3月に入ってブラジル株が急反発しています。
ブラジル株は長らく低迷していました。ドル建てのMSCIブラジル指数は2015年に-41%の大幅マイナスで、2014年と2013年も2ケタのマイナスでした。
バリュエーションも低下しており、StarCapital のHPではCAPEレシオは7.0倍とロシアに次いで低い数字になっています。
株価が低迷した原因はマクロ経済の悪化です。
昨年のブラジルの実質GDP成長率は-3.8%と過去25年で最大の落ち込みとなりました。さらに2016年も-3.45%のマイナス成長が見込まれているそうです。
四半期ごとに見ると、実質GDP成長率の前年比マイナスはこれで7四半期連続となります。(ブラジルは一番右の伯)
ブラジル経済低迷の原因としてはコモディティ価格の下落が挙げられることが多いです。実際にこちらの資料でも経済成長率とコモディティ価格が連動しているグラフが掲載されています。
ただし、数字上はブラジル経済のコモディティ依存はそれほど高くないです。GDPの6割を占めるのは個人消費で、輸出も10%台前半です。
また、MSCIブラジル指数に占めるエネルギーと非鉄の割合もそれぞれ9~10%程度で、他の国よりも高めとはいえロシアのように過半を占めるということはありません。
他には高インフレが続いていることもブラジル経済の悪化の原因として挙げられます。
激しい景気後退局面にもかかわらずインフレは加速しており、消費者物価指数は前年比10%を超えています。それに伴って政策金利も引き上げが続いており、現在は14.25%という高金利となっています。
景気後退にもかかわらず高インフレが続いている原因としては、下のような話が書かれていました。
・財政の悪化に伴う補助金の打ち切り。電気料金、公共交通機関の大幅な値上がり。
・干ばつや洪水による食料品の値上がり。
・レアル安による輸入物価の上昇。
・ハイパーインフレの経験から、各種価格が物価スライド制となっていること。インフレの悪循環を起こす体制が根付いてしまっている。
ただ、これらの要因は今後改善していくものも多いため、現在をピークにインフレ率は大幅に下がることが予想されています。
ブラジル中銀の政策金利据え置きとインフレ動向 - SBI証券
商品相場が底打ちし、インフレが落ち着き、金利が低下すれば、景気にとってはプラスになるはずです。株価も通貨もかなり下げてますし、そろそろ反発してもいいのではと思います。
なお、ブラジル株へのETFは、東証のボベスパに連動するETF、米国株のMSCIブラジルインデックスや小型株ETFがあります。特に小型株ETFはここ5年弱で60ドルから10ドルまで暴落しており反発が起これば大きくなりそうです。