡張と楢葉の水酸化リチウムプラント建設を進めている。

これらが完成した場合、ネームプレートキャパシティは42.5Ktまで増加し、内訳はバッテリーグレードの炭酸リチウム17.5kt、バッテリーグレードの水酸化リチウム10kt、テクニカルグレードの炭酸リチウム15.5ktとなる(あくまでも名目上。実際にはステージ1でもバッテリーグレードの炭酸リチウムを十分に作れていない)。

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ステージ2の生産はFY2023年(22年7月~23年6月期)に始まる予定。CAPEXは330Mドル。

楢葉のプラントでは年間10ktのバッテリーグレードの水酸化リチウムプラントを生産する。2021年後半から試運転が開始される予定。原材料である炭酸リチウムから水酸化リチウムを製造するコストは1,500ドル/トン程度。オロコブレの持ち分は75%でCAPEXは86.4Mドル。

 

なお、オロコブレはトヨタとパナソニックの合弁であるプライムプラネットエナジー&ソリューションにバッテリーグレードのリチウム化合物を提供する契約を結んでいる。炭酸リチウム換算で2021年の3Ktから2025年に30Ktまで拡大するそうだ。

 

業績を見るとリチウム価格の下落を受けて2020年(2020年6月期)は赤字となった。EBITDAベースでも赤字と厳しい。

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2020年6月時点のバランスシートは、キャッシュが172Mドル、短期借入金62Mドル、長期借入金158Mドルとなっている。

会社は8月に増資を行ったことで足元で100Mドルの余剰キャッシュを確保した。しばらくの間は財務的にも問題なさそうに思える。

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オロコブレの株価は他のリチウム株に遅れて11月に急騰した。YahooFinanceによると現在の時価総額は1.46Bオーストラリアドル(≒1.1Bドル)となっている。

会社の今後は楢葉の水酸化リチウムプラントの成否次第だと思う。これが成功すれば、現在のバッテリーグレード炭酸リチウム年間2~4Kt(残りはテクニカルグレード)の生産量が、バッテリーグレード炭酸リチウム2~4Kt + バッテリーグレード水酸化リチウム10Ktになる。ただ、結果が出るのは2022年以降になる。