利回りの高いREIT(1月初め)

JapanREITから予想利回りが5.5%以上のREITをピックアップして、物件売却益と利益超過分配金を差し引いた利回りを計算しました。

表の予想は会社発表の予想分配金を使った利回り、調整はそこから物件売却益と利益超過分配金を引いた利回りです。調整利回りが高い順に並べています。インフラファンドはREITと分けて一番下に並べています。

コード 投資法人 決算月 株価 時価総額 予想 調整
3492 タカラレーベン 2/8 86,600 29,920 7.3% 7.3%
8963 インヴィンシブル 6/12 45,200 259,818 7.2% 6.6%
3473 さくら総合リート 6/12 80,300 26,740 6.5% 6.5%
3476 投資法人みらい 4/10 184,200 72,835 6.2% 6.2%
3451 トーセイ・リート 4/10 113,900 32,235 6.4% 6.0%
3472 大江戸温泉リート 5/11 79,600 18,734 6.1% 6.0%
3488 ザイマックス・リート投資法人 2/8 110,000 24,574 5.8% 5.8%
3470 マリモ地方創生リート 6/12 104,100 13,777 6.6% 5.6%
3468 スターアジア 1/7 105,000 56,787 6.6% 5.6%
3487 CREロジスティクスファンド 6/12 99,500 22,999 6.3% 5.5%
3459 サムティ・レジデンシャル 1/7 87,000 43,857 6.2% 5.1%
3455 ヘルスケア&メディカル投資法人 1/7 112,700 21,763 5.5% 4.9%
3463 いちごホテルリート 1/7 136,100 34,702 6.4% 4.4%
3227 MCUBS MidCity 6/12 86,800 142,623 6.0% 3.6%
             
9281 タカラレーベン・インフラ 5/11 102,900 14,259 6.9% 6.3%
9285 東京インフラ・エネルギー投資法人 6/12 83,700 3,853 8.1% 5.5%
9284 カナディアン・ソーラー・インフラ 6/12 94,700 21,894 7.6% 4.5%
9283 日本再生可能エネルギーインフラ 1/7 95,400 9,136 6.8% 4.2%

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REITの分配金利回り・格付け・時価総額

JapanREITでは分配金利回り以外にもいろいろなデータを見ることができるので、それを使ってREITにどんな傾向があるのかを見てみました。

 

格付けと分配金利回り

格付けごとに分配金利回りを並べると下のようになります。

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格付けAAの銘柄はほとんどが利回り3~5%の範囲に収まっており、ばらつきも比較的少ないです。

格付けAと無しの銘柄の利回りは4~7%前後でAAの銘柄よりもばらつきが大きくです。また、格付けAと無しの銘柄を比較すると利回りの範囲はほぼ同じですが、平均的にはAは利回り4%後半~5%の銘柄が多く、無しは利回り6%前後の銘柄が多いです。

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2018年の感想と2019年の投資スタンス

昨年は世界的に株価下落の年になりました。S&P500や日経平均だけ見ると調整の範囲ですが、TOPIXやジャスダックは-20%近く下げていますし、マザーズは-34%の大幅安です。新興市場の小型株をメインにしている投資家には厳しい1年でした。

 

昨年初めに書いた投資スタンスはこんな感じです。

足元の経済はここ10年で最も良い環境にあるので、日米株の割高なCAPEレシオは問題視されず、20倍以下の予想PERの方で評価されるのではと考えます。

大幅下落は予想せず、過去の平均である+5~6%の実質リターンを期待して株式ポジションを維持していくスタンスです。

ただ、株価が長期移動平均のトレンドを割り込むことがあったらポジションの縮小も考えるかもしれません。ダマシによって成績は落ちるかもしれませんが、長らく上昇相場が続いているので安全性重視でいきたいです。

景気に関しては中国のスローダウンがありましたが、アメリカに大きな影響は出ておらず企業業績も好調です。しかし、株価の方は景気後退を織り込む形で売られてしまいました。もっとも株価の調整局面でうまく立ち回るのは難しいと思っているので-10%や-20%の下落に関してはしょうがないと諦めています。問題はこれが-40%や-50%の暴落になるのかという点です。

普通はこのレベルの暴落が発生するには深刻な景気後退などそれなりの理由が必要になると思います。景気の先行きについてはアメリカ住宅市場や中国景気に不安を感じていますが(アメリカの景気について考える)、個人的には依然として景気後退は起こらないか仮に起こるとしても軽微で終わるのではないかと考えています。

そんなわけで2019年も大幅下落は予想せず平均的なリターンを期待するスタンスでいきます。

 

ただし、以前から指摘されているようにアメリカ株のCAPEレシオには割高感があるため、リスク回避のために長期トレンドのトレンドフォローを使いある程度のポジション調整をします。

買戻しについては、株価が大幅に下がった銘柄の中でファンダメンタルが良くバリュエーションが割安なものがあればトレンドの転換を待たずに買っていこうと思います。通常、底からの反発は急激なためトレンド転換を確認してからでは間に合わないことが多いです。

 

各国株価のトレンドとバリュエーション 2018年12月末

12月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

・株価データはMSCIから配当込みのGROSS指数を、CAPEやPERはStarCapital、為替は日銀より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。

・円ベースの損益は、各国のMSCI指数のドルベースのリターンを日銀のドル円レート(月末値)で円換算しています。データの取得先が違うので多少の誤差が出ます。

 

先進国と新興国

第4四半期の株価は先進国が-13.3%、新興国が-7.4%と大幅安になりました。円高に振れたため、円ベースでは先進国-15.9%、新興国-10.1%とマイナスがさらに拡大します。

直近1年間のリターンは先進国-8.2%に対して新興国-14.2%と新興国のマイナスが大きいです。円ベースでは先進国-10.3%、新興国-16.2%でした。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは先進国に比べて割安です。ただし、先進国もPERは15倍まで下がっています。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 21.3 14.9 2.8% -12.7% -15.2% -8.9% -11.0%
先進国 22.5 15.3 2.7% -13.3% -15.9% -8.2% -10.3%
新興国 14.5 12.9 3.4% -7.4% -10.1% -14.2% -16.2%
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アメリカの景気について考える

イールドカーブの逆転が起きたことから景気後退が心配されています。

実際にアメリカ経済はどうなのかという点について経済指標を見つつ個人的な考えを書いてみます。

 

まずは10年-2年金利です。この2つの金利はまだ逆転していませんが逆イールドの一歩手前までスプレッドが縮小しています。

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イールドカーブの逆転については以前メモを書きました。

逆イールドカーブは過去に起きたアメリカの景気後退を高い精度で予想してきたものの、株価はイールドカーブの逆転が起きた年も2年後も3年後もプラスリターンだったそうです。

イールドカーブの逆転が株価下落につながらないのは、逆転が起きてから景気後退までのタイムラグがあることや、景気後退が起きても株価が大きく下がるとは限らないためでしょう。2000年代はITバブルとリーマンショックがあったため景気と株価の動きがかなり一致していますが、それ以前は景気後退期でも株価がそれほど下がらなかった例がけっこうあります。

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中国ネット株のチェック

決算も揃ったのでウォッチしている中国ネット株のPERなどをチェックしました。

ティッカー 会社 株価 今期PER 来期PER 売上高 増収率 増益率
JD JD.com 20.93 83.7 36.7 15,715 25% 赤字
BABA アリババ 153.06 29.7 22.9 12,772 54% -19%
0700.HK テンセント 310.6 31.8 28.2 12,089 24% 22%
BIDU バイドゥ 179.56 18.7 17.0 4,230 20% -6%
NTES ネットイース 236.61 35.0 28.8 2,528 35% -17%
YY YY 62.66 8.6 8.1 615 33% -8%
SINA シナ 63.22 20.5 16.8 557 26% 6%
WUBA 58.com 58.06 21.9 18.1 544 33% 28%
MOMO モモ 24.57 10.0 7.9 536 51% 6%
WB ウェイボー 61.62 23.0 19.0 460 44% 37%

※今期PERと来期PERはYahooFinanceのアナリスト予想を使って計算しました。

※売上高、増収率、増益率は直近四半期の数字です。売上高の単位は百万ドル、増益率は営業利益です。 

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原油安で恩恵を受けそうな業種

2000年1Q~2018年2Qまでの円建ての原油価格と業種別の営業利益率を比べてみました。

原油価格は世界銀行から取得した Crude oil, average の3か月平均(四半期の営業利益率と比較するため)です。これを日銀の為替レートで円換算しました。

業種別の営業利益率は法人企業統計の数字です。対象企業は資本金10億円以上の大企業です。期間中のデータが完全に揃っていない業種は除きました。

 

相関係数のマイナスが大きかった(原油安メリット)10業種はこちらです。

なお、全体や景気との連動も見るために全産業や製造業との相関係数も載せておきます。

  円建て原油 全産業 製造業
電気業 -0.62 0.02 0.10
パルプ・紙・紙加工品製造業 -0.50 0.11 0.31
印刷・同関連業 -0.44 0.05 0.42
ガス・熱供給・水道業 -0.30 -0.08 -0.11
化学工業 -0.18 0.64 0.69
生活関連サービス業 -0.09 0.12 0.17
その他の運輸業 -0.07 0.30 0.30
水運業 -0.06 0.13 0.49
農林水産業(集約) -0.02 0.08 0.12
その他の製造業 -0.02 0.43 0.65

上位の 「電気業」「パルプ・紙・紙加工品製造業」「印刷・同関連業」「ガス・熱供給・水道業」はイメージどおりかなと思います。「全産業」との相関もそれほど高くないので原油価格に素直に反応するのではないでしょうか。

続いて「化学工業」が入っていますが、こちらは原油価格よりも「全産業」や「製造業」との相関が高いので景気循環の影響の方を強く受けそうです。

それ以下の業種はマイナスの値ですが数字自体は高くないです。

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アルベマールとSQMの18年3Q決算

アルベマール決算

3Qは売上+3%の増収、営業利益+11%の増益、調整EBITDA+12%の増益でした。

調整希薄化EPSは1.31ドル、過去4四半期のEPSを使った実績PERは20倍くらいになります。YahooFinanceのアナリスト予想のEPSを使った今期PERは17.8倍、来期PERは15.7倍です。

リチウムセグメントは売上高+1%の増収、調整EBITDA-1%の減益でした。売上への貢献は価格が+6%、数量が-5%です。

リチウム価格は2Q比でフラットで2019年も下落は予想していないとのことです。

数量の減少はハリケーンや停電や環境調査のための予期せぬ操業停止が原因とのことです。

会社の発表しているリチウム生産の拡張計画は下のグラフのとおりです。

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持ち株&気になる銘柄の決算チェック その3

決算シーズンも終わったので持ち株や気になっている銘柄をチェックしてみます。今回は金融・不動産・製造業の銘柄です。

 

8699 澤田ホールディングス

モンゴルのハーン銀行が主力の会社です。

中間決算は売上高+9%の増収・経常利益+67%の増益でした。ハーン銀行の3Q(12月決算)も+46%の増益と好調を持続しています。

セグメント別に見ると、銀行が好調で+10%増収+74%増益でした。一方で証券は大幅減益ですが、銀行以外のセグメントの比率は小さいです。

モンゴル経済ですが、世界銀行は実質GDP成長率の見通しを5.4%から5.9%に引き上げています。為替は10月に急落しましたが、現在はかなり戻しています。

今期予想PERは中間の利益を単純に2倍すると6.7倍です。銀行セグメントに明確な季節性はないので、このペースが続けば割安感があると思います。

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