気になった中国株 その1

中国株二季報を読んだので全体の感想と気になった銘柄をメモします。

 

全体的な感想

・指数の数字ほど割安な感じがしない

中国株のPERは低く、StarCapitalによると7.4倍、myINDEXによると12.8倍となっています。しかし、個別の株を見ていると指数の数字ほどの割安さを感じませんでした。

この理由は、株価指数の中で大きなウェイトを占める銀行株のPERが6倍台と低いためだと思います。

金融セクターが68%を占めるMSCI中国H株の予想PERが8.5倍なのに対して、金融セクター24%のMSCI中国A株の予想PERは15倍です。

 

・小型の私営企業は怖い

不正会計で取引停止になったり、何らかのトラブルが起きたり、特別何もなくても突如おかしくなる会社が多い気がします。過去を振り返ると僕がパッと思いつくだけでも、超現代農業、中国緑色食品、博士蛙国際、中国金属再生、蒙牛乳業、亨泰、瑞年国際といった会社がありました。

業績が良く割安な会社でも小型の私営企業には手を出しにくいなという感想です。

 

気になった銘柄

大手銀行

中国の4大銀行(中国建設銀行、中国農業銀行、中国工商銀行、中国銀行)の予想PERは6~7倍で、配当利回りも4%台です。第一四半期の決算はいずれの銀行もわずかな増益でした。

数字的には申し分ないのですが、問題は民間債務の急増と不良債権でしょうか。こちらのページでは上場企業の財務データをもとに不良債権を推計しているのですが、”2015年末の潜在不良債権比率は8.6%と、公式統計の5倍にのぼる高水準であった”との話です。

低PER&不良債権問題といまの中国を象徴する銘柄群です。

 

大手自動車メーカー

大手で上場しているのは、国営では東風汽車、長安汽車、北京汽車、広州汽車、私営では長城汽車、吉利汽車、BYDがあります。

各社の予想PERや販売台数は以下のとおりです。

 コード  会社 株価 PER 配当 純益 販売台数
(万台)
上期販売
前年比
0489 東風汽車   9.99   6.9  2.06%  -11.6% 427 3.5%
200625 長安汽車 10.28 4.5 7.59% 5.8% 306 -8.2%
1958 北京汽車 6.84 7.3 4.71% 12.0% 284  
2238 広州汽車 15.06 10.7 2.69% 75.6% 164 31.7%
2333 長城汽車 9.92 9.4 3.27% -8.7% 104 2.3%
0175 吉利汽車 18.72 21.2 1.00% 49.9% 79 89.0%
1211 BYD 48.1 24.5 0.61% 0.6% 42 -14.7%

※PER、配当利回り、純益成長率は二期報の今期予想の数字と現在の株価を使って計算しています。

※販売台数は2016年のものでここの数字(BYDのみは二期報)です。2017年上期の販売台数前年比は楽天証券の投資情報から数字を拾いました。

 

中間決算の数字が出ている銘柄は吉利汽車と北京汽車と長城汽車です。

吉利汽車が118%増収・120%増益の絶好調決算、北京汽車は6割減益(1Qは56%増益)、長城汽車は49%減益でした(1Qは18%減益)。

 

数字的には長安汽車が割安に見えます。長安汽車の1Qは8.6%減収、純益10%減益でした。
広州汽車は上期の販売台数が好調かつ1Qも98%増でした。

BYDの1Qは29%の純益減で、中間も20~31%の減益見通しとのことです。

東風汽車は決算の数字がみつかりませんでした。ただ、クレディスイスによると上半期の純益は前年並みを確保するという記事はありました。

 

自動車銘柄は1桁のPERの銘柄も多く、全体的には割安感あるかなという気がします。上期の業績が悪い会社が多いですが。

 

続きはこちらです。