成長率が高くPERが低い不動産業の会社です。中古不動産というのが他と違って面白そうだったので調べてみました。
会社概要
ムゲンエステートは居住用マンションと投資用のマンションの両方を扱っているのが特徴です。
個人投資家向け説明会の動画によると、居住用と投資用の両方をやるのはなかなか難しいそうです。
投資用マンションの会社からすると居住用マンションは金額が小さく、居住用マンションの会社が投資用マンションを扱おうとすると融資がなかなかないとのことです。
同業他社ですが、投資用マンションは、トーセイ、サンフロンティア不動産、オープンハウスなど、居住用マンションは、インテリックス、イーグランド、スターマイカーなどです。
中古不動産市場は緩やかに拡大中です。
日本は欧米に比べると中古住宅の割合がかなり低いのですが、長年あまり状況が変わっていないのを見ると、実際に中古市場がどこまで伸びるのかはよくわかりません。
より問題なのがセグメント比率の高い投資用不動産の先行きですが、こちらの方もはっきりとはわかりませんでした。
いくつかのレポート(こことかここ)を見ると、キャップレートはリーマンショック前の水準に低下しているものの、金利も下がっているためイールド・スプレッドはそれほど低下していないといった話がされています。
業績
過去3年は5割前後の売上の伸びです。今期は+28%の増収、+19%の経常増益の予想です。
12/12 | 13/12 | 14/12 | 15/12 | 16/12(予) | |
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売上高 | 12,877 | 20,830 | 30,175 | 45,706 | 58,397 |
経常利益 | 382 | 1,974 | 3,076 | 5,573 | 6,632 |
純利益 | 225 | 1,127 | 1,759 | 3,382 | 4,185 |
1Qは+41%の増収、+31%の経常増益と好調でした。1Q末で在庫は前年比4割以上の増加となっています。
セグメントを見ると、近年は投資用不動産に注力しており居住用不動産は横ばいです。
居住用不動産は15%の粗利が取れるものしかやらないそうです。最近は仕入れ価格が上昇しているため深追いしない方針と言っています。
投資用不動産の販売件数と販売単価はともに上昇トレンドですが、今年は販売件数が横ばいなのに対して販売単価は大幅上昇という計画です。10億円を超える物件を扱うなど大型化を進めています。
なお海外投資家向けの売上は2015年が20%ほどでしたが、16年1Qは12.5%に下がっています。国内向け販売が堅調であることが理由のようです。
バランスシート
短期借入は現預金と同じくらいです。借入総額はかなり大きいですが、業種が不動産なのである程度は仕方ないと思います。今年の初めに増資をしています。
現預金 7,515百万円
販売用不動産 36,825百万円
短期借入 5,200百万円
1年以内の長期 2,890百万円
長期借入 23,456百万円
感想
中古マンションを再生して売っている会社かと思っていたのですが、現在は投資用不動産がメインになっています。最近は物件の大型化を進めているため不動産流動化銘柄と区別がつきにくくなっている気がします。
今後の業績は市況次第ということになるのかなと思います。
不動産市場の先行きはあまりよくわかりませんが、海外投資家向けの投資用不動産の売上が1~2割あるので円高はマイナスになりそうです。金利の低下はプラス要因でしょう。
銀行から借入を行って物件を買うという構造なので、市況が悪化した時には注意が必要になりそうです。
PERは5倍程度です。成長率も高く1Qも良好なのを考えるとかなり割安感があります。ただ、不動産セクターは全体的に割安な銘柄が多いです。