3689 イグニス 2020年4Q決算

マッチングアプリの with を運営している会社。バーチャルライブアプリにも先行投資している。かつて主要事業だったゲームからは撤退した。

 

2020年9月期は前年比で売上高+17%の増収、経常利益は5.5億円の赤字だった。

赤字の原因はエンターテック事業への投資が原因。売上高の大半を占めるマッチング事業は順調に成長している。

マッチング事業の4Qは前年比で売上高+59%の増収、営業利益+78%の増益だった。広告費投入で3Qに落ち込んだ営業利益は4Qに回復した。営業利益率30%超は米マッチグループと比べても遜色がない。広告の成果か売上高も大きく伸びた。

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マッチングアプリ上位5社のセールスランキングの推移。

ここ3年で見ると、Pairs、Tinder、with が伸びており、タップルと Omiai は冴えない。なお、Pairs と Tinder は米マッチグループ、タップルはサイバーエージェントのアプリとなる。

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2020年の月間セールスの前年比。

新型コロナウィルスによる自粛はマッチングアプリには逆風となっている。その中でも with は落ち込みが小さい。with と並んで Tinder の前年比も好調。Pairs はここ半年は伸び悩んでいる印象を受ける。

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会社の発表した今期の売上高予想は70億円。PSRは3.1倍となる。

マッチング事業の実績売上高は43.7億円なので、20%成長で52.5億円、30%成長で56.8億円となる。営業利益率30%、税率30%として計算すると純利益は11~12億円となり、エンターテックの赤字など他の要素を無視するとPERは18~20倍程度となる。

株価は投機的に値上がりした後に大きく値下がりしている。現在の株価は with に期待するなら買える水準だと思う。ただ、with が他のアプリと比べてなぜ好調なのかよく分からなかったのでやや不安感はある。