3Qは営業利益、純利益、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー(営業CF-資本支出)のいずれも黒字化した。
決算後の2日間で株価は30%近くも上げている。
3Qの数字は以下のとおり。
売上高 63億ドル(前年比-8%)
営業利益 2.6億ドル(前年比-12%)
純利益 1.4億ドル(前年比-54%)
希薄化EPS 0.78ドル
売上高と営業利益の四半期の推移はこんな感じ。
今四半期は補助金の更なる削減(1台3,750ドル→1,875ドル)があったにもかかわらず過去最高の納車台数を記録した。売上高はモデル3の平均販売価格が下がったことから2Q比で減収となった。
オートモーティブ部門の粗利益率は22.8%。2Qの18.9%から大きく改善した。排出権の収入を除いても20%以上とのこと。
売上高は減ったものの粗利益率の向上と販管費の減少(2Qは1.17億ドルのリストラその他の費用が計上されていた)ことから営業利益は黒字化している。
納車台数は9万7千台と2Q比で微増。ただ、3Qはリース販売が大きく増えている。
4Qは補助金の削減がないので販売にはかなり期待できそう。
営業キャッシュフローは2Qに引き続き黒字。フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローマイナス資本支出)も3.7億ドルの黒字。
ここ2年近く継続的に減少していた資本支出も3Qは増加に転じている。
ギガファクトリー上海では試験生産が開始している。数か月以内に大量生産できるとの話。予想は難しいものの上海工場での利益率は現状ではフレモント工場と同じくらいと考えているそうだ。
ギガファクトリーヨーロッパは今年末までに場所をアナウンスできるとのこと。
モデルYの発売は2020年夏に前倒しとなった。モデルYの平均販売価格はモデル3よりもやや高く、コストはモデル3とほぼ同じ。
決算は非常に好調かつ上海工場の順調な進捗とモデルYの生産開始が前倒しされたのが好印象だった。いつも予定から遅れるテスラにしては珍しい。
ちなみにテスラに批判的な記事をいくつか読んだところ、リース販売台数の増加、スマートサモン(呼び寄せ機能)の売上高が含まれていること、粗利益率の急激な改善といったあたりが疑問視されていた。