株主還元が良さそうな大企業 通信株

REITの利回りが低くなってきたので代わりに株主還元の良さそうな銘柄を探してみる。

まずは業績安定かつ高配当の通信株。

 

・NTTドコモ

予想PER15.2倍、予想配当利回り4.5%。

自社株買いも行っており過去5年間の発行済み株式数は継続的に減少している。「取得した自己株式については、保持の必要性を勘案しつつ、全て消却することを検討していきます。」とのこと。

配当と自社株買いを合計すると7%を超えそうな勢いだが、PERが15倍と高いため利回り向上には限界がありそう。

携帯料金の値下げから目先の業績悪化が見込まれているのがマイナス。

  EPS DPS 配当性向 株式数
2011年3月 118.0 52 44% -0.3%
2012年3月 111.9 56 50% -0.3%
2013年3月 119.5 60 50% 0.0%
2014年3月 112.1 60 54% 0.0%
2015年3月 101.6 65 64% -2.6%
2016年3月 141.3 70 50% -3.9%
2017年3月 175.1 80 46% -4.0%
2018年3月 201.7 100 50% -1.0%
2019年3月 187.8 110 59% -4.3%
2020年3月 174.1 120 69%  

※株式数は純利益÷EPSで株式数を逆算してそれを前年比較した。

 

・KDDI

予想PER11.1倍、予想配当利回り3.6%。

自社株買いも行っておりここ3年は発行済み株式数が毎年1.5%前後減少している。

中期経営計画では、配当性向40%超、機動的な自己株買い、全ての自己株式を消却を株主還元に挙げている。

株主還元は決して悪くないのだが、NTTドコモやソフトバンクには及ばないかなという印象。

  EPS DPS 配当性向 株式数
2011年3月 79.6 21.7 27% -1.5%
2012年3月 96.9 23.3 24% -6.4%
2013年3月 96.9 26.7 28% -6.9%
2014年3月 105.3 30.0 28% 5.7%
2015年3月 132.9 43.3 33% 3.3%
2016年3月 170.8 56.7 33% -0.1%
2017年3月 197.6 70.0 35% -1.5%
2018年3月 221.7 85.0 38% -1.4%
2019年3月 235.5 90.0 38% -1.9%
2020年3月 259.1 105.0 41%  

 

・ソフトバンク 

予想PER15.1倍、予想配当利回り5.7%。

配当性向85%程度を目標に掲げており配当利回りは携帯3社のうちで最も高い。

ただ、ドコモやKDDIに比べると借入金が大きい。営業利益や営業CFの3~4年分ではあるが。

 

・NTT

傘下のNTTドコモとNTTデータが上場している。

その他に地域通信事業(フレッツ光など)と長距離・国際通信事業を行っている。移動通信事業の1兆円の利益におよばないが、地域通信事業の利益は3,607億円、長距離・国際通信事業の利益は1,001億円ある。

業績は安定しておりリーマンショックでも大きな落ち込みはない。成長率は高くないものの意外なことにここ数年で利益を4~5割増やしている。地域通信事業が利益をけん引した。

予想PER9倍、予想配当利回り3.7%。

継続的な自社株買いを行っており今年も去年並みの2,500億円の取得を計画している。配当+自社株買いの総合利回りは6%を超えそう。

  EPS DPS 配当性向 株式数
2011年3月 192.6 60 31% 0.0%
2012年3月 183.3 70 38% -3.6%
2013年3月 216.2 80 37% -5.0%
2014年3月 254.6 85 33% -5.1%
2015年3月 236.9 90 38% -4.9%
2016年3月 350.3 110 31% -3.7%
2017年3月 390.9 120 31% -2.8%
2018年3月 455.8 150 33% -2.5%
2019年3月 440.3 180 41% -2.7%
2020年3月 453.2 190 42%  

 

通信株は業績が安定しているのが良いと思う。ただ、携帯料金の値下げによる目先の業績悪化が不安点。

個人的にはNTTが面白そうだと思ったが、地域通信事業の利益は横ばいになっているしNTTドコモの減益が見込まれているのが残念。