リチウム、臭素、触媒などを生産する化学メーカー。
リチウムでは最大手の一角でチリのアタカマ湖とオーストラリアのグリーンブッシュ鉱山(持分49%)からリチウム化合物を生産している。アタカマ湖とグリーンブッシュ鉱山はかん水と鉱石でベストの資産。
2Qは前年比で売上高-14%、営業利益-40%、調整EBITDA-29%の減収減益だった。希薄化EPSは0.8ドル。
臭素とリチウムが予想より良かったため調整EBITDAはガイダンスの上限付近で着地した。
セグメント別では、リチウムが売上高-13%、調整EBITDA-33%、臭素が売上高-9%、調整EBITDA-10%、触媒が売上高-26%、調整EBITDA-66%となっている。
リチウムは販売価格が前年比-14%下落したことが響いた。販売価格の下落は1度かぎりの価格譲歩を行ったことが原因(アルベマールは長期契約が基本なので例外的な措置)。
臭素と触媒はCOVID-19の影響による販売数量の減少が主因。
四半期ごとのセグメント別の売上高を見てみる。
前四半期比ではリチウムの売上高がやや回復している。臭素は微増、触媒は微減となる。
次に四半期ごとのセグメント別のEBITDA。
リチウムがやや回復しているが、触媒が大幅減益となった。臭素は前四半期比では減益だが少し長いスパンで見れば他の2セグメントより安定している。
3Qのガイダンスは売上高700-760Mドル、調整EBITDA140-190Mドル。中央値は2Qに比べて売上高-3%の減収、調整EBITDA-11%の減益となる。
リチウムの調整EBITDAは-10~-20%の下落を見込む。主因は販売数量の減少。現在リチウム製品の在庫は通常より5か月分ほど多いレベルまで上がっているそうだ。このためアメリカの2施設の稼働を停止する。9月から年末までを予定しており年間生産量4~5Ktの水酸化リチウムの4か月分が減ることになる。
臭素の調整EBITDAは横ばいを予想する。難燃剤や油田採掘向けの弱さを建設などいくつかのマーケットが打ち消す。
触媒の調整EBITDAは前年比-50~-60%のマイナスが続く。旅行の再開やガソリン在庫の減少でFCCは部分的な回復を見込むがHPCがマイナスのインパクトとなる。
なお、アルベマールの売上高のうち輸送燃料向けは約25%を占める。アメリカの燃料消費はリバウンドしているものの依然として平常時のレベルから低い水準にとどまっており、これが回復するのは来年になりそうとのこと。
決算を受けて株価は-6%下げた。
株価は83.34ドルで実績PER(調整EPS)は14倍程度、予想PER(YahooFinanceの予想EPS)は24倍となる。
数字的な割高感はないがいまだにリチウム市場の回復が見えないので買いにくいところだと思う。