3186 ネクステージ 2019年11月期4Q決算

中古車販売大手。輸入中古車や高級輸入車の新車ディーラーも手掛けている。

 

2019年は引き続き高成長を維持した。過去5年の年率成長率は、売上高+34%、経常利益+52%とのこと。

期首予想と比較すると、売上高は+2%、経常利益は+7%の上振れとなった。

売上高 2,192億円(前年比+34%)
経常利益 58億円(前年比+41%)
純利益 42億円(前年比+46%)

 

4Q単体は増税の反動から減益となっている。

売上高 581億円(前年比+28%)
経常利益 11億円(前年比-14%)
純利益 8億円(前年比-10%)

 

四半期の業績推移。売上高は右肩上がり。

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経常利益は四半期ごとにややバラツキがあるが、ここ3~4年は売上高と同様に好調に伸びている。

2019年の経常利益率は2.7%。過去10年では2~3%の年が多く、最も良かったのは2011年の3.5%。

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2019年は、総合店5店舗、SUV LAND1店舗、UNIVERSE(輸入車専門店)3店舗と大型店を9店舗出店した。

新車ディーラー(高級輸入車)も4店舗増やして19店舗としている。新車ディーラーは全体の20%を目安に出店するとのこと。

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今期の出店計画。

総合店7店舗、SUV LAND1店舗、UNIVERSE1店舗の大型店9店舗の出店。新車ディーラーは4店舗の出店。

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過去5年の店舗の内訳。中型店を減らして総合店・SUV LAND・輸入車専門店といった大型店を増やしていることが分かる。

ネクステージは店舗の大型化を進めることで、中古車販売、車検、車両用品、保険、買取とすべてのサービスを総合的に提供することを目指している。

2019年の売上高の内訳は、中古車販売1,518億円、新車ディーラー265億円、保険12億円、整備・点検64億円、車両買取333億円とのこと。

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中古車販売市場は大手のシェアが低いため、会社は大手への集約・寡占化を予想している。ネクステージは大手の一角だが、中古車小売市場260万台に対して会社の小売販売台数7.6万台にすぎない。

会社の目標は2030年に総合店、SUVLAND、UNIVERSEの大型店160店舗。今期末で大型店は50店舗弱なので拡大余地はまだ大きそう。

 

この会社の問題点としては新規出店の費用が大きく資金調達が必要になることがある。去年は評判の悪いMSワラントによる資金調達をおこなった。

バランスシートを見るとネットの有利子負債が328億円あるのに対して、今期の予想純利益は53億円、営業キャッシュフローは4年連続でマイナス(大型店舗を作るのに売上債権や棚卸資産が先行する)となっている。

今期末は棚卸資産もやや大きく増加しており回転日数は65日に悪化している。過去3年は50日前後だった。

 

決算後に株価は下げて現在は1,197円となっている。

今期予想PERは17~18倍程度となる。成長率の高さからするともう少し評価が高くても良さそうだが、増資不安を差し引くとフェアバリューなのかなとも思う。