2018年の決算も出たので気になる中国株のバリュエーションを見てみます。今回は自動車・EV関連の銘柄です。
なお、PER、配当利回り、増収率、増益率(税前利益)といった数字はすべて2018年の実績です。データは主に AASTOCKS というサイトを使っています。
自動車
2018年は増益の決算が多いですが、19年1Qは各社とも減益です。
北京汽車が-23%減益、広州汽車が-28%減益、長城汽車が-63%減益と不調です。
中国の自動車販売台数は3月まで9か月連続で減少しており厳しい市場環境が続いています。
コード | 会社 | 株価 | PER | 配当 | 増収率 | 増益率 |
---|---|---|---|---|---|---|
0175 | 吉利汽車 | 14.36 | 8.9 | 2.4% | 14.9% | 18.1% |
0489 | 東風汽車 | 7.04 | 4.1 | 5.7% | -17.0% | -7.7% |
1958 | 北京汽車 | 5.22 | 8.3 | 4.2% | 13.2% | 96.6% |
2238 | 広州汽車 | 8.09 | 6.6 | 5.4% | 44.8% | 75.0% |
2333 | 長城汽車 | 5.97 | 9.1 | 5.6% | 24.2% | 63.1% |
EV関連
自動車販売台数は低迷していますが、新エネルギー車に限ると1~3月は前年比2.1倍の伸び率です。
BYDの19年1Qは純利益7.3倍と大幅増益でした。ただ、中間予想の純利益1,450百万RMBというのは2017年の水準より低いです。2017年のEPSで計算したPERは30倍程度で割安感はありません。また、BYDは携帯電話部品・組立部門が大きくセグメント利益では4割を占めているうえ、自動車販売の半分程度がガソリン車です。純粋なEV銘柄と言えるかやや微妙です。
ガンフォンリチウムの1Qは前年比で横ばいのレベルでした。4Qに大きく落ち込んだのを挽回しています。1QのEPSを4倍するとPERは12~13倍になります。ガンフォンは川上資源も持ちますがコンバーターとしての比率が大きい会社です。現在はスポジュメン精鉱の価格が大きく下げている一方で、国際的な炭酸リチウム・水酸化リチウムの価格は下げが緩めです。リチウム市場は逆風下にありますが、そのなかではまだましなポジションにいると思います。
洛陽モリブデンの1Qは79%の減益です。コバルト価格がピークの40ドルから半額以下に暴落しており厳しい状況です。
コード | 会社 | 株価 | PER | 配当 | 増収率 | 増益率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1211 | BYD | 49.80 | 46.6 | 0.5% | 18.6% | -31.6% |
1772 | 江西ガン鋒リ業 | 12.40 | 10.1 | 2.8% | 17.2% | -41.9% |
3993 | 洛陽モリブデン | 2.72 | 11.0 | 4.7% | 7.5% | 69.9% |
1585 | 雅迪控股 | 2.55 | 15.4 | 1.5% | 26.3% | 6.7% |