オニールの成長株発掘法

成長株投資で有名なウィリアム・オニールの本を読みました。 

オニールの成長株発掘法 【第4版】 (ウィザードブックシリーズ)

オニールの成長株発掘法 【第4版】 (ウィザードブックシリーズ)

  • 作者: ウィリアム・J・オニール,スペンサー倫亜
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2011/04/15
  • メディア: 単行本
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この本で解説されているのは株価が何倍にもなるような大化け株を見つける方法です。オニールはこの方法を「CAN-SLIM」という7つのルールにまとめています。

C=当期四半期のEPSと売り上げ(Current Quarterly Earnings)

A=年間の収益増加(Annual Earnings Increases)

N=新製品、新経営陣、新高値。(New Products, New Managment, New Highs) 

S=株式の需要と供給(Supply and Demand) 

L=主導銘柄か、停滞銘柄か(Leader or Laggard)

I=機関投資家による保有(Institutional Sponsorship)

M=株式市場の方向(Market Direction)

CAN-SLIMについてのオニールの言葉を引用すると、「われわれの手法は、強いファンダメンタルを持つ企業、つまり独自の新製品や新サービスによってもたらされた大きな売り上げと増益を見せる銘柄を見つけだし、そのような銘柄が適切に形成されたベース期間から抜け出して強気相場で大きく上昇を始める前に、正しいタイミングで買うということだ」とのことです。

他のファンダメンタル系の投資手法と違うのは、最高の成長株のみを対象にする、バリュエーションにこだわらない、上げ相場のときだけ参加する、チャートを重視するといった点かなと思います。

 

CAN-SLIMの有効性についてですが、客観的な検証結果が掲載されているわけではないのでこの本を読んだだけではよく分かりません。上げ相場でのグロース株は強烈に値上がりするので正確に実践できればかなり効果的な気はしますが。

ただ、実践に当たってはマーケットの方向性を見極めるという点がかなり難しいのではないかと思いました。オニールはチャートさえ正しく読めればマーケットの天井や底を見抜けると言いますが、解説ではいくつもの条件が羅列されているだけで明確なルール化はされていませんし、その根拠も成功したチャートが掲載されているだけです。これは個別株のセットアップに関しても同じで、取っ手付きカップ型などの解説はあるものの有効性についてはいまひとつ謎でした。

 

そんなわけで個人的にはこの本のチャートの解説はやや微妙に感じましたが、CAN-SLIM自体は代表的な成長株投資法なので読んで損はないのかなと思います。