決算シーズンも終わったので持ち株や気になっている銘柄をチェックしてみます。今回は内需系の銘柄です。
9267 ゲンキー
食品比率の高いドラッグストアチェーン。
1Qは売上高+12%の増収・経常利益+7%の増益でした。進捗はいまいちで、中間予想を達成するのに2Q単体では売上高+17%の増収・経常利益+37%の増益が必要です。
通期予想は売上高+16%の増収・経常利益+20%の増益です。
月次売上高は7月~10月まで全店115.2%・既存店107.2%と堅調です。
今期のPERは15.4倍弱とほどほどですが、下振れ懸念があるのが不安材料でしょうか。
3376 オンリー
紳士服の会社です。
前期実績は売上高+4%の増収・経常利益+19%の増益でした。期首予想を5%くらい下振れています(過去5年で4年目)。
今期予想は売上高+12%の増収・経常利益+29%の増益です。
店舗数は60店舗で、ここ数年は微減といった感じです。
今期予想PERは8.6倍で数字だけ見るとやや割安ですが下振れ傾向があるのが不安点です。予想配当利回りは3.6%と高めです。
7419 ノジマ
家電量販店や携帯販売店の運営。ネット接続のニフティを買収しています。
中間決算は売上高+6%の増収・経常利益+36%の増益でした。期首の予想を32%上振れています。
業績好調の理由としては、子会社化したニフティとのシナジー効果、猛暑でエアコンなどが好調に推移、子会社の不採算事業のリストラクチャリング、を挙げています。
通期予想はほんの少し修正して、売上高+4%の増収・経常利益+12%の増益です。
セグメントはデジタル家電専門店運営事業が+11%の増収+21%の増益と好調、インターネット事業も前年172百万の赤字から1,195百万へ黒字転換しています。キャリアショップ運営事業は売上横・利益微減です。
デジタル家電専門店事業の店舗数は前年154店舗から今年167店舗で1割近く増加しています。
インターネット事業の前年下期は黒字だったので改善のインパクトは弱まりそうです。
今期の予想PERは8.9倍です。のれんが大きいので償却費を考えなければ割安感が強まります(今期予想は純利益147億円に対してのれん償却前利益は230億円)。
3169 ミサワ
おしゃれ家具のUnicoを展開しています。2018年1月期末の店舗数は51店です。
中間決算は売上高+14%の増収・経常利益+179%の増益でした。2Q単体の増収率は+10%とややスローダウンしていますが、経常利益は+226%と大幅な増益になりました。中間の経常利益率は4%です。
好調の要因としては、新商品の販売、人気の既存商品の適正在庫の確保、円高などを挙げています。
今期予想は売上高+7%の増収・経常利益181百万円の黒字転換予想です。経常利益率は1.8%です。
2Qの時点で経常利益は通期の予想を超えており好調に見えますが、過去3年の下期業績は赤字でした。それ以前の3年間は黒字です。
今期予想PERは35倍と高いものの経常利益率が回復すれば数字も下がると思います。経常利益率のピークは8%です。
3186 ネクステージ
中古車販売の会社です。
3Qは売上高+34%の増収・経常利益+14%の増益でした。
通期予想は売上高+13%の増収・経常利益+12%の増益です。
この会社は中古車売買と自動車用品の両方を扱う総合店(大型店)に注力しています。今期末で総合店は12店舗、SUV LANDは8店舗、中型店25店舗(中型店から総合店にシフト中)と店舗数は多くないので拡大余地はありそうです。決算説明会資料によると総合店160店舗を目標に掲げています。総合店は初期投資が高く参入障壁があるそうです。
株価は一時落ち込みましたが現在は回復してきています。今期の予想PERは30.3倍で割安感はありません。
4298 プロト・コーポレーション
中古車情報誌、タイヤなどの物販など。
中間決算は売上高+4%の増収・経常利益+24%の増益でした。経常利益は期首予想を+39%上回りました。
通期予想は売上高+1%の増収・経常利益+24%の増益です。経常利益を+13%上方修正しています。
セグメント別に見ると、物品販売が+10%と比較的高い増収率です。キングスオートの中古⾞輸出が堅調に推移したそうです。
利益については「主にチラシ売上等の収益性の低い売上⾼を抑制し、広告収入・利⽤料収入等のコア事業の売上⾼を伸ばすことにより、収益性の改善を進めていることによるものとなります」とのことです。
今期の予想PERは10.8倍と可もなく不可もなしといった数字です。
3830 ギガ・プライズ
集合住宅向けのネット接続サービスを提供しています。
中間決算は売上高+64%の増収・経常利益+7%の増益でした。
通期予想は売上高+40%の増収・経常利益+26%の増益です。中間時点での経常利益の進捗率は26%と低いです。
セグメント別に見ると、主力のHomeITは+66%増収+46%増益と好調ですが、不動産事業の赤字が1.1億円から2.2億円に拡大しています。この部門の赤字をもう少し減らしてほしいところです。
今期の予想PERは20.9倍です。
7148 FPG
節税のオペレーティングリース。
前期実績は売上高+5%の増収・経常利益-8%の減益でした。経常利益は期首予想を15%下振れています。数字はいまいちですが、組成金額は過去最高の4,281億円を記録しています。
今期予想は売上高+14%の増収・経常利益+14%の増益です。
今期予想PERは11倍、予想配当利回りは4.3%です。PERはほどほどですが配当は高めです。
1407 ウエストホールディングス
太陽光工事や売電。
前期実績は売上+60%の増収・経常利益+97%の増益でした。下方修正の多い会社ですが売上・利益ともに大きく上振れました。
今期予想は売上+19%の増収・経常利益+15%の増益です。
セグメント別に見ると、再生可能エネルギー事業の利益が倍増しています。ただし、前期が落ち込んでいるため前々期比では減益です。売上は微増でした。
電力事業は売上が+191%増加して最大のセグメントになっています。ただ、利益の方は-49%の減益です。2Qに日本卸電力取引所の取引価格が高騰したことで赤字が出たのが原因です。これがなくなる来期は期待できそうです。
省エネルギー事業は黒字転換、メンテナンス事業は増益でしたが比率はそこまで高くないです。
今期の予想PERは9.7倍です。決算後に株価がかなり上がったことから割安感は薄れてしまいました。
4651 サニックス
太陽光発電設備工事、白アリ防除、廃プラ処理や売電などの会社。
中間決算は売上高+1%の増収・ 経常利益6.9億円の黒字転換でした。しかし、通期の経常利益の予想を21億円から12.9億円に下方修正しています。
修正の理由は苫小牧発電所が地震で操業停止したためです。再開は来年の3月になるそうです。
セグメント別の業績は、HS部門(白アリなど)、ES部門(ビル・マンション向け防錆器具など)、環境資源開発部門(廃プラ発電や売電など)が揃って売上を2~3割伸ばしています。利益もHS部門とES部門は計画を大きく超えました。
一方でSE部門(太陽光発電システムなど)は2Qに黒字化しましたが計画の数字を大きく下回っています。市場縮小とFITの事業計画認定の遅れが原因とのことです。
今期は下方修正ですが、期首予想の純利益を使ったPERは6.9倍です。発電所が再稼働する来期に期待という感じです。
9517 イーレックス
電力小売り。バイオマス発電所を2か所持ちます。
中間決算は売上高+40%の増収・経常利益-29%の減益でした。
通期予想は売上高+40%の増収・経常利益-13%の減益です。経常利益の予想を-40%下方修正しています。
業績悪化の理由は、高圧小売部門における価格競争による販売価格の下落(-24億円)や夏場のJEPX価格上昇(-14億円)を挙げています。JEPXの価格上昇は一過性かもしれませんが、高圧部門の価格下落は今後も継続的に続く見通しのようです。
電力供給施設数ですが、高圧部門は2四半期連続で減少、低圧部門は増加しているものの2Qの増加数は1万を切っており鈍化傾向です。
高圧部門と低圧部門の売上高はそれぞれ129億円と80億円です。高圧部門と低圧部門の比率は1:1を目標にしているようです。
今後に期待が持てるのは新規の発電所です。現在は土佐と佐伯の70MWですが、2019年下半期に大船渡75MW(持分35%・全量erexへ販売)と豊前75MW(持分65%・全量外部販売)が、2021年3月期に沖縄50MWが稼働する計画です。
2発電所がフル稼働する2021年3月期は、発電部門のみで年間30億円以上の当期利益への貢献になるそうです(2019年の予想純利益25億円)。
今期予想PERは13.7倍です。新発電所がフル貢献するのは再来期なので当面は厳しそうです。