オロコブレ(ORE:ASX)

アルゼンチンでリチウムやホウ素を生産している会社です。オーストラリア上場です。

 

リチウム事業

アルゼンチンのオラロス湖からリチウムを生産しています。パートナーは豊田通商でオロコブレのプロジェクト持ち分は66.5%です。豊田通商はオロコブレに15%の直接出資も行っています。

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オラロス湖の開発は2008年に始まりました。豊田通商とのジョイントベンチャー締結が2012年、売上の計上が2015年です。

リチウムの生産量は2016年6月期が6,903トン(炭酸リチウム換算)、2017年が11,862トン、2018年が12,470トンでした。

炭酸リチウムの生産コストは2017年が3,710ドル/トン、2018年は4,194ドル/トンです。最低クラスの生産コストです。

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現在の年間生産キャパシティは17.5ktですが、ステージ2として25ktの拡張が決定しています。これによりキャパシティは42.5ktまで増加します。プラント稼働は2020年の2Hの予定です。

また、年間生産キャパシティ10ktのバッテリーグレードの水酸化リチウムプラントを楢葉に建設する計画もあります。楢葉ではステージ2で生産されたテクニカルグレードの炭酸リチウムの9.5ktが使用されます。

会社によると楢葉の生産コスト(炭酸リチウム→水酸化リチウム)は1,500ドルで、水酸化リチウムも最低クラスのコストで生産できるようになるとの話です。

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ステージ2の拡張が終了した場合、バッテリーグレードの炭酸リチウム17.5kt、バッテリーグレードの水酸化リチウム10kt、テクニカルグレードの炭酸リチウム15.5ktの生産キャパシティーとなります。ステージ2の投資額は295百万ドルとのことです。

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なお、上の資料ではステージ1のキャパシティの17.5ktがバッテリーグレードとなっていますが、1Qのカンファレンスコールでは現状で生産できるバッテリーグレードの炭酸リチウムの比率は50%とのことです。

 

カウチャリ開発

アドバンテージリチウムとのジョイントベンチャーでアルゼンチンのカウチャリ(オラロスの下)を開発しています。持ち分は25%ですが、オロコブレはアドバンテージリチウムの株式33.5%を持ちます。

カウチャリの資源量は3.02mt(炭酸リチウム換算)でそこそこの規模です。2019年2QにDFSの完了を予定しています。

 

業績

オラロスプロジェクトを連結していないので決算書はやや分かりにくいです。

下の表は18年6月期の業績です。一番左の列がオロコブレの業績(PLの数字)、左から2列目がリチウム会社の業績、一番右がオロコブレとリチウム会社の持分を連結した業績です。

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リチウム会社の純利益は30.8百万ドルで、オロコブレへの寄与は19.8百万ドルでした。為替差損と高税率を調整すると(アルゼンチンの法人税率は35%とのことです)純利益は約50百万ドル、オロコブレへの寄与は30百万ドル程度になりそうです。

本体のホウ素ビジネスは、売上17.4百万ドル、資産売却を除くEBITDAIX1.7百万ドルの損失でした。

 

四半期決算

2Q(9-12月期)の生産量は3,782トンで過去2番目に良い数字でした。販売数量は3,019トンで前年比-13%の減少です。

販売価格は10,587ドル/トンで1Q比-28%の急落となっています。販売数量の減少と価格の下落で前年比の売上高は-20%の減収となりました。

キャッシュコスト(最近発表された輸出関税を除く)は3,974ドル/トンで前年比ほぼ変わらずです。

販売価格が下がったことからグロスキャッシュマージンは62%に低下しています。

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1Qの時点ではリチウム価格の大きな下落を予想していないと言っていたので大幅下落はサプライズでした。未契約だった製品の価格下落と、顧客のひとつが低価格しか支払わなかったとの話です。

この価格下落がオロコブレだけの話なのか、テクニカルグレードの炭酸リチウムの値下がりが原因なのか、バッテリーグレードの製品も値下がりしているのかといった疑問についてはSQMやアルベマールの決算を待つしかありません。

 

バランスシート

キャッシュフローによる有利子負債の削減と豊田通商への戦略的増資によってネットキャッシュはプラスになっています。グループの現金330百万ドルに対して、有利子負債は122百万ドルです。

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感想

オロコブレの現在の時価総額は891百万オーストラリアドル(642百万ドル)です。

ネットキャッシュ208百万ドル、リチウム事業からの利益30百万ドル程度から考えると妥当なバリュエーションかなと思います。ホウ素ビジネスの赤字が無くなり、2018年の平均販売価格(12,578ドル/トン)が維持できることが前提ですが。

販売価格が10,000ドルまで下がるようであれば割高感が出てきそうです。