カンボジアの首都プノンペンで NagaWorld というカジノホテルを経営する会社です。
この会社について検索すると下のような記事が見つかりました。
カンボジア:NagaCorp 拡張計画Naga2のうちNagaCity Walkがソフトオープン 観光競争力拡充
An Undiscovered Cambodian Gold Mine
記事をかるくまとめると、
・NagaWorldは、プノンペン唯一のカジノを含む統合型リゾート(IR)であり、70年(2065年まで)のカジノライセンス、41年間(2035年まで)のプノンペンから半径200Km圏内(ベトナム国境、シアヌークビルを除く)における独占権を有する。
・ホテル700室、ゲーミング施設はテーブル296台、EGM(電子ゲーミングマシン)1,662台。
・商業施設の NagaCity Walk とカジノホテルの TSCLK Complex (Naga2) という拡張計画がある。 NagaCity Walk は2016年8月にオープン。TSCLK Complex は2017年のオープンを予定。
・2019年に開業予定のウラジオストックのカジノプロジェクトあり。
会社資料にあった業績グラフです。
過去5年の売上成長率は19%もありましたが、2016年の売上成長率は鈍化しています。
セグメント売上高です。2016年は最も比率の大きい VIP Market の伸びがいまいちでした。
2016年の希薄化EPSは7.04セント、配当は3.59セントでした。1ドル7.79香港ドルで換算すると、希薄化EPSは0.548香港ドル、配当0.28香港ドルとなります。
株価は3.44香港ドルなので、PERは6.2倍、配当利回りは8.1%と非常に割安に見えます。
ただし、残念ながら大株主による転換社債の行使(Nage2の転換社債18.8億株のうち14億株)が発表されています。2016年末の発行済み株式数が24.5億株なので50%を超える大きな希薄化です。
なお、転換社債がすべて行使された場合、株式数は24.5億株から43.4億株に大幅に増加してしまいます。
ちなみに Nagacorp – Casino in Cambodia という記事によると、この会社は2013年、2014年、2016年に私募増資によって割安な価格で新株を発行しているそうです。著者は少数株主に対する不公平な扱いをリスク要因としています。
株価は昨年の9月ごろから右下がりです。
NagaCity Walk とNaga2 のオープンによって大幅な業績拡大が期待できることから悪い話ばかりではないのですが(このレポートでは希薄化の影響はNaga2による成長で打ち消せるとしています)、やはり大幅な希薄化のほうが嫌気されているのかなと思います。