JapanREITでは分配金利回り以外にもいろいろなデータを見ることができるので、それを使ってREITにどんな傾向があるのかを見てみました。
格付けと分配金利回り
格付けごとに分配金利回りを並べると下のようになります。
格付けAAの銘柄はほとんどが利回り3~5%の範囲に収まっており、ばらつきも比較的少ないです。
格付けAと無しの銘柄の利回りは4~7%前後でAAの銘柄よりもばらつきが大きくです。また、格付けAと無しの銘柄を比較すると利回りの範囲はほぼ同じですが、平均的にはAは利回り4%後半~5%の銘柄が多く、無しは利回り6%前後の銘柄が多いです。
格付けごとに各種指標の平均値を計算するとこうなりました。
格付け | 利回り | 時価総額 | NAV倍率 | 負債比率 | NOI利回り | 含み損益 |
---|---|---|---|---|---|---|
AA | 4.0% | 319,812 | 1.07 | 42% | 5.0% | 18% |
A | 5.2% | 128,337 | 1.01 | 47% | 5.5% | 13% |
無し | 6.1% | 30,564 | 0.88 | 44% | 5.9% | 13% |
格付けAAの銘柄は、利回りが低く、時価総額が大きく、NAV倍率が高く、負債比率が低く、NOI利回りが低く、含み利益が大きいです。
格付けAと無しを比べると、格付けAの銘柄の利回りは低く、時価総額は大きく、NAV倍率は高く、NOI利回りは低いのですが、負債比率は格付け無しの方が低く、含み損益は同レベルです。
なお、負債比率や含み損益に関しては銘柄による差が大きいです。格付けAAで負債比率50%の銘柄もあれば格付けAや無で30%台の銘柄もあります。
時価総額と分配金利回り
時価総額は格付けによってはっきり差がついています。そこで時価総額と分配金利回りも比べてみます。
散布図にすると時価総額1,000億円にひとつの壁があるようです。1,000億円を超える銘柄で分配金利回りが5%を大きく超える銘柄は2銘柄しかなく、そのうちMCUBS MidCityは物件売却益が大きいため実質的にはインヴィンシブル1銘柄のみとなります。
一方で時価総額1,000億円以下の銘柄は利回り5%以上が多数派です。
時価総額と格付け
格付けごとに時価総額を並べてみると、格付けの高い銘柄ほど時価総額が大きいことが分かります。格付け無しの銘柄はすべて時価総額1,000億円以下です。
ただし、時価総額1,000億円以下でもAAの銘柄が3つ、Aの銘柄が5つあるので小型のREITが絶対に格付けを取れないというわけではなさそうです。