持ち株&気になる銘柄の決算チェック その3

決算シーズンも終わったので持ち株や気になっている銘柄をチェックしてみます。今回は金融・不動産・製造業の銘柄です。

 

8699 澤田ホールディングス

モンゴルのハーン銀行が主力の会社です。

中間決算は売上高+9%の増収・経常利益+67%の増益でした。ハーン銀行の3Q(12月決算)も+46%の増益と好調を持続しています。

セグメント別に見ると、銀行が好調で+10%増収+74%増益でした。一方で証券は大幅減益ですが、銀行以外のセグメントの比率は小さいです。

モンゴル経済ですが、世界銀行は実質GDP成長率の見通しを5.4%から5.9%に引き上げています。為替は10月に急落しましたが、現在はかなり戻しています。

今期予想PERは中間の利益を単純に2倍すると6.7倍です。銀行セグメントに明確な季節性はないので、このペースが続けば割安感があると思います。

 

7192 日本モーゲージサービス

住宅金融事業(フラット35、リ・バース60など)、住宅瑕疵保険等、住宅アカデメイアの3事業を展開しています。

中間決算は売上高+3%の増収・経常利益+55%の増益でした。経常利益は+25%上振れています。

通期予想は売上高±0%・経常利益+33%の増益です。

セグメント別に見ると、住宅金融事業が+28%増収+62%増益と好調です。住宅瑕疵保険等事業は-2%減収+9%増益、住宅アカデメイア事業は-29%減収・34百万円の黒字転換です。

なお、会計方針の変更により住宅瑕疵保険事業と住宅アカデメイア事業の売上が減少しています。決算短信には住宅アカデメイアが行っている保証サービスにおいて151百万円低くなっているとありますが、住宅瑕疵保険事業がどれくらい減っているのか分かりません。

今期予想PERは10.8倍です。

 

6245 ヒラノテクシード

塗工・化工・各種熱処理機械。EV関連です。

中間決算は売上高+18%の増収・経常利益+16%の増益でした。売上は4%の下振れ、経常利益は1%の下振れです。

通期予想は売上高+45%の増収・経常利益+34%の増益です。

2Qの受注高は前年比ではマイナスですが高水準を維持しています。受注残は414億円(今期の売上高は300億円予想)とここ数年では最高で、前年比でも82%増加しています。

セグメントを見ると塗⼯機関連機器よりも化工機関連機が好調です。

予想PERは9.3倍と成長率に比べると割安ですが、設備投資関連は業績のブレが大きいですし、海外や輸出の比率が高いので中国や世界景気が不安要素です。

 

6246 テクノスマート

各種フィルム塗工乾燥機、化工機メーカー。

中間決算は売上高+4%の増収・経常増益0%の増益でした。1Qが納入の遅れから赤字でしたが、2Qに大幅な増収増期となり巻き返しました。経常利益は期首予想を31%上振れています。

通期予想は売上高+26%の増収・経常利益+42%の増益です。

ヒラノテクシードと同じくEV関連銘柄ですが、エネルギー関連機器は-44%減収と大きく落ち込んでいます。好調なのはディスプレイ関連機器で売上の半分以上を占めています。

受注高は前年比+44%と大幅に増加しました。受注残高も131億円(今期の売上高は180億円予想)とここ数年で最高で、前年比でも+106%の増加です。

予想PERは9.8倍で、予想配当利回りも3.1%あります。

 

6089 ウィルグループ

人材派遣や業務請負の会社です。

中間決算は売上高+34%の増収・経常利益-16%の減益でした。経常利益は期首の予想を29%上回っています。

通期予想は売上高+26%の増収・経常利益+7%の増益です。

セグメント別に見ると、主力3部門のうちセールスOS事業とコールセンターOS事業は売上が伸びておらず利益も3割減益と冴えません。ファクトリーOS事業は売上が3割近く伸びていますが利益は横ばいです。3部門はどれも上期計画を達成していません。

介護ビジネス支援事業は延びてはいますがまだ黒字転換したばかりで貢献は低く、大幅増収増益の海外事業は買収効果です。

今期予想PERは19倍(経常利益×0.7マイナス去年の少数株主持分だと16.7倍)です。

 

2362 夢真ホールディングス

建築技術者派遣が主力の会社です。最近は海外に展開している人材派遣の会社が多くなっていますが、ここは国内に専念しています。

前期実績は売上高+33%の増収・経常利益+104%の増益でした。経常利益は期首の予想を+10%上振れて着地です。

今期予想は売上高+24%の増収・経常利益+21%の増益です。

中期計画では2021年9月期に営業利益を現在の2倍近く(54億円→100億円)に増加させるとのことです。

今期予想PERは16.3倍で、予想配当利回りは3.9%です。

 

3228 三栄建築設計

同じ家は、つくらない。というコンセプトの戸建て建築の会社です。マンション分譲のシード平和が子会社、建築請負、不動産仲介、ホテル、海外などに展開しています。

2018年8月期の実績は売上高±0%・経常利益-15%の減収でした。期首予想を売上高-14%・経常利益-23%下回りました。修正の理由は一部大型物件の期ずれ、一部投資用不動産の大幅値引き、マンション分譲の業者への一括販売を挙げています。

今期予想は売上高+19%の増収・経常利益+29%の増益です。

期末の不動産在庫は665億円で前年比+95%増加しています。会社は3年計画で売上高を1,500億円(18年1,006億円)経常利益を125億円(18年76億円)にする計画を出しています。

今期予想PERは5倍です。

 

8891 エムジーホーム

分譲マンションや注文住宅。

中間決算は売上高-21%の減収・経常利益-20%の減益でした。しかし、経常利益は期首の予想を+39%上方修正しています。分譲マンション引き渡しの増加や販管費の下期へのずれ込みが原因とのことです。

通期の予想は売上高+23%の増収・経常利益+17%の増益です。

中間時点の不動産在庫は前年比で+9%増加しています。

今期予想PERは3.1倍と割安な数字です。ただ、配当利回りは0.8%と低いです。

 

不動産業界は全体的に売り込まれてPERが低くなっています。PER3倍台の銘柄もいくつかありますし、日本エスリードのような大手もPER4.9倍です。ただ、景気が悪くなると業績も一気に悪化するうえに資金繰りも厳しくなるのでちょっと不安な業種です。

 

8914 エリアリンク

コンテナや収納トランクなどのストレージが主力の会社です。推定シェアは15%で業界首位とのことです。

3Qは売上高+29%の増収・経常利益1%の増益でした。

通期予想は売上高+40%の増収・経常利益+18%の増益です。

セグメントのうちストレージ運用は+13%増収-12%減益でした。一方でストレージ流動化が大幅な増収増益になっており、全体に占める割合も拮抗してきています。ストレージ流動化はストック収入とは言えないと思うので、不況になったときにどれくらいの安定感があるのかよく分かりません。

今期予想PERは9.6倍です。

 

1798 守谷商会

中堅の建設会社です。

中間決算は売上高+16%の増収・経常利益+85%の増益でした。経常利益の進捗率は59%です。

受注高は23%の増加、繰越高も16%増加しています。

通期予想は売上高-4%の減収・経常利益-30%の減益予想です。

キャッシュリッチな会社で現預金が84億円に対して、短期有利子負債が12億円と長期有利子負債が4億円です。投資その他の資産(前期末の決算書では投資有価証券や投資用不動産が大きい)も24億円あります。時価総額は45億円です。

今期予想PERは6.2倍で予想配当利回りは3.2%です。