前年比で売上高+1%の増収、営業利益は大幅増益(前年2.3億RMB→36.4億RMB)だった。
セグメント別に見るとバイドゥコアは-3%の減収+135%の増益。iQIYIは+4%の増収12.8億RMBの赤字(前年は18.7億RMBの赤字)となっている。
四半期ごとのセグメント利益の推移をグラフにするとこうなる。
バイドゥコアは2019年1Qを底に回復を続けていたが、新型コロナのため1Qに再び落ち込んだ。2Qは回復傾向だが以前の水準には戻っていない。
iQIYIは相変らず赤字が継続している。iQIYIを巡っていくつかのニュースが出ている。
動画配信業界揺るがす テンセント、バイドゥ傘下「愛奇芸(iQiyi)」買収検討の「裏事情」
中国動画配信サービス「愛奇芸(iQiyi)」、米SECが調査
テンセントの出資交渉は失敗?「愛奇芸(iQiyi)」が香港への重複上場を検討か
iQIYIは赤字がひどいうえコア事業との関連性が深くないことからテンセントに売却できれば一番良かったのではないかと思う。
バイドゥは事業を個別に見ていけば割安感があると思う。
・時価総額428億ドル。
・315億ドルの現金・長短投資。94億ドルの有利子負債。187億ドルの総負債。
・iQIYIの時価総額140億ドル(持分は半分程度)。
・バイドゥより売上高の低い金山クラウド(1Qの売上高14億RMB)の時価総額は65億ドル。
・過去4四半期のバイドゥコアのセグメント利益(税前)は26億ドル。
しかしながらバイドゥの評価は長らく低迷している。
最大の問題は成長性が見えないところだろう。主力の検索が頭打ちとなる一方で、注力しているAI(自動運転のApollo、音声アシスタントのDuerOS、クラウドなど)の成果がいまひとつ出ていない。
唯一クラウドは売上高が20億RMBを超えたという前向きな話があったが、業界ではアリババやテンセントに次ぐ3番手グループの1社というポジションにとどまっている。